「make it up to someone」の意味と使い方|『Friends』S06E17で学ぶ英会話

「make it up to someone」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

大事な約束を忘れてしまい、相手に申し訳なくて、何かで償いたいと強く思った経験はありませんか。

そんな気持ちを伝える「make it up to someone」を、『フレンズ』シーズン6第17話の中盤、手作りのプレゼントを贈り合う約束を忘れていたモニカが、チャンドラーに埋め合わせを約束するシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「make it up to someone」の意味とニュアンス

make it up to someone
意味:(人に)埋め合わせをする

make it up to someone は、相手に迷惑をかけたり、期待を裏切ったりしたあとで、行動や贈り物によってその分を償う、と伝える表現です。it には、かけてしまった迷惑や、犯した失敗が入ります。up to のあとには、埋め合わせをする相手を置きます。

今回のシーンでは、原形の make it up to someone が、make this up to you の形で使われています。it が this に、someone が you に置き換わっただけで、働きは同じです。it の部分は、this や that にも置き換えられ、相手との間で話題になっている出来事を指します。someone の部分には、埋め合わせをする相手の名前や、you・him・her などが入ります。

「ごめんなさい」だけで終わらせず、そのあと自分が何かをすると約束する点が、この表現の大きな特徴です。謝罪の気持ちに加えて、これから行動で示す、という前向きな意思が含まれます。友人や恋人、家族など、身近な相手に、誠意を込めて伝えたい場面によく合う言い方です。「今度おごるよ」「次はちゃんと行くよ」のように、次の機会に何かで返すという約束を、ひとことにまとめて言える便利な形でもあります。

【ここがポイント!】

  • 核は、迷惑をかけた相手に、行動や贈り物で「その分を返す」と約束すること
  • it(this / that)には、かけた迷惑や失敗が入り、up to のあとに埋め合わせる相手を置く形
  • 「ごめんなさい」に加えて、これから何かをするという前向きな意思が含まれる表現

『フレンズ』S06E17のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

バレンタインデーを遅れて祝う今夜、互いに手作りのプレゼントを贈り合う約束をしていたモニカとチャンドラーが、贈り物を交換します。チャンドラーからテープを受け取ったモニカは、自分は約束を忘れていて、手作りのものを用意していなかったと打ち明けます。なお、このテープはチャンドラーが自分で作ったものではなく、直前に部屋の中で見つけてきたものです。

Monica: I totally forgot about tonight and the fact that we’re supposed to make the presents.
(今夜のことと、プレゼントを手作りする約束を、すっかり忘れてたの。)

Chandler: Oh, it’s okay. I don’t, I…
(ああ、いいんだよ。俺は、その……)

Monica: No, no, it’s not okay. It’s not. I mean, you were just… you’re so incredible and you went through all this time and effort to make this tape for me; you know, I’m just going to… I’m going to have to make this up to you— I will. I am going to… cook you anything you want in here and I’m going to do anything you want in there.
(ううん、ううん、よくないわ。よくないのよ。だって、あなたは……あなたはすごい人で、私のためにこのテープを作るのに、これだけの時間と手間をかけてくれたのに。私、ただ……この埋め合わせはしなきゃ。絶対に。ここで何でも好きなものを作るし、あっちでも、あなたのしてほしいことは何でもするわ。)

Chandler: Well, I did put a lot of thought into the tape.
(まあ、あのテープには、かなり気持ちを込めたからな。)

Friends Season6 Episode17(The One with Unagi)

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シーン解説と心理考察

モニカの I totally forgot about tonight and the fact that we’re supposed to make the presents. は、今夜のこと、そして手作りのプレゼントを贈り合う約束、その両方をすっかり忘れていた、という告白です。totally は「まったく、すっかり」という強めの言葉です。the fact that 〜 は「〜という事実」という意味で、忘れていた中身を具体的に言い添える形になっています。supposed to は、「〜することになっている」という、あらかじめ決まっていた約束を表します。

チャンドラーは Oh, it’s okay. と、あっさり許します。I don’t, I… と言いよどんだところで、言い終わらないうちに、モニカが No, no, it’s not okay. It’s not. と、相手の「いいよ」を繰り返し否定します。ここには、許してもらって済ませたくない、という強い気持ちがにじんでいます。

否定の理由は、そのあとの言葉に表れています。you were just… you’re so incredible と、言いよどみながら相手を褒め、you went through all this time and effort to make this tape for me と、テープを作るのにかけてくれた時間と手間をあげています。相手の手間に見合う返しができていない、という思いが、そのまま埋め合わせの約束へとつながります。

I’m going to have to make this up to you– I will. の this は、手作りの贈り物を用意しなかったことを指しています。have to は「〜しなければならない」という義務の言い方で、自分に課す決意が強く出ています。最後に I will. と付け加えることで、絶対にやる、と念を押します。

モニカはそのあと、何でもすると重ねて申し出ます。チャンドラーは Well, I did put a lot of thought into the tape. と返します。did は、動詞を強める働きをする言葉です。テープにいろいろ考えを込めたと強調することで、モニカの申し出をそのまま受け取ろうとする一言になっています。put a lot of thought into 〜 は、「〜によく考えを巡らせる」という意味です。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

make it up to someone を覚えるコツは、空いてしまった穴を、行動で埋めていく様子を思い浮かべることです。make(作る)と up(満たす)を組み合わせて、足りなくなった分を作って埋め合わせる、という映像で覚えます。

モニカの場面では、手作りのプレゼントを用意できなかったことで、二人の間に穴が空いた状態です。モニカから見れば、テープに時間と手間をかけてくれた相手に対して、自分の行動でその穴を埋めていく。気持ちだけで済ませずに、動いて返す、という決意です。そう決意して口にしたのが、I’m going to have to make this up to you でした。穴を埋める相手が you だから、up to you と、相手に向けた形になる、と押さえておくと、to の向きも忘れにくくなります。

例文で覚える「make it up to someone」

迷惑をかけた相手に埋め合わせを約束する make it up to someone を、3つの例文で確認していきましょう。

I’m sorry I missed your birthday. I’ll make it up to you.
(誕生日に行けなくてごめん。埋め合わせはするよ。)
友人の誕生日に出席できなかったあとの謝罪です。謝ったあとに、すぐ続けて埋め合わせを約束すると、誠意が伝わります。

Let me make it up to you by taking you out to dinner.
(お詫びに、夕食をごちそうさせてください。)
約束を破った相手に、具体的な埋め合わせの方法を示す場面です。by のあとに、何をして埋め合わせるかを続けると、話が具体的になります。

A: You forgot our anniversary again.
B: I know, and I’m going to make it up to you this weekend.
(A:また記念日を忘れたのね。)
(B:わかってる。今週末に埋め合わせするよ。)
夫婦や恋人同士の会話です。this weekend のように、いつ埋め合わせるかを添えると、約束が現実味を帯びます。

あわせて覚えたい関連表現

make up for
(〜を埋め合わせる)
make up for は、埋め合わせる対象(失敗や遅れ)を後ろに置きます。make it up to は、埋め合わせる相手(人)を後ろに置く点で異なります。

compensate
(補償する、埋め合わせる)
compensate は、金銭や物での補償を表す、かための言い方です。make it up to は、行動や気持ちも含めて埋め合わせる口語表現です。

owe someone one
(〜に借りがある)
owe someone one は、借りがあると認める言い方です。make it up to は、その借りを返す行動を約束する言い方です。

Note|make this up to you の this は何を指すか

今回のシーンで、モニカは I’m going to have to make this up to you と言いました。原形の make it up to someone と比べると、it の位置に this が入っています。この this や it が何を指しているのかに注目すると、この表現の使い方が整理できます。

make it up to you の it は、this や that に置き換えられます。指しているのは、相手にかけてしまった迷惑や、犯した失敗です。モニカの場合、this は、手作りのプレゼントを用意しなかったことを指しています。

埋め合わせの理由を、はっきり言い添えたいときは、for を使います。make it up to you for 〜 の形にして、for のあとに理由を置きます。I’ll make it up to you for missing your birthday. なら、「誕生日に行けなかった分、埋め合わせをするよ」という意味になります。for のあとには、名詞や -ing の形を置きます。

モニカの発言では、this だけで、直前まで話していたプレゼントの件を指せるため、for 以下は省かれています。話題がはっきりしているときは this だけで足り、相手に理由を明確に示したいときは for を加える、という使い分けができます。

it や this は「何を」、to のあとは「誰に」。この2つを押さえれば、形は決まります。

まとめ|謝罪に、行動の約束を添える

make it up to someone は、迷惑をかけた相手に、行動や贈り物でその分を返すと約束する表現です。「ごめんなさい」だけでなく、これから何かをするという前向きな意思が含まれます。

it や this に、かけた迷惑や失敗が入り、to のあとに埋め合わせる相手を置きます。理由を添えたいときは、for を続ける形も使えます。

約束を忘れたときや、誰かに手間をかけさせてしまったときに、誠意を伝える一言として、表現の引き出しに加えてみてください。

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