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『モダンファミリー』シーズン5第19話では、体調を崩したジェイに代わって会社を任されたクレアが、家族の集まる「ジェイズ・ナイト」でジェイと顔を合わせます。ところが、ジェイの口から、ねぎらいやお礼の言葉はなかなか出てきません。
今回は、感謝の言葉がないことへの反応、話題をずらす返し、そしてお礼を促す一言と、促された側が口にする渋々のお礼を、場面の順に見ていきます。
「That’s it?」感謝の言葉がなかったときの反応
ジェイの家へ向かう車の中で、クレアは金曜に職場でパーティーを開いてもらったことを話し、「she-ro」という言葉がアイシングで書かれていたと明かします。家に着いてジェイと短く言葉を交わしたあと、アレックスとヘイリーはこう口にします。
Alex: Wow.
(うわ。)Alex: That’s it? Everything you did for him, and he doesn’t even say “thank you”?
(それだけ? あんなにいろいろやってあげたのに、「ありがとう」も言わないの?)Haley: I get it.
(分かった。)Haley: It’s “hero” with a “she.
(「hero」に「she」がついてるんだ。)Haley: Okay, I’m up to speed.
(オッケー、追いついた。)Haley: Yeah, that was cold.
(うん、今のは冷たかったね。)Claire: It’s just his way.
(ああいう人なのよ。)Modern Family Season5 Episode19 (A Hard Jay’s Night)
That’s it? は「それだけ?」と、期待したものが返ってこなかったときの拍子抜けを表します。何かをしてもらった側の反応が短すぎるときにも使われます。続く doesn’t even say “thank you” の even が「〜すら言わない」という不満を強めています。
ヘイリーの I get it. と I’m up to speed. は、車の中で聞いた she-ro の意味が今になって分かった、という遅れた反応です。up to speed は「話に追いついている」状態を表し、仕事の引き継ぎで Let me get you up to speed.(状況を説明するね)のようにも使えます。
that was cold の cold は「冷たい・そっけない」という意味で、相手の態度を短く言い表しています。これに対してクレアは It’s just his way. と返します。直訳すると「それが彼のやり方」で、相手の性分として受け流すときに使える一言です。
「Speaking of “green”」で話題をずらす返し
クレアはこのあと、父親からほめ言葉を期待しないことを学んだと話し、娘たちにこう続けます。
Claire: But it has taught me a very important lesson that you girls should learn, too– approval comes from within.
(でも、おかげでとても大事なことを学んだの。あなたたちも覚えておきなさい。認めてもらう気持ちは、自分の内側から生まれるものなのよ。)Alex: I knew that, mom.
(知ってたよ、ママ。)Claire: Course you did, ‘cause you’re smart.
(そうよね、あなたは賢いもの。)Modern Family Season5 Episode19 (A Hard Jay’s Night)
approval comes from within は、他人からの承認を待たず、自分で自分を認めるという考え方を短く言い表した言葉です。この一言は、のちの場面でもう一度登場します。
その後、ジェイのほうから会社の話を切り出す場面があります。
Jay: So, Margaret tells me I’m using some new delivery trucks now.
(で、マーガレットから聞いたが、うちは新しい配送トラックを使ってるそうだな。)Claire: Yeah.
(ええ。)Claire: They’re hybrid.
(ハイブリッドなの。)Claire: Now, they cost a little more, but when I factored in the tax rebates you get for going green, we come out ahead.
(少し割高だけど、環境に配慮すると受けられる税の還付を計算に入れたら、うちが得をするのよ。)Jay: Speaking of “green,” you went a little heavy on the vegetables, huh? I’m not sure I can stomach anything that’s healthy.
(「グリーン」と言えば、野菜を入れすぎだな。体にいいものは、どうも喉を通りそうにない。)Modern Family Season5 Episode19 (A Hard Jay’s Night)
go green は「環境に配慮する」、come out ahead は「結果的に得をする」という意味です。クレアが判断の理由まで説明したのに対し、ジェイは Speaking of ~(〜と言えば)で green という言葉だけを拾い、野菜の話へ移ります。トラックの件にはそれ以上触れていません。
Speaking of ~ は本来、前の話題に関連する話を自然につなぐ言い方です。ここでは同じ単語の別の意味に飛びつく形で、相手の話をかわす働きになっているのが面白いところです。stomach は動詞で「(食べ物を)受けつける」という意味でも使われます。
「What do you say?」お礼を促す一言と渋々のお礼
クレアからおたまを渡してもらったジェイに、クレアはこう問いかけます。
Claire: What do you say?
(何て言うの?)Jay: What?
(何だ?)Claire: What do you say when somebody does something for you? What do you say?
(誰かに何かしてもらったら、何て言うの? 何て言うのよ?)Jay: You want me to thank you for handing me a ladle?
(おたまを渡したくらいで礼を言えってのか?)Claire: You thanked the dog for staying– which is basically doing nothing– so I know you know the words.
(犬がじっとしてただけでお礼を言ったじゃない。何もしてないのと同じよ。だから、言葉は知ってるはずでしょ。)Jay: Fine.
(分かったよ。)Jay: Thank you for handling me the ladle.
(おたまを渡してくれて、ありがとよ。)Modern Family Season5 Episode19 (A Hard Jay’s Night)
What do you say? は、子どもに「ありがとう」を言わせるときに大人がよく口にすると言われる促し方です。クレアはそれを父親に向け、What do you say when somebody does something for you? と答えを促すように重ねます。
ジェイの You want me to thank you for ~? は「〜くらいで礼を言えというのか」と渋る返しです。クレアは I know you know the words.(言葉は知ってるはずでしょ)と、言い逃れの余地をなくします。ジェイは Fine. で折れてお礼を口にします。Fine. は「分かったよ」と不承不承に従うときの一言です。
そのあと、ヘイリーがクレアの言葉をそのまま口にする場面があります。
Haley: Approval comes from within.
(認めてもらう気持ちは、自分の内側から、でしょ。)Claire: Thank you.
(ありがとう。)Jay: Your sauce needs garlic.
(お前のソース、ニンニクが足りないな。)Modern Family Season5 Episode19 (A Hard Jay’s Night)
needs garlic の need は「〜が必要だ」、つまり「〜が足りない」と注文をつける形になっています。ヘイリーが持ち出した言葉にクレアがお礼を返し、その直後にジェイからソースへの注文が入る、という並びが見どころです。料理や仕事に「もう少し〜を」と意見するときは、It needs a little more salt. のように a little more を添えると角が立ちにくくなります。
| 表現 | 場面での働き |
|---|---|
| That’s it? | 期待した反応がなくて拍子抜けする |
| It’s just his way. | 相手の性分として受け流す |
| Speaking of ~ | 言葉を拾って話題を移す |
| What do you say? | お礼の言葉を促す |
| You want me to thank you for ~? | 礼を言うほどのことかと渋る |
| Fine. | 不承不承に従う |
まとめ|お礼を促す言葉と、言わない相手への返し
What do you say? でお礼を促し、I know you know the words. で念を押します。言われる側は You want me to thank you for ~? と渋り、Fine. で折れます。That’s it? や It’s just his way. も、家族の会話で使いやすい言い方です。
次回も『モダンファミリー』の会話から英語を拾っていきましょう。
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