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『モダンファミリー』シーズン6第5話では、クローゼットの仕事をしてきたジェイが、靴下をしまって順番に取り出せる試作品を作ります。家族の反応はさまざまですが、ジェイが何よりこだわるのは、その発明に付ける名前です。
商品名や社名には、語呂合わせや言葉遊びがよく使われます。ジェイの売り込み文句と名前の案、昔の会社名をめぐるやりとりから、名前と売り込みにまつわる英語を見ていきます。
「I’m selling a lifestyle here」と名前の案
ジェイが作ったのは、靴下を炭酸飲料の箱に入れて取り出す仕掛けです。いつも手前にある同じ靴下ばかりはいてしまう、という悩みを解消するための発明だと、ジェイは説明します。
Jay: But this bad boy stores and rotates your socks.
(だが、こいつは靴下をしまって、順番に回してくれる。)Jay: It’s gonna revolutionize the closet industry.
(クローゼット業界に革命を起こすぞ。)Gloria: What an exciting time to be alive.
(なんてわくわくする時代に生きてるのかしら。)Jay: I’m gonna get my lawyer on the horn, try to lock the name down.
(弁護士に電話して、名前を押さえておく。)Jay: Check this — “sock it to me.
(聞いてくれ。「ソック・イット・トゥ・ミー」だ。)Gloria: How about “soxbox?”
(「ソックスボックス」はどう?)Jay: Gloria, please.
(グロリア、勘弁してくれ。)Jay: I’m selling a lifestyle here.
(俺が売ってるのは暮らし方なんだ。)Modern Family Season6 Episode5 (Won’t You Be Our Neighbor)
this bad boy は、自慢の道具や機械を指して「こいつ」と呼ぶくだけた言い方です。revolutionize は「大きく変える、革命を起こす」で、売り込みの場面では大げさな自信を示す言葉として響きます。
get someone on the horn は「〜に電話をかける」という口語で、horn は電話を指します。lock the name down は「名前を確保する」で、ほかに使われる前に押さえておくという意味合いです。
名前の案 sock it to me は、「さあ来い、遠慮なくぶつけてみろ」という意味の慣用句に、靴下の sock を重ねた言葉遊びです。グロリアの soxbox は中身をそのまま表した素直な案ですが、ジェイは I’m selling a lifestyle here. と退けます。機能を説明するだけの名前ではなく、暮らし方そのものを売りたいという言い分で、商品の売り込みで語られることのある考え方が一言に詰まっています。グロリアの「わくわくする時代」が本気の感想かどうかは語られず、受け取り方が分かれるところです。
社名をめぐる言葉遊び
ジェイは、1980年にアールと会社を立ち上げたころのことを、こう語ります。
Jay: It was 1980.
(1980年のことだ。)Jay: Earl and I just formed our company, Closet-fornia.
(アールと俺は、会社を立ち上げたばかりだった。クローゼットフォルニアって名前でな。)Modern Family Season6 Episode5 (Won’t You Be Our Neighbor)
Closet-fornia は、closet と地名のカリフォルニアを合わせた造語の社名です。英語の会社名や店名では、このように普通名詞と地名をつなげて、何の会社かとどこの会社かを一度に伝える造語がしばしば見られます。It was 1980. のように年だけを短く言い切ってから本題に入るのも、昔話を始めるときの自然な切り出し方です。
その後、アールとの因縁を思い出したジェイは、グロリアの前で怒りをあらわにします。
Jay: Earl Chambers is a liar and a backstabber who betrayed me and never apologized.
(アール・チェンバースはうそつきの裏切り者だ。俺を裏切って、一度も謝らなかった。)Gloria: Jay, please.
(ジェイ、やめて。)Gloria: It’s just closets.
(たかがクローゼットじゃない。)Jay: I wish it was just closets.
(ジャスト・クローゼッツの話ならよかったんだがな。)Jay: I respect those guys.
(あそこの連中は尊敬してる。)Modern Family Season6 Episode5 (Won’t You Be Our Neighbor)
グロリアの It’s just closets. は「たかがクローゼットの話でしょ」となだめる言い方です。ジェイはこの just closets を、同じ名前の会社の話であるかのように受け直し、I respect those guys.(あそこの連中は尊敬している)と続けたと読み取れます。
普通の言葉が社名にもなりうることを踏まえた冗談で、言葉の意味をずらして返す切り返しが見どころです。I wish it was ~ は「〜だったらよかったのに」と現実と違う願いを表す形で、改まった書き言葉では I wish it were ~ とされることもあります。
名前に込めた本音と、最後に出た名前
別の場面でも、グロリアとジェイの間で同じ形の言葉遊びが繰り返されます。
Gloria: Are you going to start again? I am tired of hearing you rant about the crazy closet world.
(また始めるの? クローゼット業界のおかしな話をあなたがわめくのは、もう聞き飽きたわ。)Jay: Why would I rant about crazy closet world? Those lunatics priced themselves out of business years ago.
(なんで俺がクレイジー・クローゼット・ワールドのことでわめくんだ? あのいかれた連中は、何年も前に高値をつけすぎてつぶれたよ。)Modern Family Season6 Episode5 (Won’t You Be Our Neighbor)
グロリアの the crazy closet world は「クローゼット業界のおかしな世界」という普通の言い方ですが、ジェイは冠詞のない crazy closet world を社名のように扱って返します。price oneself out of business は「値段を高くしすぎて商売が成り立たなくなる」という意味で、ここでもジェイは業界の話を社名の話にすり替えています。
靴下の発明をめぐる最後の場面では、ジェイの試作品に別の名前を付けようとする声が上がります。
— Hey, this is nice.
(お、これはいいな。)— I think I am gonna call it the “sock ‘n’ roll.
(「ソックンロール」って名前にしようかな。)Jay: The hell you are.
(そうはさせるか。)Jay: Damn! That’s a good name.
(くそっ! いい名前じゃないか。)Modern Family Season6 Episode5 (Won’t You Be Our Neighbor)
sock ‘n’ roll は、音楽のジャンル名 rock ‘n’ roll と sock を重ねた名前です。The hell you are. は相手の言葉に続けて「そんなことさせるか」と強く打ち消す口語で、直後の That’s a good name. で、ジェイは名前の出来だけは認めてしまいます。拒絶と称賛が続けて出るところが、この場面の面白さと言えます。
まとめ|言葉遊びの名前と売り込みの一言
this bad boy や revolutionize の売り込み、lock the name down で名前を押さえる言い方、sock it to me や Closet-fornia の言葉遊び。名前ひとつにも、売り手の思いと英語の遊び心が込められていることが見えてきます。
ジェイの発明の行方を観ながら、次回も『モダンファミリー』の英語を楽しんでいきましょう。
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