何年も言えずにいたお礼を、遅ればせながら伝えるときの英語|『モダンファミリー』S06E19で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 何年も言えずにいたお礼を、遅ればせながら伝えるときの英語|『モダンファミリー』S06E19で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン6第19話には、フィルが20年前のジェイの手助けを初めて知る場面があります。グリルを贈っても喜んでもらえない理由を、フィルはそこに見いだし、ジェイに話を切り出します。

ずっと言えずにいたことを切り出し、遅れたお礼を伝えるには、少し勇気がいります。わだかまりを言葉にする比喩表現と、遅れたお礼の切り出し方を、場面の順に見ていきます。

目次

喜んでもらえない贈り物と「見えない壁」

ジェイの誕生日に、フィルは新しいグリルを贈ります。ところがジェイの反応は、フィルの期待とは違うものでした。

Jay: But it’s got all those doodads.
(でも、ごちゃごちゃした仕掛けがいっぱい付いてるじゃないか。)

Jay: I don’t know what to do with those doodads.
(こんな仕掛け、どう使えばいいのか分からん。)

Phil: You’re doing a great job of hiding your excitement about this gift.
(このプレゼントに大喜びしてるのを隠すのが、ずいぶんお上手ですね。)

Modern Family Season6 Episode19 (Grill, Interrupted)

doodad は名前の分からない小さな部品や仕掛けを指すくだけた語です。フィルの返しは「隠すのがうまい」とほめる形をとりながら、実際には「喜んでいないですよね」と指摘する皮肉になっています。

その後、ミッチェルの言葉から、フィルはジェイがかつて自分たち夫婦にも家の頭金を貸していたことを知ります。

Phil: Wait.
(待って。)

Phil: I’ve owed Jay money for 20 years, and you never told me?
(俺はジェイに20年も借りがあったのに、君は一度も言わなかったのか?)

Claire: I didn’t think you’d want to take it.
(あなたが受け取りたがらないと思ったのよ。)

Phil: I finally understand the invisible wall that’s been between Jay and me all this time.
(やっと分かったよ、ずっと俺とジェイの間にあった見えない壁の正体が。)

Modern Family Season6 Episode19 (Grill, Interrupted)

I’ve owed ~ for 20 years は現在完了で「20年間ずっと借りがあった」と、続いてきた状態を表しています。you never told me? と組み合わせると、知らされていなかったことへの驚きと不満が一度に伝わります。

クレアの I didn’t think you’d want to ~ は「あなたは〜したがらないと思った」と、黙っていた理由を相手の気持ちに寄せて説明する形です。責められた側の言い分として、そのまま使える組み立てと言えます。

the invisible wall that’s been between A and B は「AとBの間にずっとあった見えない壁」という比喩表現です。理由の分からない距離感を、目に見えない壁にたとえています。

「There’s a shadow…」でわだかまりを切り出す

別の場面で、ジェイがグリルについて口にした言葉を、フィルが聞きとがめます。

Jay: I’m just not comfortable with Vesuvius over there.
(あそこの噴火しそうなやつは、どうも落ち着かん。)

Jay: I hope you can get your money back.
(金が戻ってくるといいな。)

Phil: Money back.
(「金が戻る」。)

Phil: There it is.
(ほら、それですよ。)

Jay: Huh?
(ん?)

Phil: There’s a shadow that’s been cast over this relationship for quite a while now.
(この関係には、もうかなり長いこと影が差してるんです。)

Modern Family Season6 Episode19 (Grill, Interrupted)

get one’s money back は「払ったお金を取り戻す」という意味です。ジェイはグリルの代金を念頭に置いていると読めますが、フィルはこの言葉を自分の借金の話に結びつけ、There it is.(ほら、それだ)と食いつきます。

cast a shadow over ~ は「〜に影を落とす」という比喩表現で、関係や雰囲気が暗くなる様子を表します。ここでは has been cast という現在完了の受け身と for quite a while now を組み合わせ、影がしばらく前から差し続けていると伝えています。改まった響きの言い回しを使うことで、冗談ではなく真剣な話だと示していることが伝わってきます。

フィルの There it is. は、予想していた反応がまさに出てきたときに「ほら、それだ」と指し示す短い一言です。比喩を使わずに同じことを伝えるなら、There’s been some tension between us for a while.(しばらく前から、私たちの間には少しぎくしゃくした空気がある。)のように言うこともできます。

「long overdue」で遅れたお礼を伝える

フィルは頭金の件を知ったことを打ち明け、ジェイにお金を差し出します。

Jay: Phil, is this because Mitchell
(フィル、これはミッチェルが——)

Phil: No.
(違います。)

Phil: This is for me for us.
(これは俺のため、俺たちのためです。)

Phil: And though it may be long overdue, thank you.
(それに、遅すぎたかもしれないけど、ありがとうございます。)

Jay: You’re welcome.
(どういたしまして。)

Modern Family Season6 Episode19 (Grill, Interrupted)

Is this because ~? は相手の行動の理由を確かめる問いです。フィルは No. と短く打ち消し、This is for me for us. で「自分たちのためだ」と言い直しています。

long overdue は「とっくに済ませておくべきだった」という意味で、期限をはるかに過ぎた状態を表します。though it may be ~ と譲歩の形で添えると、遅れを自分から認めたうえで感謝を伝えられます。I know this is long overdue, but thank you. のように言い換えることもできます。ジェイの You’re welcome. は、そのお礼を受け止める返事です。長い前置きのあとの一言だけの返しに、ジェイらしさがにじみます。

ただし、話はこれで終わりません。終盤、家族の言い合いの中で、フィルはこう口にします。

Phil: Well, I didn’t get anything I wanted! Jay didn’t even like the world’s most perfect grill.
(俺だって欲しいものは何も手に入らなかったよ! ジェイは世界一完璧なグリルさえ気に入らなかったんだから。)

Modern Family Season6 Episode19 (Grill, Interrupted)

お礼を伝えても、グリルの評価までは変わらなかった点に、フィルらしい不満がのぞきます。

まとめ|わだかまりを言葉にして、お礼を伝える

the invisible wall や a shadow cast over this relationship は、言葉にしにくい距離感を形にする比喩表現です。though it may be long overdue, thank you と添えれば、遅れを認めたうえで素直にお礼を伝えられます。

ジェイとフィルの不器用なやりとりを観ながら、言いそびれた一言の伝え方を考えてみるのも、この回の楽しみ方の一つです。

借金の返済をめぐる言い回しはフレーズ記事で、同じ回の別のテーマはほかのコラムで取り上げています。

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