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何カ月も前から決めて、楽しみにしてきた予定なのに、当日が近づくにつれて急に気持ちがしぼんでしまった。そんな瞬間が、誰にでもあるはずです。
土壇場での怖気づきを一言で表せる「get cold feet」を、『モダンファミリー』シーズン5第1話の前半、不安を打ち明けるマニーと、それを聞いたジェイのやり取りから、一緒に見ていきましょう。
「get cold feet」の意味とニュアンス
get cold feet
意味:実行の直前になって怖気づく、尻込みする
文字どおりの意味は「足が冷たくなる」です。緊張すると手足の先が冷える感覚を、そのまま気持ちの比喩にした表現で、決めていたことを実行する間際になって、不安が大きくなり、気持ちがひるんでしまう状態を指します。
ポイントは、「やる気がない」のではなく、「やると決めていたのに、直前で怖くなった」という時間の流れが含まれる点です。もともと前向きだった人が、いざという段になって迷い始めるため、最初から乗り気でない場合には使いません。この落差が、get cold feet という言葉の持ち味です。
get は「〜の状態になる」という変化を表す動詞で、cold feet の状態に「なっていく」様子が伝わります。何が不安なのかを続けたいときは about を、時期を添えたいときは before や at the last second のような言い方を足します。決断や約束を実行する場面が中心で、日常のちょっとした迷いよりも、ある程度大きな決めごとを前にした気持ちに合います。
【ここがポイント!】
- 「get cold feet」の核は、実行の直前に足先が冷えるようにひるむ感覚
- 最初から消極的なのではなく、前向きだった人が土壇場で迷う表現
- about で不安の対象を、before や at the last second で時期を足せるのがコツ
『モダンファミリー』S05E01のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
何カ月も前から楽しみにしていた日を迎えたマニーが、ジェイに不安を打ち明ける場面です。安心させようとするジェイの言葉に、マニーの気持ちがどう動くのかに注目です。
Jay: You’re fine. You’ve had all your shots. And that Paco Rabanne will scare away any mosquitoes.
(大丈夫だ。予防接種は全部受けただろ。それにそのパコ・ラバンヌがあれば、蚊も寄りつかんさ。)Manny: Jay, I’m scared. I’m not sure I want to go through with it.
(ジェイ、怖いんだ。このまま行くのかどうか、自信がなくなってきた。)Jay: We didn’t drive all the way down here for that piece of paper for you to get cold feet at the last second. And what happened, anyway? You’ve been looking forward to this day for months.
(あの書類のためにここまで車を走らせて来たのは、お前が土壇場で怖気づくためじゃないぞ。それに、いったいどうしたんだ? 何カ月も前から、この日を楽しみにしてたじゃないか。)Manny: I know. But maybe we should wait until next year.
(わかってる。でも、来年まで待ったほうがいいのかもしれない。)Modern Family Season5 Episode1 (Suddenly, Last Summer)
シーン解説と心理考察
ジェイは、まず事実を並べてマニーを安心させようとします。予防接種は済んでいる、蚊よけになるものもある、という言い方は、不安の中身をひとつずつ潰していく手順です。
ところがマニーは、「怖いんだ」と打ち明け、このまま行くのかどうか自信がなくなってきたと続けます。ジェイが挙げた理由では、気持ちがおさまっていないことが分かります。ここでジェイの言い方が変わり、「わざわざここまで来たのは、土壇場で怖気づくためじゃない」と、来た道のりを持ち出して引き止めます。ぶっきらぼうな調子ですが、その直後に「いったいどうしたんだ」と理由を尋ね、何カ月も前から楽しみにしていたじゃないかと、これまでのマニーの様子を思い出させています。
マニーの最後の一言も見逃せません。「わかってる」といったん受け止めてから、「来年まで待ったほうがいいのかも」と続けています。楽しみにしていた事実は認めているのに、直前になって気持ちが後ろへ引いている状態が、この二文に表れています。ジェイが使った cold feet という言葉は、マニーの心の動きを言い当てた呼び名として、会話の中に置かれています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
大きな舞台の袖で出番を待っているところを思い浮かべてみましょう。ずっと練習してきたのに、幕が上がる直前になると足先がすうっと冷えて、一歩が出なくなります。この身体の感覚が、そのまま「土壇場で尻込みする」という気持ちの比喩になっています。
マニーの場面にも、同じ絵が重なります。何カ月も前から楽しみにしてきた日を迎えたのに、当日になって「怖い」と足が止まってしまう。ジェイが「わざわざここまで来たのに」と言ったのも、舞台袖まで来ているのに前へ出ない人の背中を押す言い方でした。
足先が冷える、という体の感覚から入ると、cold feet を忘れにくくなります。get が付くのは、冷たくなっていく途中の変化を表すためだと覚えておくと、「なってしまう」という動きまで一緒に思い出せます。
例文で覚える「get cold feet」
実行の直前で気持ちがひるむ場面で使える get cold feet を、3つの例文で確認していきましょう。
I got cold feet right before signing the contract.
(契約書に署名する直前になって、怖気づいてしまいました。)
契約前の迷いを振り返る場面です。right before のように、直前という時点を添えると、土壇場の感覚が強まります。
Don’t get cold feet now. You’ve prepared for months.
(今になって尻込みしないで。何カ月も準備してきたでしょう。)
本番前の友人を励ます場面です。命令文で使うと、ひるみかけている相手を引き止める一言になります。
A: Are you still going to quit?
B: I think I’m getting cold feet.
(A:やっぱり会社を辞めるの?)
(B:ちょっと怖気づいてきたかも。)
転職の決断を相談する往復会話です。進行形にすると、気持ちが今まさにひるみ始めている途中の様子が伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
have second thoughts
(考え直す、迷いが出る)
have second thoughts は、決めたことを考え直すという冷静な迷いを表します。get cold feet は、不安で怖気づくという感情面に重点があります。
chicken out
(怖気づいてやめる)
chicken out は、怖くなって実際にやめてしまう行動まで含む言い方です。get cold feet は、怖気づく気持ちの段階でも使えます。
back out
(手を引く)
back out は、約束や計画から手を引くという行動に焦点があります。理由が怖気づきであるとは限らず、その点で get cold feet と区別されます。
Note|get cold feet に続く言い方と、気持ちの変化を表す get
get cold feet は、それだけで文を終えることもできますが、後ろに言葉を足すと、何が不安なのか、いつひるんだのかまで伝えられます。ジェイの一言を手がかりに、続け方を整理してみましょう。
まず、不安の対象を示したいときは about を使います。「get cold feet about the wedding」のように、about のあとに、ひるんでいる対象の事柄を置きます。時期を示したいときは before を使い、「get cold feet before the interview」のように、直前の出来事を続けます。ジェイの言葉に出てきた at the last second は、その時期をさらに細かく示す言い方で、「最後の一瞬で」というぎりぎりの感覚が加わります。名詞や動名詞を続ける形は、いずれも辞書に載っているごく基本的な用法です。
もうひとつの見どころは get の役割です。get は「〜になる」という変化を表すため、「get cold feet」は足が冷たい状態に「なる」動きを含みます。すでに冷たい状態を続けるなら have を使う言い方もありますが、get のほうは気持ちがひるむ瞬間や変わり目に焦点が当たります。ジェイが「for you to get cold feet」と言ったのも、マニーの気持ちがひるむ方向へ変わった瞬間を指した言葉でした。
続け方と get の変化の意味を押さえておくと、同じ表現でも、伝えたい場面に合わせて言葉を足せます。
まとめ|土壇場で足が止まる気持ちを、一言で
get cold feet は、楽しみにしていたはずのことを実行する直前で、怖気づいてしまう気持ちを表す表現です。最初から消極的なのではなく、前向きだった人が土壇場で迷うという落差が、この言葉の中心にあります。
about や before を足して不安の対象や時期を示したり、進行形で「ひるみ始めている途中」を伝えたり、命令文で相手を引き止めたりと、形を変えて使えます。契約や転職のような大きな決断から、身近な約束まで、実行の間際の気持ちを言い表せる場面は少なくありません。
マニーは、何カ月も楽しみにしてきた日に足が止まり、ジェイは事実で安心させ、来た道のりを持ち出して引き止めていました。それぞれの言葉が気持ちのすれ違うやり取りの中に、この表現の本質がよく表れた場面でした。表現の引き出しに加えてみてください。


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