「I rest my case」——身内のもめごとに法廷ことばを持ち込む英語|『モダンファミリー』S07E05で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「I rest my case」——身内のもめごとに法廷ことばを持ち込む英語|『モダンファミリー』S07E05で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン7第5話では、ミッチェルとキャメロンが開くパーティーにレイモンドを呼ぶかどうかで、二人の意見が分かれます。その判断を任されるのがグロリアです。

話し合いの中で、グロリアの口からは I rest my case や I have reached my decision といった法廷の決まり文句が次々に飛び出します。家族や友人との身近な言い争いに硬い言葉を持ち込むおかしみと、それぞれの表現が持つ本来の意味を、場面の流れに沿って見ていきます。

目次

「adjudicate」と「Let me see if I’m understanding this」で判定役に回る

パーティーの準備の段階から、キャメロンは「あの二人がいがみ合って夜が台無しになる」と心配していました。一方のミッチェルは、落ち込んでいたレイモンドを放っておけなかったと弁解しています。意見が割れたまま、キャメロンはグロリアに意見を求めます。

Cameron: Gloria, what do you think?
(グロリア、君はどう思う?)

Gloria: I think I need to know more before I adjudicate.
(裁定を下す前に、もっと詳しく知る必要があるわね。)

Modern Family Season7 Episode5 (The Verdict)

adjudicate は「(争いごとに)裁定を下す、審判する」という意味の改まった動詞で、本来は裁判所や審査機関の判断に使われます。パーティーに誰を呼ぶかという身内の相談に、この単語を当てはめるところにおかしみがあります。

前半の I need to know more before ~ は「〜する前に、もっと事情を知りたい」と判断をいったん保留する言い方で、こちらは日常でもそのまま使えます。

話し合いが進むと、グロリアはこう切り出します。

Gloria: Let me see if I’m understanding this.
(私の理解が合ってるか、確かめさせて。)

Modern Family Season7 Episode5 (The Verdict)

Let me see if I’m understanding this. は、相手の話を自分の言葉でまとめ直す前の前置きです。Let me make sure I understand. や So what you’re saying is ~ も同じ働きをします。会議や電話で聞き違いを防ぎたいときにも便利な形と言えます。

「I rest my case」と「Well, I don’t rest mine」の応酬

話し合いの末に、ミッチェルは心の内を明かします。グロリアはすかさず決め台詞で応じ、キャメロンもその言葉を拾って返します。

Mitchell: Cam! Cam’s the one, all right? Cam’s the one I’m worried about.
(キャムだよ! キャムなんだ、いい? 僕が心配してるのはキャムのほうだ。)

Mitchell: He’s the one who’s gonna be left behind.
(取り残されるのはキャムなんだよ。)

Gloria: I rest my case.
(以上、立証終わり。)

Cameron: Well, I don’t rest mine.
(いや、僕の弁論は終わらないよ。)

Cameron: Why do you think I’m the one that’s gonna be left behind?
(どうして取り残されるのが僕だと思うんだい?)

Modern Family Season7 Episode5 (The Verdict)

rest one’s case は、法廷で弁護側や検察側が証拠の提出を終えるときの決まり文句です。日常会話では「ほら、私の言ったとおりでしょ」「これ以上言うことはない」という意味で、相手の言葉が自分の主張を裏づけた瞬間に使われます。ミッチェルの本音が出た直後に、グロリアがこの一言を置くところが見どころです。

たとえば、傘を持たずに出かけた相手が雨に降られて戻ってきたときに I rest my case. と返せば、「だから言ったでしょ」という軽い勝ち誇りになります。親しい間柄での冗談として使うのが無難な表現です。

面白いのはキャメロンの返しです。I don’t rest mine. の mine は my case を指し、「僕の言い分はまだ終わっていない」と同じ決まり文句を裏返して反論を始めています。名詞を繰り返さずに所有代名詞で受ける形は、言い返しの場面で自然に使えます。

Cam’s the one I’m worried about. の the one を使った強調も覚えておきたい形です。「心配なのは(ほかの誰でもなく)キャムのほうだ」と、焦点をはっきり示せます。

「I have reached my decision」と「not under oath」で幕を引く

最後にグロリアは二人を座らせ、結論を言い渡します。

Gloria: Okay, that’s it.
(はい、そこまで。)

Gloria: Both of you sit down.
(二人とも座って。)

Gloria: I have reached my decision.
(結論が出たわ。)

Gloria: Raymond is coming to the party.
(レイモンドはパーティーに来る。)

Gloria: It’s a smart precedent to set, because after what I heard here today, I think there is a big chance that both of you are going to be left out.
(これは賢い前例になるわね。今日ここで聞いた話からすると、あなたたち二人とも仲間外れにされる可能性が大いにあるもの。)

Cameron: Wow.
(うわあ。)

Mitchell: Uh, you know you’re not under oath, right?
(あのさ、宣誓してるわけじゃないんだからね?)

Modern Family Season7 Episode5 (The Verdict)

Okay, that’s it. は議論を打ち切る合図で、続く Both of you sit down. と合わせて場を仕切り直す流れになっています。reach a decision は「結論に達する」というコロケーションで、make a decision よりも「考えた末にたどり着いた」という響きが加わります。We’ve reached a decision on the venue.(会場について結論が出ました。)のように、仕事の報告でもそのまま使えます。

set a precedent は「前例を作る」です。グロリアは、今回レイモンドを呼ぶことが、いずれ二人自身が同じ立場になったときの備えになると理由を添えています。

ミッチェルの You’re not under oath, right? の under oath は「宣誓したうえで」という法廷の言葉です。証人は真実を述べると宣誓するため、「そこまで正直に言わなくてもいい」という含みで切り返していると読み取れます。法廷ことばで始まった話し合いが、法廷ことばの冗談で締めくくられる流れが印象的です。

まとめ|法廷の決まり文句を日常で使う

adjudicate で判定役を引き受け、I rest my case で言い分を締め、I have reached my decision で結論を告げる流れに、under oath を使ったミッチェルの冗談が続きます。硬い法廷用語も、使う場面を変えるとユーモアのある日常表現になることが分かります。

『モダンファミリー』の家族の言い合いを観ながら、場面に合った言葉選びの面白さを味わっていきましょう。

陪審員の呼び出しをめぐる場面や、ジェイのプレスクールでのやりとりは同じ回のほかのコラムで、個々の表現の使い方はフレーズ記事でも扱っています。

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