子どもを一人で旅に送り出す日の英語|『モダンファミリー』S05E01で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 子どもを一人で旅に送り出す日の英語|『モダンファミリー』S05E01で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン5第1話では、マニーが一人で飛行機に乗って旅に出ます。送り出すのは、母親のグロリアと、出発を急がせたいジェイです。荷造りから出発の直前まで、親子のやり取りがいくつもの場面に分かれて描かれます。

子どもを送り出す側の言葉には、寂しさ、せかす気持ち、安心させる一言が混ざります。今回は、そうした場面ごとの英語を順に見ていきます。

目次

荷造りの場面に出てくる「I said one suitcase.」

出発を前にした荷造りの場面は、ジェイとマニーのこんなやり取りから始まります。

Jay: What’s all this? I said one suitcase.
(何だこれは? スーツケースは1個って言っただろ。)

Manny: I need choices, Jay.
(選択肢が必要なんだよ、ジェイ。)

Modern Family Season5 Episode1 (Suddenly, Last Summer)

I said ~ は「〜と言ったはずだ」と、前に伝えた指示を持ち出します。過去形の said に「約束と違う」という含みがあります。What’s all this? と組み合わせると、「この量は何だ」というあきれた気持ちが伝わります。荷物の多さを指摘されたマニーは I need choices と返します。「選択肢が要る」という大人びた言葉選びがマニーらしいところです。

続いて、送り出す母親の気持ちが言葉になります。

Gloria: Ay.
(ああ。)

Gloria: I cannot believe that my little baby’s leaving me.
(私のかわいい赤ちゃんが行っちゃうなんて、信じられない。)

Jay: You know, I left the glass doors open downstairs.
(そういや、下のガラス戸を開けっぱなしにしてきた。)

Jay: So right now, your actual baby may be leaving.
(だから今ごろ、本物の赤ん坊のほうが出ていってるかもな。)

Modern Family Season5 Episode1 (Suddenly, Last Summer)

I cannot believe that ~ は、驚きや寂しさを込めて「〜なんて信じられない」と気持ちを表します。ジェイは同じ leave を使い、「家にいる本物の赤ちゃんのほうが出ていくかも」と言葉をずらして返します。my little baby がマニーを指すのに対し、your actual baby は文字どおりの赤ちゃんを指すという、同じ語の取り違えを使った冗談です。

荷造りの話は、ローブの数へと戻ります。

Jay: Ahhh! One robe.
(おっと! ローブは1着だ。)

Manny: I guess we know what everyone will be talking about my second morning there.
(これで、向こうでの2日目の朝にみんなが何の話をするか決まったね。)

Modern Family Season5 Episode1 (Suddenly, Last Summer)

One robe. は名詞に数を添えただけの短い言い方です。続くマニーの返事と合わせると、ローブが1着に絞られたやり取りと読めます。マニーの I guess we know what everyone will be talking about ~ は「みんなが何を話題にするか、これで分かった」という意味で、ローブが1着しかないことを皮肉まじりに受け止める一言です。感傷的なグロリアと、荷物を減らしたいジェイ、そして言葉で応じるマニーの三者三様の反応が見どころです。

ためらう子を押し出す「This is happening.」

出発に必要な書類を取りに車で出向いた先で、マニーは「怖い」と打ち明け、ジェイはそれを「cold feet」と呼びます。この言い回しの詳しい解説は、同じ回のフレーズ記事に譲ります。そのあとの会話が次の場面です。

Jay: And what happened, anyway? You’ve been looking forward to this day for months.
(それに、いったいどうしたんだ? 何か月もこの日を楽しみにしてたじゃないか。)

Manny: I know.
(分かってる。)

Manny: But maybe we should wait until next year.
(でも、来年まで待ったほうがいいかも。)

Manny: I’m still kind of young to be doing this.
(これをするには、まだちょっと若すぎるんだ。)

Modern Family Season5 Episode1 (Suddenly, Last Summer)

You’ve been looking forward to this day for months. は、現在完了進行形と for months で「何か月も前から楽しみにしてきた」という積み重ねを示します。相手の気持ちの変化に「前はあんなに楽しみにしていたのに」と問いかける形です。

マニーの maybe we should wait until next year は、はっきり断らずに先送りを提案する形です。maybe と should を重ねることで、提案の調子がさらにやわらぎます。

ジェイはこう答えます。

Jay: We’re not waiting.
(待たないぞ。)

Jay: I already paid for you, and your mother signed off.
(もう金は払ったし、お前の母さんも了承済みだ。)

Jay: This is happening.
(これは決まったことだ。)

Modern Family Season5 Episode1 (Suddenly, Last Summer)

マニーの迷いに対して、ジェイは We’re not waiting. と短く否定し、「お金は払った」「母親も了承した」と理由を二つ並べます。sign off は「(正式に)承認する」という意味の句動詞です。

最後の This is happening. は「これはもう決まっていて、やめられない」と言い切る一文です。理由を並べたあとにこの短い文を置くことで、話し合いの余地がないことを伝えています。子どもの迷いに付き合いながらも、最後は背中を押す側に回る親の言葉として読み取れます。

出発の場面の「better say goodbye here」と、あとからの一言

出発の場面では、ジェイがグロリアに別れをせかします。

Jay: Okay, let’s go.
(よし、行くぞ。)

Jay: Gloria, better say goodbye here.
(グロリア、別れのあいさつはここで済ませとけ。)

Jay: He’s got to hurry to get through security.
(保安検査を急いで通らなきゃならないんだ。)

Gloria: But there’s no line.
(でも、列なんてないじゃない。)

Jay: For now.
(今のところはな。)

Modern Family Season5 Episode1 (Suddenly, Last Summer)

better say goodbye here は You’d better の主語と had を省いた形で、「ここで〜しておいたほうがいい」と促します。

had better は強めの忠告に聞こえることがあるため、目上の相手には I think we should ~ などの言い方が使われることも多いとされます。get through security は空港の保安検査を通過することを指します。列がないと返すグロリアに、ジェイは For now.(今のところは)と短く答えます。今は空いていても、すぐに混むかもしれないという理屈で、急ぐ理由を手放さない返しです。

その後の場面で、ジェイはグロリアに、それがマニーからのものだと告げます。

Jay: Oh, that’s from Manny.
(ああ、それはマニーからだ。)

Jay: I was hoping to wait and give it to you in a couple of days.
(2、3日待ってから渡そうと思ってたんだが。)

Jay: But, uh, just remember that he’s fine.
(でもまあ、あいつは大丈夫だってことを覚えておけ。)

Modern Family Season5 Episode1 (Suddenly, Last Summer)

I was hoping to ~ は「〜するつもりだったのだが」と、予定が変わったことをやわらかく伝えます。just remember that ~ は「〜ということだけは覚えておいて」と、相手を安心させる働きをします。just を添えることで、「ほかはともかく、これだけは」という気持ちが加わります。このあとジェイが続ける「飛行機ですぐの距離」という一言は、同じ回のフレーズ記事のテーマです。

まとめ|送り出す側の言葉を場面ごとに

I said one suitcase.、This is happening.、better say goodbye here、just remember that he’s fine。荷造り、ためらい、出発、そのあとと場面が進むにつれて、送り出す側の言葉の役割が変わっていく様子が見えてきます。

家族を見送る場面に出会ったら、『モダンファミリー』のこのやり取りを思い出してみるのも一つの楽しみ方です。

同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、計画の行き違いや交渉の場面の英語も扱っています。

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