海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン6第3話は、ミッチェルがハネムーン先でひいた風邪が家族の間で次々に広がっていく回です。耳、気管支、めまいと、かかった人ごとに症状も少しずつ違います。
日本語の「うつす」「うつされる」は、英語ではどう言えばよいのでしょうか。この回には、広がり方を説明する言葉から、相手を気づかう一言、うつされた側の皮肉まで、風邪をめぐる言い回しがそろっています。
風邪が家族に広がるときの言い方
回の冒頭では、家族がそれぞれの風邪の経緯を振り返ります。最初に口を開くのはクレアです。
Claire: My stupid brother caught a cold in Mexico on his honeymoon, and it’s made its way through the family.
(バカな弟がハネムーン先のメキシコで風邪をひいて、それが家族中に回ったのよ。)Modern Family Season6 Episode3 (The Cold)
catch a cold は「風邪をひく」の基本形です。後半の make its way through ~ は「〜の中を通り抜けていく」という意味で、ここでは風邪が家族の一人から次の一人へと順に回っていった様子を表しています。「家族中にうつった」を、風邪を主語にして言い表しているのが分かります。
風邪の広がりを話す言い方には、There’s a cold going around.(風邪がはやっている)のように go around を使う形もあり、職場や学校の話題でよく使われると言われます。
別の場面では、ジェイとグロリアが自分の症状をこう語ります。
Jay: Cam brought me this from Mexico, along with two weeks of bronchitis.
(キャムがメキシコからこれを持ってきたんだ。2週間の気管支炎と一緒にな。)Jay: I don’t know which is worse.
(どっちがひどいか分からん。)Gloria: It gave me the vertigo.
(私はめまいになったの。)Gloria: I was too dizzy for high heels.
(くらくらして、ハイヒールなんて無理だった。)Gloria: I had to wear flats.
(ぺたんこの靴を履くしかなかったのよ。)Modern Family Season6 Episode3 (The Cold)
ジェイの bring A along with B は「AをBと一緒に持ってくる」という形で、気管支炎を持ち帰った品のように並べて皮肉っています。グロリアの It gave me ~ は「それのせいで〜になった」と、風邪を主語にして症状を説明する形です。give を使うと、うつされた側の立場から無理なく話せます。
自分のことに置き換えるなら、My son gave me his cold.(息子に風邪をうつされた)のように、うつした人を主語にして give を使う形も自然です。日本語の受け身「うつされた」を、英語では能動の文で言うことが多い点を覚えておくと迷いにくくなります。
「うつしたくない」と「自分が最初だった」
フィルに Kiss for good luck? と言われたクレアは、次のように断ります。
Phil: Kiss for good luck?
(幸運のキスは?)Claire: Oh, no! I’m not getting you sick.
(ダメ! あなたにうつしたくないの。)Claire: This cold stops with me.
(この風邪は私で止めるんだから。)Modern Family Season6 Episode3 (The Cold)
get someone sick は「人を病気にする」、つまり「うつす」に当たる言い方です。否定の I’m not getting you sick. で「うつすわけにはいかない」という気持ちを表しています。This cold stops with me. は「この風邪は私のところで終わりにする」という宣言で、stop with ~ で広がりの終点を示しています。
似た言い方に I don’t want to give you my cold. があり、give を使うと「自分の風邪を相手に渡す」という見え方になります。
一方、フィルは自分の立場に気づいて、こう言います。
Phil: You know what this means? I’m patient zero.
(これが何を意味するか分かるか? 俺が患者ゼロ号なんだ。)Phil: What I thought were allergies started the cold that brought the whole family down!
(アレルギーだと思ってたのが、家族全員を倒した風邪の始まりだったんだ!)Modern Family Season6 Episode3 (The Cold)
patient zero は、感染が広がるきっかけになった最初の人を指す言い方として知られています。bring ~ down は「〜を倒す」で、家族全員が風邪にやられた状況を大げさに表現したものです。「うつした」を一言で言うより、自分が始まりだったと認める形になっている点が見どころです。家族の中で最初に風邪をひいた人を、冗談めかして呼ぶ場面にも応用できます。
うつされた側の皮肉まじりの一言
熱が出たと知らせてきたクレアに、ミッチェルはこう返します。
Mitchell: Oh.
(ああ。)Mitchell: Okay.
(なるほど。)Mitchell: So, obviously, you have my cold now.
(つまり、明らかに僕の風邪がうつったんだね。)Mitchell: Everybody’s first symptom seems to be hate.
(みんな、最初の症状は“憎しみ”らしい。)Modern Family Season6 Episode3 (The Cold)
you have my cold は「僕の風邪を持っている」が直訳で、「僕の風邪がうつった」を所有の形で表しています。英語では have を使い、「うつった」を状態として言える点が特徴です。続く first symptom は「最初の症状」で、怒っているクレアの様子を症状になぞらえた皮肉と読み取れます。
クレアの側も、電話した理由をはっきり口にします。
Claire: I called to yell at you for getting me sick.
(うつしたことを怒鳴るために電話したのよ。)Modern Family Season6 Episode3 (The Cold)
ここでは get me sick が「私にうつす」の意味で使われています。yell at someone for ~ing は「〜したことで人を怒鳴る」という形で、責める理由を for の後ろに置けます。うつした側の I’m not getting you sick. と並べると、同じ get someone sick が守る言葉にも責める言葉にもなるのが面白いところです。
うつされた側が相手に向かって言うなら、You got me sick.(あなたにうつされた)のように過去形にすると、済んだ出来事として相手の責任をはっきり伝えられます。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| catch a cold | 風邪をひく |
| make its way through ~ | (風邪が)〜の中に広がる |
| get someone sick | 人に風邪をうつす |
| patient zero | 最初に感染した人 |
| have someone’s cold | 人の風邪がうつっている |
まとめ|「うつす」は get someone sick で
get someone sick で「うつす」、you have my cold で「うつった」、make its way through で家族への広がりを表せることが分かります。誰から誰へ風邪が回ったかを話す場面で、そのまま使える言い回しです。
『モダンファミリー』の家族のやりとりを観ながら、身近な体調の英語も少しずつ増やしていきましょう。
風邪をひいたときの別の言い方はフレーズ記事で、同じ回のほかのテーマはコラムで扱っています。


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