「work off」の意味と使い方|『モダンファミリー』S07E06で学ぶ英会話

「work off」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

やってしまった失敗の埋め合わせを、お金ではなく自分の労力で払うことになった経験はありませんか。

そんなときに使える「work off」を、『モダンファミリー』シーズン7第6話の序盤、ルークに外出禁止と罰金が言い渡される場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「work off」の意味とニュアンス

work off
意味:(罰金・借金などを)働いて返す、(エネルギー・ストレス・カロリーなどを)体を動かして減らす

work off は、目に見えない重荷を、労働や運動という行動で減らして取り除くことを表す句動詞です。work は「働く」「労力を使う」、off は「離れて取り除く」という感じを持つ語で、組み合わせると「働くことで取り除く」という意味になります。

何を取り除くかによって、日本語での訳し方が変わります。罰金や借金なら「働いて返す」、食べすぎた分のカロリーなら「運動で消費する」、怒りやストレスなら「体を動かして発散する」と訳し分けます。どの場合も、取り除く対象は、時間と労力をかけて少しずつ減らしていくものである点が共通しています。

文の形は二通りあります。対象を後ろに置く work off a fine のほか、対象を前に出して、a fine to work off(働いて返すべき罰金)のように、不定詞で名詞を後ろから説明する形も取れます。代名詞を使うときは work it off のように、it が work と off のあいだに入ります。

【ここがポイント!】

  • 「work off」の核は、重荷を労力で一つずつ減らしていくイメージ
  • 罰金や借金にも、カロリーやストレスにも使える、守備範囲の広い句動詞
  • 対象が名詞なら work off a fine、代名詞なら work it off と、位置が変わるのがコツ

『モダンファミリー』S07E06のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ルークが無免許で車を運転して逮捕された件を受けて、フィルとクレアがルークに罰を言い渡す場面です。クレアが外出禁止を告げようとすると、フィルは「それだけでは済まない」と続け、罰金の話を切り出します。このときフィルは、ルークをわざと別の名前で呼んでいて、和訳の「ランドン」「リーヴァン」もルークへの呼びかけです。今回のフレーズは、罰金の話を切り出すフィルの一言に出てきます。

Claire: You know, we’re gonna have to ground you, and I was thinking that
(ねえ、あなたには外出禁止を言い渡さなきゃいけないし、私としては――)

Phil: Oh, we’re doing way more than that. Landon has a $300 fine to work off.
(いやいや、それだけじゃ済まないよ。ランドンには、働いて返さなきゃいけない300ドルの罰金があるんだ。)

Luke: We could fight that Say the cop was racist. Even if we lose, it’ll start a conversation.
(それ、争えるよ。警官は人種差別的だったって言えばいい。負けても、議論のきっかけにはなるし。)

Phil: You made a mistake, you pay the consequences, Levon. Your first job is cleaning out the awesome village I built for my ducks.
(間違いをしたら、その報いは受けるんだ、リーヴァン。最初の仕事は、俺がアヒルのために作った立派な村の掃除だ。)

Modern Family Season7 Episode6 (The More You Ignore Me)

シーン解説と心理考察

フィルの一言は、罰金という「金額の決まった負債」を、お金ではなく働くことで返すという形に置き換えています。a $300 fine to work off は、300ドルの罰金が、これから働いて減らしていく対象として差し出されている言い方です。クレアの外出禁止の話を「それだけじゃ済まない」と受けて、罰の中身を一段重くしていく運びが、この発言に表れています。

ルークは、罰金を争う道があること、たとえ負けても議論のきっかけにはなることを挙げて食い下がります。一方のフィルは、その提案を受け取る様子を見せず、「間違いをしたら、その報いは受ける」と原則を言い渡します。ルークが言い返す余地を残さないまま、話は次の段階に進みます。

そして、罰金を働いて返すという話に続けて、フィルは最初の仕事を言い渡します。アヒルのために作った村の掃除です。work off という言葉で示された「働いて返す」が、具体的な作業の名前に変わる流れが、短いやり取りの中に収まっています。

この場面では、フィルが罰の内容を一つずつ増やしていく一方で、クレアの発言は途中で途切れ、ルークの反論は受け流されます。罰を決める側と受ける側の力関係が、会話の運びだけで見えてきます。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

work off は、天びんを思い浮かべて覚えられます。片方の皿には300ドルの罰金が載っていて、もう片方の皿に、働いた時間と労力を一つずつ載せていきます。皿が釣り合うまで働くと、罰金の重みが取り除かれます。

フィルがルークに言い渡した掃除の仕事は、この「もう片方の皿に載せる労力」にあたります。お金を渡す代わりに、手を動かして返す。そう考えると、work off が罰金にも借金にも使える理由が、すっとつかめます。

カロリーやストレスの場合も同じ構図です。体にたまった余分なものを皿に見立て、運動という労力を載せて軽くしていくと考えれば、「働くことで取り除く」という一つのイメージにまとまります。

例文で覚える「work off」

罰金や借金、カロリーやストレスといった「減らしたいもの」に使える work off を、3つの例文で確認していきましょう。

He worked off his debt by washing dishes at the restaurant.
(彼はそのレストランで皿洗いをして、借金を返した。)
お金の代わりに労働で返した話を伝える、日常の場面です。by のあとに具体的な作業を続けると、どう返したのかが伝わります。

I went for a run to work off the stress.
(ストレスを発散するために走りに行った。)
気持ちを切り替えるための行動を語る、感情表現の場面です。to work off the stress で、走る目的を一言で示しています。

A: That cake was huge.
B: Let’s walk home and work it off.
(A:あのケーキ、大きかったね。)
(B:歩いて帰って、カロリーを消費しよう。)
食べすぎの埋め合わせを話す、友人同士の会話です。対象が代名詞の it なので、work it off と、it が間に入っています。

あわせて覚えたい関連表現

pay off
((借金などを)完済する、(努力などが)報われる)
pay off は、お金を払い終えることに重点があります。罰金を労働で返すなら work off、お金で全額払い終えるなら pay off と、手段で使い分けられます。

burn off
((カロリーや余ったエネルギーを)燃焼させる、消費する)
burn off は、主にカロリーやエネルギーに使う表現です。work off は罰金や借金のような負債にも使える点が違います。

make up for
(〜の埋め合わせをする、償う)
make up for は、失敗や不足に対して別のことで埋め合わせる言い方で、手段を限定しません。work off は、労働や運動という手段が含まれている点で絞られています。

Note|罰金・借金・カロリーを減らす work off・pay off・burn off の使い分け

「何かを減らして、なくす」ことを英語で言うとき、work off のほかにも、pay off や burn off といった言い方が思い浮かびます。ここでは3つを、何を減らすのか、どんな手段で減らすのかという観点で整理します。

work off は、手段が「働く」「体を動かす」という労力であることを示します。対象は罰金や借金のような負債にも、カロリーやストレスのような体と心にたまったものにも広がります。フィルの a $300 fine to work off は、お金の代わりに労力で返すという手段が、言葉の中に含まれた形です。

pay off は、手段が「お金を払う」ことで、借金を完済する場面に向きます。work off が「減らしていく過程」に目が向くのに対して、pay off は「払い終えた」という到達点に目が向きます。burn off は、対象がカロリーや余ったエネルギーに限られ、負債には使いません。

3つの違いは、対象と手段の組み合わせとして整理できます。罰金を働いて返すなら work off、お金で払い終えるなら pay off、運動でカロリーを消費するなら burn off と、場面に合わせて選びます。

まとめ|お金の代わりに、労力で返す

work off は、罰金や借金、カロリー、ストレスなどを、働いたり体を動かしたりして減らすことを表す句動詞です。取り除く対象によって、「働いて返す」「消費する」「発散する」と訳が変わります。

対象が名詞なら work off a fine、代名詞なら work it off、名詞を後ろから説明する形なら a fine to work off と、形を使い分けられるので、負債の話にも体の話にも当てはまります。どの場合も、減らす手段が労力であることは変わりません。

フィルがルークに言い渡した罰金と掃除の仕事からは、お金の代わりに労力で返すという、work off の中心にある考え方が見えてきます。罰金や借金、体にたまったものなど、減らしたいものを思い浮かべながら、表現の引き出しに加えてみてください。

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