欲しい物をほのめかす、サプライズを仕掛けるときの英語|『モダンファミリー』S08E12で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 欲しい物をほのめかす、サプライズを仕掛けるときの英語|『モダンファミリー』S08E12で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン8第12話は、フィルとクレアがバレンタインの贈り物を交換するところから始まります。娘のアレックスが「釣り合わない」と言うほど差のある贈り物でしたが、その裏には別の準備が隠れていました。

欲しい物があるのに直接は言わない、相手を驚かせたいから準備を伏せておく。贈り物をめぐるこの二つの気持ちを表す英語が、夫婦と娘の会話の中に次々に出てきます。

目次

「I love this. What is it?」と、ヒントを出していた側の本音

最初の贈り物は、フィルからクレアへのものです。それを前にしたクレアの反応と、フィルの説明はこうです。

Claire: Oh, thank you.
(まあ、ありがとう。)

Claire: I love this.
(すごく気に入った。)

Claire: What is it?
(これ、何なの?)

Phil: It’s the actual porch swing where we had our first kiss.
(俺たちが初めてキスした、あのポーチのブランコそのものだよ。)

Modern Family Season8 Episode12 (Do You Believe in Magic)

I love this. と言ったすぐ後に What is it? と尋ねている順序が面白いところです。中身が分かる前に喜びを伝え、そのうえで正体を尋ねるという順番です。まず感謝と気持ちを口にし、説明は後から聞くという流れは、贈り物を受け取る場面でそのまま使える組み立てです。

一方、クレアからフィルへの贈り物は古い腕時計でした。フィルが本当に欲しかった物は別にあり、フィルはこう明かします。

Phil: I’d been dropping these big hints about a pair of genuine Houdini handcuffs on sale at a local magic shop.
(地元の手品の店でセールになってる本物のフーディーニの手錠のこと、俺はでっかいヒントをずっと出してたんだよ。)

Modern Family Season8 Episode12 (Do You Believe in Magic)

drop a hint は「ヒントを落とす」が直訳で、欲しい物や言いたいことを、直接ではなくそれとなく伝えることを指します。drop hints about ~ で「〜についてほのめかす」となり、ここでは big が付いて「かなり分かりやすいヒント」のニュアンスになります。I’d been dropping は過去完了進行形で、贈り物の日より前からずっとほのめかし続けていたことを表します。

ほのめかされた側が気づいた場合は take the hint(ヒントを察する)と言うことが多く、気づかない相手には He didn’t get the hint. のように言えます。フィルの場合は、そのヒントが届かなかったように見える、という場面です。

「overdue for the romance to fizzle out」と言われたら

腕時計を巻いているフィルに、アレックスが声をかけます。贈り物の差を、アレックスはそのまま口にします。

Alex: What happened to your arm?
(その腕、どうしたの?)

Phil: Oh, I am winding an old watch that your mother gave me for Valentine’s Day.
(ああ、ママがバレンタインにくれた古い腕時計を巻いてるんだよ。)

Alex: Oh.
(へえ。)

Alex: That’s pretty uneven.
(ずいぶん釣り合ってないね。)

Alex: You gave her this awesome swing.
(パパはあんなすごいブランコをあげたのに。)

Alex: Man, where did Mom find a guy as sweet as you?
(ねえ、ママはパパみたいに優しい人をどこで見つけたの?)

Modern Family Season8 Episode12 (Do You Believe in Magic)

uneven は「平らでない、不均等な」という意味で、ここでは贈り物の重みが釣り合っていないことを指します。pretty は「かなり」と程度を強める副詞です。

フィルはクレアをかばい、仕事が忙しいだけだと説明します。それを受けたアレックスの返しは、次のとおりです。

Phil: And your mother’s not unromantic.
(それに、ママはロマンチックじゃないわけじゃないよ。)

Phil: She’s just been busy with work lately.
(最近、仕事で忙しいだけさ。)

Alex: Well, you’ve been married for like 25 years.
(まあ、結婚してもう25年くらいだもんね。)

Phil: What’s that supposed to mean?
(それ、どういう意味?)

Alex: You guys are overdue for the romance to fizzle out a little bit.
(二人とも、ロマンスが少し冷めてもいい時期はもう過ぎてるってこと。)

Modern Family Season8 Episode12 (Do You Believe in Magic)

fizzle out は、炭酸の泡が抜けるように勢いがしぼんで消えていくことを表す句動詞です。計画や熱意、恋愛の盛り上がりにも使われます。overdue は「期限を過ぎた」で、be overdue for ~ は「とっくに〜してもいい頃だ」という言い方になります。not unromantic のような二重否定は「ロマンチックでないわけではない」と控えめに打ち消す形で、フィルの苦しい弁護がにじむ言い回しです。

この言葉を受けて、フィルは a surprise visit to her office で、クレアの職場を訪ねて驚かせると宣言します。名詞の surprise を前に置くと「予告なしの〜」という意味になり、a surprise party や a surprise gift と同じ形で使えます。

「as a Valentine’s surprise」と、準備を伏せていた側の英語

職場を訪ねたフィルは、マントを着た男のことをクレアに尋ねます。クレアの答えは、後から振り返ると意味が変わる一言です。

Phil: Do I know that guy in the cloak?
(あのマントの男、俺の知ってる人?)

Claire: Ah, hinge specialist.
(ああ、蝶番の専門家よ。)

Claire: You might’ve seen him around.
(どこかで見かけたことがあるかもね。)

Claire: He’s the guy for offbeat swivels and rare-beveled hook joints.
(変わった回転金具とか、珍しい面取りのフック継ぎ手なら、あの人なのよ。)

Modern Family Season8 Episode12 (Do You Believe in Magic)

You might’ve seen him around. は「そのへんで見かけたことがあるかもしれない」という軽い言い方で、相手の質問をそれ以上広げない働きがあります。

後の場面で、フィルは贈り物も職場訪問も報われなかったと不満を並べ、Romance fizzles. Magic dies. とまで言います。そこでクレアが種明かしをします。

Claire: You mean this watch?
(この腕時計のこと?)

Phil: The Houdini handcuffs.
(フーディーニの手錠だ。)

Claire: I’ve been taking magic lessons as a Valentine’s surprise.
(バレンタインのサプライズにするつもりで、手品を習ってたの。)

Phil: Wait a minute.
(ちょっと待って。)

Phil: The supposed hinge salesman at your office.
(君の職場にいた、蝶番のセールスマンってことになってた人だ。)

Claire: The Great Majesto.
(グレート・マジェストよ。)

Phil: Of course.
(そういうことか。)

Modern Family Season8 Episode12 (Do You Believe in Magic)

as a ~ surprise は「〜のサプライズとして」で、準備の目的を一言で示せます。I’ve been taking という現在完了進行形が、しばらく前から習い続けていたことを伝えています。フィルの supposed は「〜ということになっていた」という意味で、表向きの説明が事実ではなかったと気づいたときに使える形容詞です。

フィルが欲しがっていた手錠の名前が、ここで出てきます。種明かしの後、フィルは I never thought you’d beat my gift, but you did. と言います。beat は「勝つ、上回る」で、贈り物同士を比べるときにも使えるのが分かります。

まとめ|ほのめかす側と、伏せておく側の言葉

drop hints で欲しい物をそれとなく伝える言い方、a surprise visit や as a Valentine’s surprise で驚かせる計画を示す言い方、そして supposed で表向きの説明を見抜く一言。贈り物をめぐる英語が、二人のすれ違いと種明かしの中に並んでいます。

次回も『モダンファミリー』の家族の会話から、使える英語を見つけていきましょう。

同じ回のほかのコラムでは家族へのひいきや助言の英語を、フレーズ記事では個々の表現の使い方を取り上げています。

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