家を買うとき「買い値を上げる」と伝える英語|『モダンファミリー』S06E05で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 家を買うとき「買い値を上げる」と伝える英語|『モダンファミリー』S06E05で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン6第5話では、フィルが隣人ジェリーの家の売却を任されます。新しい隣人を選びたいクレアの思惑と、家を買いたい人たちの申し出が、仲介役のフィルを挟んで交差していきます。

家の売り買いの英語では、offer という一語が「申し出」だけでなく「提示した買い値」を指して使われます。買い値を上げる、上乗せするといった言い方を、買い手と売る側それぞれの言葉から見ていきます。

目次

隣人を選びたいクレアと、依頼人を守るフィル

隣家の売却を任されたフィルに対し、クレアはこの機会を前向きにとらえます。フィルは仲介役らしい一言を添えますが、クレアの返しがそれを軽く茶化します。

Claire: it’s great because we have the rare opportunity to choose our new neighbors.
(だって、新しいお隣さんを選べるなんて、めったにないチャンスでしょ。)

Phil: While still looking out for my client’s best interests, of course.
(もちろん、依頼人の利益はちゃんと守りながらね。)

Claire: Wink wink.
(ウインク、ウインク。)

Modern Family Season6 Episode5 (Won’t You Be Our Neighbor)

the rare opportunity to ~ は「〜できるめったにない機会」で、クレアの期待がそのまま表れています。

look out for someone’s best interests は「〜の利益を第一に考えて守る」という意味で、仲介人や弁護士など、誰かの代理として動く立場で使われることの多い言い回しです。フィルにとっての依頼人は家を売るジェリーなので、隣人を選びたいクレアの希望とは、本来は別のものです。

その建前を受けたクレアの Wink wink. は、片目をつぶる仕草を口で言う表現です。「表向きはそういうことにしておくけど、分かってるよね」という含みをおどけて伝える言い方で、フィルが自分の希望を汲んでくれることを期待した念押しとも読み取れます。売る側の仲介と、隣に住む側の希望が、最初の場面から食い違っているのが分かります。

「raise my offer」と「throw in」で値を上げる買い手

別の場面で、フィルは買い手の一人ロニーと話します。ほかにも買い手がいると取れる返事を受けて、ロニーはこう切り返します。

Ronnie: Is this is this one of those realtor tricks?
(これって、これって、不動産屋のよくある手か?)

Phil: No.
(違うよ。)

Ronnie: Where you’re trying to get me to raise my offer?
(俺に買い値を上げさせようってやつ?)

Phil: Oh, no.
(いやいや。)

Ronnie: Well, it’s working.
(なら、効いてるぜ。)

Ronnie: All right.
(よし。)

Ronnie: I’ll throw in another 50 grand.
(あと5万ドル上乗せする。)

Phil: What?! That’s a terrible idea!
(何だって?! それはひどい考えだ!)

Modern Family Season6 Episode5 (Won’t You Be Our Neighbor)

raise one’s offer は「提示した買い値を引き上げる」という意味で、家や車など、値段を提示して交渉する場面で使われます。ここでの offer は「申し出」というより「提示額」に近い意味です。

throw in は「おまけとして加える」が基本の意味で、throw in another 50 grand で「さらに5万ドル上乗せする」となります。grand は1,000ドルを表すくだけた口語で、50 grand なら5万ドルになります。金額を言う場面では a grand(1,000ドル)、ten grand(1万ドル)のように数字と組み合わせて使われます。

ロニーは one of those realtor tricks と、仲介人の駆け引きを見抜いたつもりで、it’s working と自分から乗ってみせます。買い値が上がるのは売る側には好都合なはずですが、フィルの口から出たのは That’s a terrible idea! という反対の言葉でした。仲介役としての建前と本音のずれが、ひと言でのぞく場面と言えます。

「even if we raise our offer」と、伏せられない申し出

クレアとフィルは、もう一組の買い手であるトンプソン夫妻を家に招き、買い値を上げてもらおうとします。フィルは、あの家のいちばんの魅力は立地だと伝えたかったと話し、クレアは Dunphy-adjacent(ダンフィー家の隣)と言い添えます。招かれた場で、リサはこう口にします。

Lisa: Well, even if we raise our offer, who knows if we’ll get the house?
(でも、買い値を上げたとしても、あの家が手に入るかどうか分からないでしょ?)

Modern Family Season6 Episode5 (Won’t You Be Our Neighbor)

even if ~, who knows if ~? は「たとえ〜しても、〜かどうか誰にも分からない」という迷いを表します。買い値を上げるかどうかを決めかねている買い手の慎重さが伝わってきます。値上げを求められた側が、すぐには応じられない気持ちを伝えるときにも応用できます。たとえば Even if we pay more, who knows if they’ll accept it?(もっと払ったとしても、受け入れてもらえるかどうか分からないよね)のように使えます。

さらに別の場面では、申し出をジェリーに見せずにおけないか、という話になります。フィルの答えはこうです。

Phil: Withholding information would be a violation of the realtor’s oath.
(情報を伏せるなんて、不動産業者の誓いに反するよ。)

Claire: Which you wrote.
(あなたが書いたやつでしょ。)

Phil: Well, I also wrote my own wedding vows.
(まあ、結婚の誓いの言葉も自分で書いたけどね。)

Phil: I guess I should break those, too?
(そっちも破れっていうのかい?)

Claire: Phil.
(フィル。)

Modern Family Season6 Episode5 (Won’t You Be Our Neighbor)

would be a violation of ~ は「〜に違反することになる」と、断る理由を規則に置く言い方です。自作の誓いでも誓いは誓い、という理屈で、フィルは依頼人に届いた申し出を伏せることを断ります。クレアの Which you wrote.(あなたが書いたやつでしょ)は、関係代名詞 which で相手の言葉の一部を受けて切り返す短い返しで、会話の中で軽くつっこむときの形として参考になります。

まとめ|offer をめぐる言葉で立場が見える

raise one’s offer(買い値を上げる)、throw in(上乗せする)、even if we raise our offer(上げたとしても)など、この回には値段をめぐる言い方がそろっています。買い手、仲介役、隣に住む側と、立場ごとの言葉の違いも分かります。

隣の家の行方を見守りながら、次回も『モダンファミリー』の英語を一緒にたどっていきましょう。

情報を伏せる言い方はフレーズ記事で、文法の言い直しや靴下の発明の英語は同じ回のほかのコラムで扱っています。

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