海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
出かける前に財布の中身が心もとないと気づいて、ATMで現金を下ろした経験はありませんか。
そんな場面で使える「take out」を、『フレンズ』シーズン6第19話の前半、壊れた冷蔵庫の代金をめぐってジョーイがレイチェルに支払いを迫るシーンから、一緒に見ていきましょう。
「take out」の意味とニュアンス
take out
意味:(お金を)引き出す、取り出す
take out は、中に入っているものを外へ取り出す動きを表す表現です。take は「取る」、out は「外へ」という基本の意味で、二つを合わせると「中から外へ取る」という絵になります。今回のシーンでは、ATMの中にある預金を取り出す、つまり「引き出す」という意味で使われています。
この表現は、後ろに来る目的語によって日本語の動詞が変わります。お金なら「引き出す」、バッグの中の物なら「取り出す」、人であれば「外へ連れ出す」、ゴミなら「出す」になります。英語ではどれも同じ take out ですが、日本語では別々の動詞に訳し分ける点が、この表現の特徴です。
作中の形は「let you take out $300 at a time」です。let は「〜させてくれる」という意味で、ATMを主語にして「ATMは一度に300ドルまでしか引き出させてくれない」という言い方になっています。at a time は「一度に」という意味で、引き出せる金額の上限を伝えるときに組み合わせて使えます。
同じ発言の中には「take a check」という言い方も出てきます。こちらは out が付かず、「小切手を受け取る」という意味です。take だけなら「受け取る」、take out と続ければ「中から外へ取り出す」と、out の有無で動きの向きが変わる点も、あわせて押さえておくと整理しやすくなります。
【ここがポイント!】
- 「take out」の核は、中にあるものを外へ取り出す動き
- お金なら「引き出す」、物なら「取り出す」、人なら「連れ出す」と、目的語で訳が変わる
- 「take a check」のように out がなければ、「受け取る」という別の動きになる
『フレンズ』S06E19のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
レイチェルが自分の住まいの修理が終わるまで滞在しているジョーイのところで、壊れた冷蔵庫の代金をめぐるやり取りが続いています。ジョーイは新しい冷蔵庫が必要になったと言い、レイチェルの負担分は400ドルだと告げます。レイチェルは「修理が終わるまで泊まっているだけ」と支払いを断り、ジョーイは「レイチェルが来たら壊れた」と言い張ります。そのやり取りの続きが、次の会話です。
Joey: What does that tell you?
(それって、どういうことだと思う?)Rachel: That refrigerators don’t live as long as people.
(冷蔵庫は人間ほど長生きしないってことよ。)Joey: All right, now, you know that the A.T.M. will only let you take out $300 at a time so I’ll take a check for the other $100.
(いいか、ATMは一度に300ドルまでしか引き出させてくれないだろ。だから残りの100ドルは小切手で受け取るよ。)Rachel: You’re joking, right?
(冗談でしょ?)Joey: Of course I’m joking. I don’t take checks.
(もちろん冗談だよ。俺は小切手なんて受け取らないんだ。)Friends Season6 Episode19(The One with Joey’s Fridge)
シーン解説と心理考察
ジョーイの「What does that tell you?」は、自分の主張の結論へ相手を誘導する問いかけです。冷蔵庫はレイチェルが来る前は何の問題もなかったのに、来た途端に壊れた、という理屈をここで締めくくろうとしています。それに対してレイチェルは、冷蔵庫の寿命は人間より短いという当たり前の事実で切り返し、ジョーイの因果関係の主張をそのまま受け入れない姿勢を見せます。
続くジョーイの発言には、具体的な数字が並びます。半額の400ドルのうち、ATMで一度に引き出せるのは300ドルまでで、残りの100ドルは小切手で受け取る、という細かい計算です。支払いの段取りまで整えてみせることで、要求がもっともらしく聞こえるように運んでいます。ここでの take out は、ATMという現実の設備を引き合いに出す役割を担っていて、話の細部を具体的にする働きをしています。
レイチェルが「You’re joking, right?」と確かめると、ジョーイは「Of course I’m joking. I don’t take checks.」と答えます。直前に「小切手で受け取る」と言ったばかりなのに、「小切手は受け取らない」と返す流れが、この場面のおかしみです。つまり、先ほどの発言は冗談として出されたものでした。
ただし、冗談だと明かしても、代金の話そのものは取り下げられていません。この後の場面でも、ジョーイは別の人物に400ドルの支払いを求めていきます。冗談として笑いに変えつつ、請求は続けるという二重の運びが、このシーンの土台になっています。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
ATMの取り出し口から、お札がすっと出てくる様子を思い浮かべてみましょう。中にあったものが外へ出てくる動きが、take out の絵そのものです。バッグから物を出す動きも、人を家の外へ連れ出す動きも、同じ「中から外へ」という一つの絵で説明できます。
ジョーイの発言には、その絵を確認できる二つの take が入っています。「take out $300」は中から外へ出す動きで、「take a check」は手元へ受け取る動きです。out が付いたときは、何かが中から外へ出る場面を思い浮かべる。この使い分けを頭に置いておくと、似た形の表現も整理しやすくなります。
例文で覚える「take out」
目的語によって訳が変わる take out を、3つの例文で確認していきましょう。
I need to take out some cash before we go to the market.
(市場に行く前に、現金を少し引き出しておかないと。)
出かける前に現金を用意する場面です。take out some cash のように、お金を目的語にすると「引き出す」という意味になります。
A: Where’s the receipt?
B: Hold on, I’ll take it out of my bag.
(A:レシートはどこ?)
(B:ちょっと待って、バッグから出すよ。)
物を探して取り出す会話です。it out of my bag のように、どこから出すのかを out of で続けると、取り出す元の場所まで伝わります。
He took his sister out for dinner last night.
(昨夜、彼は妹を夕食に連れ出した。)
人を目的語にして「連れ出す」意味で使う例です。take + 人 + out の語順で、外での食事や外出に連れて行く場面に使われます。
あわせて覚えたい関連表現
withdraw
(預金を引き出す)
withdraw は預金の引き出しに使う少し改まった語です。take out は、お金以外の物や人にも使える点が違います。
pull out
(引き抜く、引っ張り出す)
pull out は引っ張って抜く動きに重点があります。take out は、中から外へ移す動き全般を指す表現です。
take away
(持ち去る、取り上げる)
take away はその場から別の場所へ運び去る動きに、take out は中から外へ出す動きに重点があります。
Note|take out は、目的語しだいで日本語の動詞が変わる
take out は、後ろに来る目的語を見ると、どの意味で使われているかが分かる表現です。
目的語がお金なら「引き出す」、バッグや引き出しの中の物なら「取り出す」、人なら「連れ出す」、ゴミなら「出す」になります。ローンのように、お金にまつわる手続きを表す名詞が続くと、「借りる」「組む」という意味になります。どれも「中から外へ」という動きは共通しているのに、日本語では別々の動詞に置き換わるため、訳語だけを覚えようとすると整理しにくい表現です。
語順にも決まりがあります。物を目的語にするときは take out the trash と take the trash out のどちらも使えますが、it のような代名詞を使うときは take it out の形になり、take out it とは言いません。人を連れ出すときも take her out のように、代名詞は take と out の間に入ります。
ジョーイの「take out $300」は、お金を目的語にした形でした。目的語が $300 だと分かれば、意味は「引き出す」に決まります。目的語に注目して読むと、同じ take out でも場面ごとの意味の違いが見えてきます。
まとめ|中から外へ、で整理する take out
take out は、中にあるものを外へ取り出す動きを表す表現です。ATMから現金を引き出す場面でも、バッグから物を出す場面でも、人を外へ連れ出す場面でも、目的語に合わせて意味が決まります。
「take a check」のように out がないと、「受け取る」という別の動きになる点も、あわせて押さえておきたいところです。
壊れた冷蔵庫の代金を迫るジョーイは、ATMの限度額まで持ち出して支払いの話を組み立てたうえで、冗談だと明かして笑いに変えていました。日常の中にある「引き出す」という動作が、そのまま会話の材料になっていた場面でした。


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