海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
答えの分かりきった質問をされて、思わず「当ててみたら?」と皮肉まじりに返したくなる場面があります。
そんなときにぴったりの「take a shot in the dark」を、『モダンファミリー』シーズン7第10話の前半、ゴルフクラブを持ったジェイに、グロリアが行き先を尋ねるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「take a shot in the dark」の意味とニュアンス
take a shot in the dark
意味:当てずっぽうでやってみる、見当をつけて言ってみる
shotは「一発」や「試み」、darkは「暗闇」を表す語で、直訳は「暗闇の中で一発撃つ」です。的が見えないまま撃つ様子から、確かな手がかりのないまま、とにかく推測したり試したりすることを表します。
名詞句のa shot in the darkは「当てずっぽう」の意味で、It was just a shot in the dark. のように使えます。動詞のtakeと組み合わせたtake a shot in the darkは、「当てずっぽうでやってみる」という動作を述べる形です。答えを知らないまま答える場面、見込みが薄いと承知のうえで何かを試す場面、推測にもとづく予想を述べる場面で使えます。結果が当たるかどうかは問題にならず、「確かな根拠はないが、とにかくやってみる」という姿勢そのものが、この表現の中心にあります。
台詞では、Take a shot in the dark. と動詞で始まる命令形になっています。相手に「当てずっぽうで言ってごらん」と促す形で、見出しの形とは、文頭が大文字になっているだけの違いです。命令形のTake a shot in the dark. は、答えが見え見えの質問に「見れば分かるだろう」と皮肉まじりに返す一言にもなります。
【ここがポイント!】
- 「暗闇に向かって一発撃つ」という絵が、手がかりのない当てずっぽうをそのまま表す
- a shot in the darkは名詞句、take a shot in the darkは動詞句で、同じ絵を形を変えて使う
- 命令形にすると、分かりきった質問に皮肉まじりに返す一言にもなるのがコツ
『モダンファミリー』S07E10のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
グロリアが、ゴルフクラブを持っているジェイに行き先を尋ねる場面です。ジェイは行き先を答えず、皮肉まじりに返します。そのあと、グロリアがプレイデートの予定を告げたことで、会話はすれ違いながら進んでいきます。今回のフレーズは、行き先の質問への返事に登場します。
Gloria: Where are you going with your golf clubs?
(ゴルフクラブを持って、どこへ行くつもり?)Jay: Take a shot in the dark.
(当ててみろよ。)Gloria: But we have a playdate.
(でも、プレイデートがあるのよ。)Jay: Really? We just had one last night. Not that I’m saying no just quicker turnaround than usual.
(そうなのか? 昨夜もあったばかりだろ。嫌だと言ってるわけじゃない。ただ、いつもより間隔が短いなと思ってな。)Gloria: A playdate for Joe. And both parents are coming, so you have to be here.
(ジョーのプレイデートよ。相手の子の両親も二人そろって来るから、あなたもここにいなきゃだめ。)Modern Family Season7 Episode10 (Playdates)
シーン解説と心理考察
注目したいのは、グロリアの質問に対するジェイの返し方です。ゴルフクラブを持っているのですから、行き先は見当のつけやすい状況です。それでもジェイは「当ててみろ」と返しています。手がかりが目の前にあるのにあえて当てさせるこの返事は、「見れば分かるだろう」という皮肉まじりの答え方です。
グロリアがプレイデートの予定を告げると、ジェイは「昨夜もあったばかりだろ」と返します。嫌だと言っているわけではない、いつもより間隔が短いだけだ、と付け加える言い方からは、ジェイがプレイデートを夫婦のデートのように受け取っていることが読み取れます。ジェイの話の前提が、グロリアの意図からずれているのです。グロリアが告げた「プレイデート」は子ども同士の遊ぶ約束のことで、その意味はこのあとの説明で初めて、会話の上ではっきりします。
グロリアはすぐに、ジョーのプレイデートだと言い直します。相手の子の両親も来るので、ジェイにもここにいてほしい、という用件がはっきり示されます。見れば分かるだろうと皮肉で返したジェイ自身が、直後にプレイデートの意味を読み違えている流れが、このやり取りのおかしさを支えています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
take a shot in the darkは、真っ暗な部屋で、見えない的に向かって手探りで一発撃つ場面にたとえられます。的が見えないので、当たるかどうかは運次第です。この「見えないまま試す」感覚が、そのまま「当てずっぽうでやってみる」という意味につながります。
ジェイの返事は、この絵を逆手に取った使い方です。ゴルフクラブという手がかりが目の前にあり、暗闇どころか答えは丸見えです。そこへあえて「暗闇で撃ってみろ」と返すことで、「分かりきったことを聞くな」という皮肉になっています。
迷ったときは、手がかりがあるのかないのかを自分に問いかけてみてください。ないまま動くなら、この表現の出番です。手がかりがそろっているのにあえて使えば、ジェイのような皮肉の一言になります。
例文で覚える「take a shot in the dark」
推測して答える形、名詞句の形、会話の中の形と、3つの場面で確かめていきましょう。
I didn’t know her age, so I took a shot in the dark and said thirty.
(彼女の年齢を知らなかったので、当てずっぽうで30歳と言ってみた。)
推測で答えた経験を話す場面です。過去形のtookにして、andのうしろに推測の中身を続けると、何を当てずっぽうで言ったのかが伝わります。
Without any data, any sales forecast is a shot in the dark.
(データが何もなければ、どんな売上予測も当てずっぽうにすぎない。)
根拠の弱い予測を説明する、仕事の場面です。takeを使わず、名詞句のまま述語に置く形で、予測そのものが当てずっぽうだと述べています。
A: What’s the password?
B: I have no idea, but let me take a shot in the dark.
(A:パスワードは何?)
(B:さっぱり分からないけど、当てずっぽうで入れてみるよ。)
手がかりがないまま試す、友人同士の会話です。no ideaと並べると、分からないから見当で動くという流れが自然に伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
wild guess
(当てずっぽうの推測)
wild guessは、推測そのものを指す名詞句です。take a shot in the darkは、推測してみるという行動まで含めて、動詞句として使えます。
long shot
(成功の見込みが薄い試み、大穴)
long shotは、当たる確率の低さに重点があります。take a shot in the darkは、手がかりがないまま試す点に重点があります。
take a stab at something
(試しにやってみる)
take a stab atは、やってみる挑戦に重点があり、必ずしも推測ではありません。take a shot in the darkは、推測や見込みなしの試みを表す点が違います。
Note|「暗闇での一撃」と直訳したときのずれと、場面ごとの訳し分け
take a shot in the darkを「暗闇で一発撃つ」と直訳すると、物騒な絵が先に立って、意味がつかみにくくなります。日本語にどう置き換えるかを、構成する語の意味から整理してみます。
shotは「弾を撃つこと」だけでなく、「一度の試み」を表す語でもあります。darkは「暗闇」で、的も状況も見えないことの比喩です。つまり、「見えない状況での、一度きりの試み」という中身を、撃つ絵に重ねた表現です。日本語では、場面によって訳が変わります。推測して答える場面なら「当てずっぽうで言ってみる」、何かを試す場面なら「手探りでやってみる」、答えの分かりきった質問に命令形で返す場面なら「当ててみな(見れば分かるだろ)」といった具合です。
訳語を「暗闇」や「撃つ」に引きずられず、「手がかりがない」と「やってみる」の2点でつかむと、場面が変わっても同じ表現として見分けられます。
ジェイの台詞は、「当ててみろよ」と訳しても、ゴルフクラブを持った姿と合わせれば「見れば分かるだろ」という皮肉が伝わります。
まとめ|「手がかりなしで見当をつける」を一言で
take a shot in the darkは、確かな手がかりがないまま、推測したり試したりすることを、「暗闇への一発」という絵で表す表現です。
動詞句ならtake a shot in the dark、名詞句ならa shot in the darkと、形を変えて使えます。答えを知らないとき、予想を述べるとき、結果が読めない試みに踏み出すときの一言として、会話の幅を広げてくれます。
当てずっぽうを承知で答える場面と、分かりきった質問に皮肉で返す場面。どちらにも同じ一言が使えます。


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