子どもに追い抜かれたと感じて強がってしまったとき、素直に謝る英語|『モダンファミリー』S06E18で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 子どもに追い抜かれたと感じて強がってしまったとき、素直に謝る英語|『モダンファミリー』S06E18で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン6第18話では、フィルがトランポリンの技や力仕事で息子のルークに張り合い、最後には自分から謝ります。強がる言葉と謝る言葉が、同じ一日の中でそろって聞ける回です。

負けを認めたくないときの言い方と、そのあと素直になるときの言い方には、それぞれ決まった形があります。フィルの言葉を順に追いながら、二つの間の距離を見ていきます。

目次

「I’m as strong as ever.」強がるときの言い方

トランポリンの場面で、疲れているように見えると声をかけられたフィルは、こう言い返します。

Phil: Well, I’m not. I’m as strong as ever. Certainly the strongest person in the house.
(いや、疲れてないよ。力はいつもどおりさ。この家で一番強いのは間違いなく俺だ。)

Modern Family Season6 Episode18 (Spring Break)

Well, I’m not. は相手の言葉を受けて「いや、そんなことはない」と打ち消す短い返しです。as ~ as ever は「相変わらず〜だ」という意味で、I’m as strong as ever. は「衰えていない」と言い張る形と言えます。最上級を重ねた三つ目の文まで続くと、打ち消しが強すぎて、かえって強がりに聞こえるのが面白いところです。

続いて、ルークが技を決める姿を目にしたクレアとのやりとりです。

Claire: Is Luke doing the Dunphy tuck?
(ルークがダンフィー・タックをやってるの?)

Phil: Sort of a poor man’s version of it.
(まあ、その安物版ってとこかな。)

Claire: Wow. He added a whole new twist.
(すごい。新しいひねりまで加えてる。)

Phil: It’s called over-rotation. Look into it.
(それは回りすぎって言うんだ。調べてみるといい。)

Modern Family Season6 Episode18 (Spring Break)

a poor man’s version of ~ は「〜の安っぽい版、劣化版」を表す言い方で、相手の出来を素直に認めたくないときの評価に使われます。クレアの twist は技の「ひねり」とも「新しい工夫」とも読める語で、フィルはそれを over-rotation(回りすぎ)と言い換えて失敗扱いにしています。Look into it. は「調べてみろ」と突き放す一言で、ここでは負け惜しみの締めとして働いていることが分かります。

「I can handle it.」手伝いを断って自分でやる

クレアはこの日のフィルの様子を、次のように振り返ります。

Claire: I was so caught up in my spring cleaning it took me a while to see that Phil was feeling inadequate. I knew what I needed to do.
(春の大掃除に夢中で、フィルが自信をなくしてるって気づくのに時間がかかっちゃった。やるべきことは分かってた。)

Modern Family Season6 Episode18 (Spring Break)

feel inadequate は「自分では力不足だと感じる、引け目を感じる」という意味です。強がりの裏にある気持ちを、クレアが一語で言い当てている場面と読み取れます。続いて描かれるのは、クレアがフィルに、力仕事のリストをルークに渡すよう頼む場面です。

Claire: When you guys are done out there do you think you could give Luke my list? I have some chores on here that require some muscle.
(外が済んだら、ルークに私のリストを渡してくれる? 力のいる家事がいくつかあるの。)

Phil: Maybe I should take care of that.
(それなら俺がやろうか。)

Claire: Nah.
(いいの。)

Phil: No, no. I-I can handle it. Luke’s pretty busy out there not pointing his toes.
(いやいや。お、俺がやれるって。ルークは外で忙しいんだ、つま先も伸ばさずにね。)

Modern Family Season6 Episode18 (Spring Break)

take care of ~ は「〜を引き受ける、片づける」、I can handle it. は「自分で何とかできる」と言い切る一言です。クレアに軽く Nah.(いいよ)と返されても、No, no. と重ねて引き受けにいく流れが印象的です。最後の一文はルークの技の形への当てこすりで、強がりがまだ続いていることが伝わってきます。

クレアの頼み方にも注目できます。do you think you could ~? は「〜してもらえる?」と相手の都合をうかがう丁寧な依頼の形で、require some muscle は「力が要る」を表す口語の言い回しです。家事を任せる相手はルークでも、名乗り出たのはフィルでした。

Maybe I should ~ は「〜したほうがいいかな」と控えめに申し出る形ですが、ここでは続く言葉の勢いから、譲る気がないことが読み取れます。手伝いを申し出る場面なら、Maybe I should take care of that. で押しつけがましくならずに引き受ける意思を示せます。

「I’m not proud of my behavior today.」素直に謝る

その後、フィルはルークに自分から謝ります。

Phil: I’m sorry. I’m not proud of my behavior today. It probably started with the 5K I ran yesterday.
(悪かった。今日の俺の態度は、褒められたもんじゃない。たぶん、昨日走った5キロから始まったんだ。)

Luke: 10K.
(10キロでしょ。)

Phil: For everyone else. It’s the first time in 15 years I couldn’t finish.
(ほかのみんなにとってはな。完走できなかったのは、この15年で初めてなんだ。)

Modern Family Season6 Episode18 (Spring Break)

I’m not proud of ~ は「〜を誇れない」、つまり自分のふるまいを恥じていると認める言い方です。It probably started with ~ は「たぶん〜がきっかけだった」と原因を自分から説明する形で、謝罪のあとに理由を添えるときに使えます。ルークに10キロと訂正され、For everyone else. と冗談で返しつつ、完走できなかったことを打ち明けるところまでが一続きです。

フィルがルークの成長ぶりを認める言葉を続けると、ルークはそれを打ち消します。

Luke: No, I can’t.
(僕には無理だよ。)

Phil: Yes, you can. It’s okay. It’s not your fault. Every dad goes through it the day he starts seeing his son as a man and not a boy. It’s a shock.
(いや、できるさ。いいんだ。お前のせいじゃない。父親なら誰でも通る道さ。息子を子どもじゃなく、一人の男として見始める日にな。ショックなもんなんだ。)

Modern Family Season6 Episode18 (Spring Break)

It’s not your fault. は相手に非がないことをはっきり伝える一言です。go through ~ は「〜を経験する、くぐり抜ける」で、Every dad goes through it と一般化することで、自分の張り合いを父親なら誰にでもある段階として受け止め直しています。強がりの as strong as ever から、相手を責めない It’s not your fault まで、同じ人物の言葉がここまで変わるのが見どころです。

まとめ|強がりから素直な一言へ

I’m as strong as ever. や I can handle it. で強がる言い方と、I’m not proud of my behavior.、It’s not your fault. で素直に謝る言い方。並べてみると、負けを認める一歩がどの言葉で踏み出されるのかが見えてきます。

『モダンファミリー』の親子のやりとりを観ながら、強がりと謝罪の言葉の違いを聞き比べていくと、場面の見え方も変わってきます。

アレックスの合否をめぐる言葉や春の大掃除の英語は同じ回のほかのコラムで、一つひとつの表現はフレーズ記事でも扱っています。

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