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決まりで禁じられているわけではないのに、周囲がなんとなくいい顔をしない。そんな空気を感じ取った経験はありませんか。
そんな場面にぴったりの「frown upon」を、『フレンズ』シーズン6第18話の前半、学生が書いた授業評価のコメントをめぐる会話のなかで、ロスがチャンドラーの質問に答えるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「frown upon」の意味とニュアンス
frown upon
意味:〜を好ましく思わない、〜にいい顔をしない
frown upon は、ある行為や習慣を「好ましくないもの」と受け止めている状態を表す表現です。frown は「顔をしかめる、眉をひそめる」という意味の動詞で、upon はその態度が向けられる対象を導く前置詞です。眉をひそめて見る、という動作から、よく思わない、という態度へと意味がつながっています。
規則で禁じられているかどうかとは別に、周囲の受け止めを述べるのが特徴です。禁止とまではいかないけれど歓迎されない行動や、暗黙の了解に反する行動を述べるときに使われます。
be frowned upon という受け身の形で、「〜は好ましく思われていない」と言うのが典型です。受け身にすると、誰が眉をひそめているのかを言わずに、周囲の一般的な受け止めとして示せます。作中でも、この受け身の形が使われています。
【ここがポイント!】
- 「frown upon」の核は、眉をひそめて見るように、好ましくないと受け止めていること
- 規則で禁じられているかどうかとは別に、周囲の受け止めを述べる表現
- 受け身の be frowned upon で、「好ましく思われていない」と言うのが典型の形
『フレンズ』S06E18のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
授業評価に載った学生のコメントが話題になり、書き手を探す流れのなかで、ロスが「自分は教員で、相手は学生だから関係ない」と口にします。チャンドラーが規則違反なのかと尋ねると、ロスは規則の話と周囲の受け止めを分けて答えます。「違反ではないが、好ましくは思われない」という一言が見どころです。
Ross: Anyway, it wouldn’t matter, okay? Because I’m a teacher, she’s a student.
(とにかく、どっちにしても関係ないんだ。いいか? 俺は教師で、その子は学生なんだから。)Chandler: Oh, is that against the rules?
(あ、それって規則違反なの?)Ross: No, but it is frowned upon.
(いや、違反じゃない。でも、いい顔はされないんだ。)Chandler: I see.
(なるほどね。)Ross: Besides, there’s a big age difference.
(それに、年もだいぶ離れてるんだ。)Friends Season6 Episode18(The One Where Ross Dates a Student)
シーン解説と心理考察
ロスは「どっちにしても関係ない」と言い、その理由に教員と学生という立場を挙げます。チャンドラーの「それは規則違反なのか」という問いは、その理由が決まりに基づくものかどうかを確かめる質問です。ロスの返答は、ここで二段に分かれます。
まず No で、規則違反であることを打ち消します。続けて but を挟み、「好ましくは思われない」と付け足します。規則の有無と、周囲の見方を、別々の物差しで答えているところに、ロスが状況を整理しながら話している様子が表れています。
チャンドラーの返事は I see の一言で、話はロスの次の理由へ移ります。ロスは Besides と続けて、年齢差を加えます。教員と学生という立場、周囲の受け止め、年齢差と、理由が一つずつ積み重なっていく流れです。
ここで frowned upon が担っているのは、何かを認めたり勧めたりする働きではなく、周囲からどう受け止められるかを示す働きです。規則には触れないが、歓迎もされない。その中間にある状態を、この一言が言い表しています。
この話の中では、このあとの場面でも frowned upon という言葉が繰り返し登場します。また、ロスはここで「違反ではない」と言いますが、のちの場面では、学生と付き合うのは規則違反だという指摘が出て、規則集(ハンドブック)にも実際にそう書かれていると分かります。最初のこの一言が、話全体を通した軸になる場面と言えます。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
周りの人たちが、口には出さずに眉間にしわを寄せ、じっとこちらを見ている様子を思い浮かべてみましょう。声を上げて止めるわけではありませんが、歓迎していない空気ははっきりと伝わってきます。frown の「眉をひそめる」という動作が、そのまま意味を支えています。
ロスの「No, but it is frowned upon.」も、この絵でとらえられます。規則という壁が立ちはだかっているのではなく、周囲の視線という空気があるだけ、という区別です。No が壁の存在を打ち消し、but 以下が視線の空気を足しています。
frown upon を見かけたら、誰が、どんな行動に、眉をひそめているのかを思い浮かべてみましょう。表向きは禁止されていない行動に向けられた、周囲の冷めた視線が見えてきます。
例文で覚える「frown upon」
歓迎されない行動を述べる frown upon を、3つの例文で確認していきましょう。受け身の形と、主語を立てた形の両方を取り上げます。
In some offices, wearing shorts is frowned upon.
(オフィスによっては、短パンで出勤するのは好ましく思われていない。)
職場の服装をめぐる暗黙のルールを説明する場面です。禁止とは言わず、周囲の受け止めとして述べることで、決まりではないが歓迎されない、という含みが出ます。
A: Can I take a call in the library?
B: You can, but it’s frowned upon.
(A:図書館で電話に出てもいい?)
(B:できなくはないけど、いい顔はされないよ。)
公共の場のマナーを確認する友人同士の会話です。You can, but のあとに it’s frowned upon を続けると、ロスの No, but と同じ「禁止ではないが好ましくない」という構図になります。
My grandmother frowns upon phones at the dinner table.
(祖母は、食卓でスマホを使うのをよく思っていない。)
家族の考え方を紹介する場面です。主語を立てて frown upon を使うと、誰が好ましく思っていないのかが文の中で明確になります。
あわせて覚えたい関連表現
be against the rules
(規則に反している)
frown upon が周囲の受け止めを述べるのに対し、be against the rules は規則で禁じられていること自体を述べます。作中でチャンドラーが尋ねた Is that against the rules? が、この形です。
disapprove of
(〜に賛成しない、〜を認めない)
disapprove of は「認めない」という態度を直接示す動詞です。frown upon は、「眉をひそめる」という表情になぞらえて、好ましく思わない態度を表します。
look down on
(〜を見下す)
look down on は、相手を自分より下に見ることを表します。frown upon は、行為や習慣に対して好ましくないという態度を示す言い方で、向かう先が異なります。
Note|be frowned upon と frown upon、眉をひそめる主体の見え方
frown upon には、受け身の be frowned upon と、主語を立てる能動の形の2つがあります。
能動の形では、主語が眉をひそめる主体になります。My grandmother frowns upon phones at the dinner table. のように、誰が好ましく思っていないのかが文の中に現れます。一方、受け身の be frowned upon は、対象となる行為を主語に立てて、眉をひそめる主体を文に出しません。Wearing shorts is frowned upon. と言えば、誰がとは言わないまま、その行為が好ましく思われていない状況だけが示されます。by を添えれば、frowned upon by the neighbors のように主体を加えることもできます。
作中のロスの it is frowned upon は、主体を伏せた受け身です。規則の話ではなく、周囲の一般的な受け止めを述べる形になっていて、次の Besides で年齢差を足す前に、理由をひとつ置く働きをしています。同じ話のこのあとの場面には、you may frown upon that という能動の形も登場します。こちらは目の前の相手を主体として名指しする言い方です。
主語を立てるか、対象の行為を主語にするかで、眉をひそめる人の見え方が変わります。
まとめ|規則ではなく、周囲の空気を言い表す一言
frown upon は、行為や習慣を好ましくないと受け止める表現です。規則で禁じられているかどうかとは別に、周囲の受け止めを述べ、be frowned upon の形なら、眉をひそめる主体を伏せて一般的な見方として示せます。
職場やマナーの場面で、禁止とまではいかない暗黙の了解を述べる一言として使えます。be against the rules や disapprove of との違いを押さえておくと、規則の話なのか、周囲の受け止めなのか、本人の態度なのかを言い分けられます。
チャンドラーの「規則違反なのか」という問いに、ロスは「違反ではないが、好ましくは思われない」と答えました。規則の有無と周囲の目を切り分けて述べた、短いやり取りの場面でした。


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