海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン5第7話は、学校のフェアが開かれる一日を描いた回です。ケーキを運ぶマニーとグロリアを車に乗せたジェイは、駐車する場所をめぐってデリックという男性と言い合いを始めます。
今回は、どちらも引かない言い合いの中で飛び交う英語を、場面の順に見ていきます。相手の問いをそのまま返す切り返しや、持久戦を宣言する言い方、売られた話題を受けて立つ型など、短くても効き目のある表現がそろっています。
「About to ask you the same thing.」問いをそのまま返す切り返し
同じ場所に車を入れようとした相手に、ジェイが声を荒らげるところから言い合いが始まります。
Jay: What are you gonna do, pal?!
(どうするつもりだ、おい!?)Derrick: About to ask you the same thing.
(こっちが聞こうとしてたところだ。)Jay: Did you not see my blinker?
(ウインカーが見えなかったのか?)Derrick: Nope.
(見えないね。)Jay: Then you’re blind, ‘cause it’s on.
(じゃあ目が節穴だな、ちゃんと出てるんだから。)Modern Family Season5 Episode7 (A Fair to Remember)
What are you gonna do? は本来「どうするの?」と予定を尋ねる形ですが、語気を強めると「どういうつもりだ」と相手を問い詰める響きになります。末尾の pal は男性どうしの呼びかけで、親しみにも、ここのようなけんか腰にも使われます。
デリックの返しは、文頭の I was が省かれた形です。相手の問いをそっくり返すことで、責められる側から責める側へ立場を入れ替える一言です。
日常の場面でも、思わぬ問いを返したいときに使える形です。
- A: So, who’s going to pay for the pizza?
(で、ピザ代は誰が払うの?) - B: That’s what I was going to ask you.
(それ、こっちが聞こうと思ってたんだけど。)
Did you not see ~? は「〜が見えなかったのか?」と、見落とした相手を責める否定疑問です。Didn’t you see ~? よりも not が強調され、詰め寄る調子が強まると言われます。ジェイの言い分は「ウインカーは出ていた」というもので、どちらに理があるかは描かれません。
「I got all day」と「if I have to」で持久戦を宣言する
言い合いは、どちらが長く粘れるかの勝負に移ります。ジェイが先にこう宣言します。
Jay: I got all day and satellite radio.
(こっちは一日中ひまだし、衛星ラジオもあるんだ。)Modern Family Season5 Episode7 (A Fair to Remember)
デリックも負けずに言い返し、車に積んであるものを並べたうえで、こう続けます。
Derrick: I’ve got two books on tape, a space blanket, and a protein bar in the glove box.
(グローブボックスには朗読テープが2本、防寒シート、プロテインバーまであるんだ。)Derrick: I will sleep here if I have to.
(必要とあらば、ここで寝てやる。)Jay: We’re not moving.
(俺たちは動かないぞ。)Gloria: Ay, but we are.
(あら、動くわよ。)Gloria: Let’s go, Manny.
(行くわよ、マニー。)Modern Family Season5 Episode7 (A Fair to Remember)
I got all day. は「時間ならいくらでもある」という意味で、相手に急かされても動じないと伝える決まった言い方です。if I have to は「必要とあらば」「そうするしかないなら」を表し、I will ~ if I have to. の形で覚悟を示します。デリックはその前に、朗読テープや防寒シート、食べ物まで車にあると並べ、ここに居座る備えは十分だと言い張っています。持ち物を挙げて本気度を見せる言い方と、覚悟を示す一文の組み合わせが見どころです。
- A: This line isn’t moving at all.
(この列、全然進まないね。) - B: That’s fine. I got all day.
(かまわないよ。時間ならいくらでもあるから。)
We’re not moving. の move は「その場を動く」の意味で、ここでは場所を譲らないという宣言です。グロリアの Ay, but we are. は、否定文の not moving を受けて「いいえ、動くの」と打ち消す返しで、are の後ろには moving が省かれています。そのままマニーに声をかけて Let’s go. と続き、場面はここで終わります。二人の意地の張り合いに、同乗者の短い一言で区切りがつく流れが印象的です。
「You want to talk about clothes?」受けて立つ型
後の場面で、二人は服装をめぐって再びやり合います。ジェイの一言を受けて、デリックはこう切り返します。
Derrick: Okay You want to talk about clothes? Let’s talk about clothes.
(よし、服の話がしたいのか? いいだろう、服の話をしようじゃないか。)Derrick: Let’s go.
(さあ、来い。)Derrick: Let’s see.
(どれどれ。)Modern Family Season5 Episode7 (A Fair to Remember)
You want to talk about ~? Let’s talk about ~. は、相手が持ち出した話題をそのまま繰り返して「望むところだ」と受けて立つ型です。前半は疑問文の Do が省かれたくだけた形で、後半の Let’s talk about ~ で反撃の準備が整ったことを示します。
続く Let’s go. と Let’s see. は、どちらも短い掛け声のような一言です。Let’s go. は「さあ始めよう」、Let’s see. は「さて、どれどれ」と考えをまとめる合図として働きます。売り言葉に買い言葉の勢いが、短い言い回しの積み重ねで伝わってきます。
なお、ここで取り上げた表現の多くは、けんか腰の場面で使うと角が立つ言い方です。同じ You want to talk about ~? も、穏やかな口調なら「その話をしたいの?」と相手の関心を確かめる問いとして使えます。語気と場面によって響きが大きく変わる点を押さえておくと、ドラマの言い合いも聞き取りやすくなります。
| 表現 | 場面での働き |
|---|---|
| About to ask you the same thing. | 相手の問いをそのまま返す |
| Did you not see ~? | 見落とした相手を責める |
| I got all day. / if I have to | 粘る覚悟を示す |
| Ay, but we are. | 相手の否定をすぐ打ち消す |
| You want to talk about ~? Let’s talk about ~. | 売られた話題を受けて立つ |
まとめ|引かない言い合いの英語
About to ask you the same thing. の切り返し、I got all day や if I have to を使った持久戦の宣言、You want to talk about ~? で受けて立つ型。ジェイとデリックのやり取りからは、短い言葉で一歩も引かない姿勢を示す英語が見えてきます。
次回も『モダンファミリー』の会話から、場面ごとの英語表現を拾っていきましょう。
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