海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン5第1話では、ミッチェルとキャメロンがそれぞれ相手に内緒でプロポーズの準備を進め、家族がその手伝いに駆り出されます。準備の場では、頼まれごとが重なっていたことが分かる一幕もあります。
段取りが予定どおりに進まなかったとき、英語ではどう説明するのでしょうか。今回は、ジェイの弁明に出てくる jump the gun を中心に、計画の行き違いを伝える言い回しを見ていきます。
「in case」で備えた次の手と、頼まれごとの鉢合わせ
キャメロンには、最初の計画とは別の手が用意されていました。
Cameron: Fortunately, I had an alternate proposal scenario in case there was a problem.
(幸い、何か問題が起きたときのために、別のプロポーズのシナリオを用意してたんだ。)Cameron: Jay and Gloria were babysitting, so I asked them to re-create the picnic under the stars we had the night we moved in to our first apartment.
(ジェイとグロリアがベビーシッターをしてくれてたから、最初のアパートに引っ越した夜にやった、星空の下のピクニックを再現してほしいって頼んだんだ。)Modern Family Season5 Episode1 (Suddenly, Last Summer)
in case ~ は「〜の場合に備えて」を表します。an alternate ~ scenario と組み合わせると、「うまくいかなかったときのための別案」という意味です。alternate は「代わりの」という意味で、会話では plan B と言い換えることもできます。I asked them to ~ は、誰に何を頼んだかを一文で示す形です。
準備をしていたジェイとグロリアのもとにクレアとフィルが現れ、グロリアがキャメロンの計画を明かすと、意外な事実が分かります。
Phil: Mitchell asked us to do the same thing for him.
(ミッチェルも同じことを俺たちに頼んできたんだよ。)Claire: Well, that just makes me want to stay and see how this whole thing works out.
(それなら、残ってどうなるか見届けたくなるわね。)Phil: Oh, we can.
(おっ、残れるさ。)Phil: Let’s set it up and then we’ll hide somewhere.
(準備したら、どこかに隠れよう。)Gloria: Ay, yes, in the occasion closet.
(アイ、いいわね、行事用の物入れの中に。)Jay: No.
(だめだ。)Jay: We do what they asked and leave.
(頼まれたことをやって帰るんだ。)Modern Family Season5 Episode1 (Suddenly, Last Summer)
do the same thing for ~ は「〜のために同じことをする」で、頼まれごとが重なっていたことが一言で伝わります。see how ~ works out は「〜がどう転ぶか見届ける」、set it up は「準備を整える」という意味です。クレアの that just makes me want to ~ は「それを聞いたら〜したくなる」と、知らせを受けて気持ちが動いたことを表します。最後のジェイの We do what they asked and leave. は、頼まれた範囲だけをこなして引き上げようという線引きの一言です。
「He jumped the gun.」で説明する、ジェイの昔の段取り
その後、グロリアはジェイに不満をぶつけ、昔のプロポーズを持ち出します。
Jay: What’s that supposed to mean?
(どういう意味だ?)Gloria: Yeah, like when you proposed to me.
(そうよ、あなたが私にプロポーズしたときみたいに。)Gloria: “Hey, Manny, hand me that thing.”
(「おい、マニー、あれ取ってくれ」。)Gloria: That’s my whole story.
(それが私の話の全部。)Modern Family Season5 Episode1 (Suddenly, Last Summer)
グロリアは、テレビを見ているときにジェイがマニーに「あれ取ってくれ」と言い、マニーが指輪を渡した、という話を以前にもキャメロンに語っていました。ジェイの What’s that supposed to mean? は「それはどういう意味だ」と、相手の言葉に引っかかったときの返しです。ここにも supposed が出てきますが、こちらは「〜を意味することになっている」という使い方で、後に出る段取りの be supposed to とは働きが異なります。
これに対し、ジェイは言い分を述べます。
Jay: Hang on.
(待て。)Jay: That wasn’t my fault.
(あれは俺のせいじゃない。)Jay: I had something big planned.
(大きな計画を立ててたんだ。)Gloria: You asked him for the ring.
(あなた、あの子に指輪を頼んだじゃない。)Jay: I was asking for the remote.
(俺はリモコンを頼んでたんだ。)Jay: He jumped the gun.
(あいつが先走ったんだよ。)Jay: He was supposed to give me the ring later that night at the restaurant.
(本当なら、その日の夜にレストランで指輪を渡すはずだった。)Modern Family Season5 Episode1 (Suddenly, Last Summer)
jump the gun は「合図より先に動く」、つまり「早まったことをする」「先走る」という意味の慣用句です。ジェイの説明では、段取りの一部を担っていたマニーが、予定より早く指輪を渡してしまったというわけです。
続く be supposed to ~ は「〜することになっていた」と、本来の予定を示す形です。I was asking for ~ の進行形は、「そのとき頼んでいたのは別の物だった」と相手の受け取り方を訂正する働きをします。この説明が本当なのかどうかは描かれていませんが、That wasn’t my fault. から He was supposed to ~ まで、弁明の組み立てとしては分かりやすい流れです。
段取りの行き違いを伝える英語の整理
時間は少しさかのぼり、ミッチェルとキャメロンの車中です。
Cameron: Sorry about the detour.
(回り道してごめん。)Cameron: I was just worried about the pileup on the 405.
(405号線の多重事故が心配だったんだ。)Mitchell: Oh, take your time.
(ああ、ゆっくりでいいよ。)Mitchell: The drive’s actually soothing me.
(ドライブのおかげで、むしろ落ち着くんだ。)Modern Family Season5 Episode1 (Suddenly, Last Summer)
Sorry about ~ は「〜でごめん」と軽く謝る言い方で、take your time は「急がなくていい」と相手に時間を与える一言です。二人がそれぞれ家族に準備を頼んでいたことを踏まえると、どちらにとっても時間がかかるのは好都合だったとも読めます。
ここまでの表現を、段取りのどの局面で使うかで整理します。
| 局面 | 表現 | 意味 |
|---|---|---|
| 備える | in case there was a problem | 問題が起きた場合に備えて |
| 頼む | I asked them to ~ | 〜するよう頼んだ |
| 重なりが分かる | ~ asked us to do the same thing | 同じことを頼まれていた |
| 範囲を守る | We do what they asked | 頼まれたことだけをする |
| 弁明する | He jumped the gun. | 先走ったのは相手 |
| 本来の予定 | He was supposed to ~ | 〜するはずだった |
予定外の出来事を説明するときは、jump the gun で「何が早すぎたか」を言い、be supposed to で「本来はどうだったか」を添えると、話の筋が伝わりやすくなります。日常の場面に置き換えると、次のような使い方ができます。
- A: Why did you already send the invitations?
(どうしてもう招待状を送っちゃったの?) - B: Sorry, I jumped the gun. We were supposed to wait until Friday.
(ごめん、先走っちゃった。金曜まで待つはずだったよね。)
be supposed to は was や were と組み合わせると、「予定ではそうだったのに、実際は違った」という含みが出やすい形です。自分の失敗を認めるときは I jumped the gun.、ほかの人の早まった行動を説明するときは He jumped the gun. のように、主語を変えるだけで使い分けられます。
まとめ|先走りと行き違いを言葉にする
in case で備え、set it up で準備し、思わぬ事態は He jumped the gun. と be supposed to で説明する。サプライズの準備をめぐる会話には、計画と現実のずれを伝える英語がそろっています。
段取りどおりにいかない場面こそ、家族それぞれの言葉が見えてくるのが『モダンファミリー』の面白いところです。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも、出発や交渉をめぐる家族の英語を取り上げました。


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