「be running on fumes」の意味と使い方|『モダンファミリー』S07E03で学ぶ英会話

「be running on fumes」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

疲れがたまって、気力も体力も残りわずかなのに、なんとか動き続けている。そんな状態を一言で言い表したいと思ったことはありませんか。

そんなときに使える「be running on fumes」を、『モダンファミリー』シーズン7第3話の後半、ロッカーを飾った話題の最後に出てくる「この伝統はもうガス欠寸前だ」という一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「be running on fumes」の意味とニュアンス

be running on fumes
意味:ガス欠寸前である、(体力・気力・勢いが)限界近くで何とか持っている

be running on fumes は、車の燃料がほとんど尽きかけて、タンクに残った蒸気だけで走っているような状態を表す表現です。fumes は気化した蒸気やガスを指す語で、run on ~ は「~を動力にして走る」という意味です。燃料そのものではなく、その蒸気しか残っていないのに、まだ動き続けているという絵が、この表現の土台になっています。

比喩の対象は、人にも、組織や習慣にも広がります。徹夜明けの人が「もうガス欠寸前だ」と疲れを訴えるときも、チームが長い残業で消耗しているときも、続けてきた習慣や企画の勢いがなくなってきたときも、同じ言い方を使います。共通しているのは、まだ動いてはいるものの、限界が近いという状態です。

今回のシーンに出てくる形は、be running on fumes ではなく、running を省いた「on fumes」です。台詞では This tradition’s on fumes. と、This tradition is on fumes. を短くした形で使われています。be + on fumes という形でも、「燃料が尽きかけている」という意味は変わりません。見出しの be running on fumes は、この意味を running を添えて動きのある形にした言い方です。

「尽きた」ではなく「尽きかけ」であることが、この表現の要点です。完全に動かなくなったのではなく、まだ何とか動いているけれど、あとわずかで止まりそう、という段階を言い表します。

日本語に置き換えるときは、「ガス欠寸前だ」「息切れ寸前だ」「限界ぎりぎりだ」のように訳します。人の場合は「もう体力が残っていない」、習慣や組織の場合は「勢いがなくなってきている」のように、主語に合わせて言い回しを調整すると、自然な日本語になります。

【ここがポイント!】

  • 「be running on fumes」の核は、燃料の蒸気だけで走る車のように、ほぼ尽きかけたまま動いているイメージ
  • 主語は人だけでなく、チームや習慣にも広げられ、「be」を使った短い形(on fumes)でも同じ意味になる
  • 「尽きた」ではなく「尽きかけ」であり、まだ動いている段階を表す

『モダンファミリー』S07E03のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

手を出さずに見守るべきだと話していたキャメロンが、マニーのロッカーを飾ったのは自分だと認めた直後に、グロリアとキャメロンが言葉を交わす場面です。作中では、フットボールの選手にチアリーダーがつき、ロッカーを飾る習慣が「football tradition」として語られています。ここでの「This tradition」は、その習慣を指します。今回のフレーズは、場面の最後の一言に出てきます。

Gloria: What happened with letting mother nature take its course like the otters in your computer?
(あなたのパソコンの中のカワウソみたいに、母なる自然に成り行きを任せるって話は、どうなったの?)

Cameron: The little one’s dead.
(小さいほうは、死んじゃったんだ。)

Gloria: What?
(えっ?)

Cameron: The mother, she did nothing while an eagle pecked it apart. Nature is cruel.
(母親は、ワシが子をついばんで引き裂くあいだ、何もしなかったんだ。自然って残酷だよ。)

— Ah.
(ああ。)

Gloria: You decorated Manny’s locker?
(あなたがマニーのロッカーを飾ったの?)

Cameron: I decorated eight of them. This tradition’s on fumes.
(飾ったのは8つ分だよ。この伝統はもうガス欠寸前だね。)

Modern Family Season7 Episode3 (The Closet Case)

シーン解説と心理考察

場面の始まりで、グロリアは「母なる自然に成り行きを任せるって話はどうなったの」と、キャメロンが見ているウェブカメラのカワウソを引き合いに出して問いかけます。見守るよう説いていたキャメロン自身が手を出していたことを、カワウソの話を持ち出して突く形です。

キャメロンは「小さいほうは、死んじゃったんだ」と、映像の結末を告げます。グロリアが「What?」と聞き返すと、ワシが子をついばむあいだ母親は何もしなかったと説明し、「Nature is cruel」と結びます。見守るだけだった母親の結末が、ここで具体的に語られます。

そのあとに、短い「Ah.」が一つ入ります。この相づちのあとで、「You decorated Manny’s locker?」という確かめる質問が、グロリアから出ます。グロリアは、飾ったのかどうかを改めて確かめています。

答えは「I decorated eight of them」です。them は、ここでは選手たちのロッカーを指します。飾ったのは8つ分、という数が示されたあとに、今回のフレーズを含む一言が続きます。この場面の最後の一言で、This tradition’s on fumes. と言い、チアリーダーがロッカーを飾るという習慣が、もう息切れ寸前の状態にあると言い表しています。

8つ分のロッカーを飾った、という具体的な数のあとに、「ガス欠寸前」という比喩が置かれることで、習慣を支える力がほとんど残っていないことが、数字と比喩の両方から伝わります。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

be running on fumes は、ガソリンスタンドを探しながら走る車の絵で覚えられます。燃料計の針が、一番下の「E」のさらに下まで落ちているのに、車はまだ何とか前に進んでいる。タンクの底に残った蒸気だけで、車が走っているところを思い浮かべてみましょう。

この絵のポイントは、車がまだ走っているところです。完全に止まった車ではなく、止まる直前の車です。だから be running on fumes は、「もう限界なのに、まだ動いている」という、ぎりぎりの状態を表します。

この絵は、人にも習慣にも当てはまります。疲れ切った人は、燃料のない車と同じで、あとわずかで動けなくなります。続いてきた習慣も、支える人が減れば、同じようにあとわずかで止まりそうになります。

ロッカーの場面でも、飾ったのが8つ分という数と、「ガス欠寸前」の一言が並んでいました。燃料計の針が下がっていく車の絵と重ねると、この表現がすっと頭に入ります。

例文で覚える「be running on fumes」

限界近くで持っている状態を言う be running on fumes を、3つの例文で確認していきましょう。

After the all-nighter, I’m running on fumes.
(徹夜明けで、もうガス欠寸前だよ。)
疲れを訴える日常の場面です。主語が人(I)で、体力が尽きかけている様子を表しています。

A: You look exhausted.
B: I’ve been running on fumes since the baby was born.
(A:ひどく疲れた顔をしてるよ。)
(B:赤ちゃんが生まれてから、ずっとガス欠寸前なの。)
育児中の疲れを話す会話です。I’ve been running on fumes と現在完了進行形で、疲れが続いている期間を表しています。

The old club tradition is running on fumes; hardly anyone joins anymore.
(クラブの古い伝統は息切れしていて、もうほとんど誰も参加しない。)
続かなくなった習慣を語る場面です。主語が人ではなく tradition で、ドラマの台詞と同じように、習慣の勢いがなくなっていく様子を表しています。

あわせて覚えたい関連表現

run out of steam
(勢いが尽きる、息切れする)
run out of steam は、勢いが「尽きた」ときを表します。be running on fumes が尽きかけの状態が続いている点に重点を置くのに対し、こちらは尽きてしまった瞬間を指します。

run on empty
(空の状態で動き続ける)
run on empty も、ほぼ同じ比喩の言い方です。燃料が空なのに動いているという絵で、on fumes は「ほんの少し残っている」感じが前に出ます。

be burned out
(燃え尽きている)
be burned out は、長期の疲弊で意欲を失った状態を表します。be running on fumes が、まだ動き続けているけれど限界が近い状態を表すのに対し、こちらは意欲そのものが尽きた状態を表します。

Note|「息切れ・限界」を表す be running on fumes・run out of steam・run on empty の使い分け

「息切れ」や「限界」を英語で言うとき、be running on fumes のほかにも、run out of steam や run on empty があります。ここでは3つを、尽きる瞬間か、尽きかけの状態かという観点で整理します。

run out of steam は、「蒸気(steam)を使い切る」という形で、勢いが尽きた瞬間を表します。プロジェクトや議論が途中で息切れして止まってしまう、というように、動きが止まる点に焦点があります。be running on fumes は、まだ動いているけれど、ほとんど残っていない状態を表すので、動いている最中の描写になります。

run on empty は、燃料が空の状態で走るという言い方です。be running on fumes とほぼ同じ比喩ですが、「空」が前に出るのに対して、on fumes は「蒸気だけは残っている」という、ほんのわずかな残りを感じさせます。

ここで、ドラマの台詞をもう一度見てみましょう。場面の最後の台詞 This tradition’s on fumes. は、習慣がまだ続いている最中の言い方です。ここで run out of steam を使って「この伝統は息切れした」と言うと、止まってしまった後の話になります。on fumes は、止まる直前の様子をそのまま伝えられる言い方です。

尽きた瞬間なら run out of steam、空に近い状態なら run on empty、尽きかけで動き続けているなら be running on fumes、と整理できます。同じ「息切れ」の表現でも、場面がどの段階にあるかで、選ぶ言葉が変わります。

まとめ|止まる直前の、ぎりぎりの状態を言い表す

be running on fumes は、車の燃料がほぼ尽きかけたまま走るように、体力・気力・勢いが限界近くで何とか持っている状態を表す表現です。running を省いた be on fumes の形でも、同じ意味で使えます。

run out of steam が尽きた瞬間を、run on empty が空に近い状態を指すのと見比べると、be running on fumes が尽きかけの段階を言うことがはっきりします。

ロッカーを飾った数のあとに出てきた「この伝統はもうガス欠寸前だね」という一言には、習慣がまだ続いているものの、勢いがほとんど残っていないという、止まる直前の状態が込められていました。疲れが続く日の一言としても、続けてきたことの勢いが落ちてきたときの一言としても、手元に置いておきたい表現です。

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