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『モダンファミリー』シーズン6第17話では、リリーのタレントショーをめぐってミッチェルとキャメロンの意見が分かれ、ジェイの昔の広告をめぐってはクレアとジェイが言い合います。
言い合いの英語には、相手が使った言葉をそのまま拾って返すという型があります。夫婦と親子、二組のやりとりから、先回りの問い返し、本音の言い当て、相手の語を使った切り返しを順に見ていきます。
「Are you accusing me of ~?」先回りの問い返しと本音の言い当て
リリーのタレントショーの日に、習い事の予定を詰め込んだことを指摘されたキャメロンは、こう問い返します。
Cameron: Okay, are you accusing me of over scheduling our tone-deaf daughter so she’s so tired she misses the talent show and doesn’t humiliate herself?
(へえ、つまり僕が、音痴の娘の予定を詰め込みすぎて、くたくたにさせてタレントショーに出られなくして、恥をかかずに済むようにしてるって責めてるの?)Modern Family Season6 Episode17 (Closet? You’ll Love It!)
accuse 人 of ~ing は「人が〜したと責める、非難する」です。Are you accusing me of ~? と疑問文にすると、「〜だと言いたいわけ?」と相手の言い分を先に言葉にして突き返す形になります。相手がそこまで言っていないことを、自分の側から細かく並べてみせるため、問い返しそのものが反論として働きます。
別の場面では、歌の練習をめぐってキャメロンが理由を説明し、ミッチェルがその奥にあるものを言い当てます。
Cameron: Mitchell, I just don’t want her to embarrass herself in front of her friends, not to mention the parents.
(ミッチェル、僕はただ、あの子に友達の前で恥をかいてほしくないだけなんだ。親たちの前なんてなおさらだよ。)Cameron: I can already hear Andrew’s condescending “Hmm.
(アンドリューの見下したような「ふーん」が、もう聞こえてくるよ。)Mitchell: Oh, my gosh.
(うわ、まさか。)Mitchell: You’re still competing with Andrew.
(まだアンドリューと張り合ってるんだね。)Cameron: He staged a coup, Mitchell.
(あいつはクーデターを起こしたんだよ、ミッチェル。)Cameron: He forced me out of the group I founded.
(僕が立ち上げたグループから、僕を追い出したんだ。)Cameron: I founded it.
(僕が立ち上げたんだぞ。)Modern Family Season6 Episode17 (Closet? You’ll Love It!)
I just don’t want ~ to … は「ただ〜に…してほしくないだけ」と、自分の動機を控えめに示す言い方です。not to mention ~ は「〜は言うまでもなく」で、もう一つの理由を上乗せします。
これに対するミッチェルの You’re still ~ing は「まだ〜しているんだね」と、相手が口にしなかった動機を言い当てる一言です。キャメロンの説明が建前かどうかは言葉からは決められませんが、still によって以前から続く張り合いだと示しているのが分かります。
「It’s ridiculous」を「You know what’s ridiculous?」で返す
やりとりの末に、ミッチェルはこう言い切り、キャメロンは同じ語で返します。
Mitchell: Lily is gonna sing whatever she wants and you’re gonna get over this thing with Andrew
(リリーは好きな歌を歌うんだ。それから、アンドリューとのことはもう乗り越えて。)Mitchell: Because a grown man should not have a nemesis.
(大の大人に宿敵なんていちゃいけないんだから。)Mitchell: It’s ridiculous.
(ばかげてるよ。)Cameron: You know what’s ridiculous? Is being forced to turn in your jingle bells to a man with less vocal range than a teakettle.
(何がばかげてるか教えてあげようか? やかんより声域の狭い男に、鈴を返上させられることだよ。)Modern Family Season6 Episode17 (Closet? You’ll Love It!)
get over ~ は「〜を乗り越える、引きずらない」で、you’re gonna ~ と言い切ることで、提案というより決定事項のように響きます。nemesis は「宿敵」を表す少し大げさな語で、a grown man should not ~(大の大人が〜するものではない)と組み合わさって、張り合い自体を子どもっぽいものとして退ける響きがあります。
キャメロンの返しは、相手の ridiculous をそのまま使い、You know what’s ridiculous? と問いかけてから答えを出す形です。書き言葉なら What’s ridiculous is ~. と一文にするところを、会話では問いと答えに分けて間を作り、言い返す内容を際立たせます。何がばかげているかの基準を、相手の側から自分の側へ移し替えている点がこの切り返しの要です。
この型は、You know what’s annoying? Being told to calm down.(何がいらつくって、落ち着けって言われることだよ。)のように単独でも使えます。ただ、相手が口にした語をそのまま入れると、言われた言葉を投げ返す効果がいちばん強く出ます。
| 相手の言葉 | 切り返し | 働き |
|---|---|---|
| It’s ridiculous. | You know what’s ridiculous? | 同じ語で基準を入れ替える |
| explain | What’s to explain? | 相手の語を問いにして突き返す |
| (責めるような指摘) | Are you accusing me of ~? | 言い分を先回りして言葉にする |
What’s to explain? は、このあと見るクレアとジェイの言い合いに出てきます。
「What’s to explain?」と「That happened one time」相手の言葉を組み替えて返す
昔の広告の話になり、ジェイが町中で人に呼び止められたと話すと、クレアは次のように疑いを差し込みます。
Claire: Are you sure they weren’t asking you to explain it?
(意味を説明してくれって頼まれてたんじゃないの?)Jay: What’s to explain?
(説明することなんかあるか?)Modern Family Season6 Episode17 (Closet? You’ll Love It!)
Are you sure ~? は「本当に〜なの?」と相手の話に疑いを差し込む言い方で、ここでは軽い当てこすりの響きを帯びます。ジェイの What’s to explain? は「説明することなんてあるか」で、クレアの explain を拾って問いの形で突き返しています。What’s to ~? は「〜することなんて何もない」という反語の型で、What’s to worry about?(何を心配することがある?)のように、相手の心配や疑問を軽く打ち消すときにも使われます。
このあとも2人の言い合いはしばらく続きます。やがてジェイが有名人の父を持つ苦労を持ち出すと、クレアは訂正を入れます。
Jay: Look, I know it was rough on you and Mitch having a famous dad you know, getting your picture taken in restaurants.
(いいか、お前とミッチにとっちゃ、有名人の父親を持つのは大変だったよな。レストランで写真を撮られたりして。)Claire: That happened one time, Dad, only because we were eating with Ralph Berman, Garage Door Opener King.
(それは一度だけでしょ、父さん。ガレージドアオープナー王のラルフ・バーマンと食事してたからよ。)Jay: Hey, he was eating with us.
(おい、あいつが俺たちと食事してたんだ。)Modern Family Season6 Episode17 (Closet? You’ll Love It!)
That happened one time は「それは一度きりのことだ」と、相手が大きく言った話の規模を事実に引き戻す言い方です。only because ~ を続けて、写真を撮られた理由は父の人気ではなく同席していた人物のほうにあった、と根拠まで添える組み立てです。
これに対するジェイの返しは、クレアの we were eating with ~ の主語と目的語を入れ替えた he was eating with us です。同じ動詞をそのまま使い、誰が誰と食事をしていたのかという向きだけを逆にした返しになっています。語を足さずに並べ替えるだけで反論になる点で、キャメロンの ridiculous の返しと同じ発想の切り返しと言えます。
まとめ|相手の言葉を拾って返す
Are you accusing me of ~?、You know what’s ridiculous?、What’s to explain?、he was eating with us。相手の語や文の向きを組み替えるだけで、言い返しにはっきりした形が生まれることが分かります。
言い合いの多い家族の会話は、切り返しの英語の宝庫です。次回も『モダンファミリー』のやりとりから、使える型を拾っていきましょう。
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