海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
雨に濡れたあとや薄着で出かけた日のあとに、体調を崩して「あのとき冷えたせいかもしれない」と原因を思い返したことはありませんか。
そんなときにぴったりの「catch a chill」を、『モダンファミリー』シーズン6第3話の冒頭、自分の体調不良の原因を語るミッチェルのシーンから、一緒に見ていきましょう。
「catch a chill」の意味とニュアンス
catch a chill
意味:体を冷やして風邪をひく、寒気がして具合が悪くなる
catch a chill は、体が冷えたことがきっかけで具合が悪くなることを表す表現です。catch は「(病気を)ひく」、chill は「ひやっとする冷たさ、寒気」という意味なので、直訳すると「寒気をひく」になります。
似た言い方に catch a cold がありますが、こちらは「風邪をひく」という結果そのものを指します。catch a chill は、それに対して「体が冷えた」という原因のほうを前面に出す言い方です。冷えたあとに風邪気味になる、という流れまで含んで聞こえます。
使うときは、a chill の形にして catch のあとに置きます。過去のことを振り返るなら caught a chill、今回のシーンのように「たぶんあのときだ」と原因を推し量るなら must have caught a chill と言います。これから起こることへの注意としては、You’ll catch a chill. のように未来の形で使い、「そのままだと体が冷えて具合が悪くなるよ」と伝えられます。
【ここがポイント!】
- 「catch a chill」の核は、体が冷えたことを原因として示す言い方
- 「風邪をひく」という結果を指す catch a cold とは、重点の置き場所が違う
- must have caught a chill の形にすると、「たぶんあのときに冷えた」と原因を推し量れる
『モダンファミリー』S06E03のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
家族の間で風邪が広がっている中、ミッチェルが自分の体調不良を語る場面です。まず「僕は病気にならない」と言い切ったうえで、具合が悪くなった理由を、ビーチで靴下が濡れたことに求めます。原因を言い当てたつもりの一言で catch a chill が使われるところと、そのあとに症状が具体的に挙がる流れに注目です。
Mitchell: I never get sick.
(僕は病気になんてならないんだ。)Mitchell: I-I must’ve caught a chill on the beach when my socks got wet.
(ビーチで靴下が濡れたときに、きっと体を冷やしたんだ。)Mitchell: My ankles burn.
(足首が焼けるように痛いよ。)Modern Family Season6 Episode3 (The Cold)
シーン解説と心理考察
ミッチェルの最初の一言は、「病気にならない」という言い切りです。その直後に、具合の悪い理由を語り始めるところに、この場面の流れがあります。病気にならないはずの自分が体調を崩したのだから、何か特別な原因があったに違いない、という順序で話が進みます。
その原因として挙がるのが、ビーチで靴下が濡れたことです。must’ve caught a chill と、過去の出来事に対する推量の形になっているので、確かめたわけではなく、たぶんあのときだろうと自分で結論づけていることが伝わってきます。原因を一つに絞って納得しようとする姿が、この言い方に表れています。ビーチという具体的な場所と、靴下が濡れたという細かい状況まで添えているので、思いつきではなく、自分なりに振り返った結果であることも読み取れます。
最後の My ankles burn. は、症状の報告です。冷えたせいだと述べたあとに、足首が焼けるように痛いと続けるので、体を冷やした話と実際の痛みが、一続きの説明として並びます。病気にならないと言い切ったうえで、原因と症状を短い文で立て続けに挙げていく語り口が、そのまま見どころになっています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
chill は、背中や足元にひやっと広がる冷たさです。濡れた靴下の中で足の先が冷えていき、その冷たさを catch(つかまえる)してしまう場面を思い浮かべてみましょう。つかまえてしまった冷たさが、そのあと具合の悪さになっていく。この順番が、catch a chill の意味の芯にあります。
ミッチェルの場合、その冷たさの入口が、ビーチで濡れた靴下でした。「ひやっとする冷たさをつかまえた結果、具合が悪くなった」という流れを、濡れた靴下の映像とセットで覚えておくと、冷えと体調不良を結びつけたいときに、この表現がすっと出てきます。
覚えるときは、catch a cold と並べて、短い文で言い比べながら、「cold は風邪という結果」「chill は冷えという原因」と対にして頭に置いておくと、使い分けで迷いにくくなります。同じ catch でも、つかまえるものが違うだけで、話の重点が変わることが見えてきます。
例文で覚える「catch a chill」
体が冷えて具合が悪くなる場面で使える catch a chill を、3つの場面で確認していきましょう。
Put a jacket on, or you’ll catch a chill.
(上着を着て。じゃないと体が冷えて具合が悪くなるよ。)
寒い日に、家族へ声をかける場面です。or のあとに you’ll catch a chill を置くと、「そのままだとこうなる」という軽い注意になります。
I think I caught a chill during the outdoor meeting.
(屋外の会議で体を冷やしたみたいです。)
体調不良の理由を同僚に説明する、仕事の場面です。I think を頭に付けると、原因を断定せず、控えめに述べる言い方になります。
A: You look pale.
B: I must have caught a chill last night.
(A:顔色が悪いよ。)
(B:昨夜、体を冷やしちゃったんだと思う。)
体調を気遣われたときの会話です。must have + 過去分詞で、「たぶん昨夜のあれが原因だ」と推し量る言い方になります。
あわせて覚えたい関連表現
catch a cold
(風邪をひく)
catch a cold は「風邪をひく」という結果そのものを指します。catch a chill は、体が冷えたという原因を前面に出し、そのあと風邪気味になることまで含みます。
come down with
(〜にかかる)
come down with a cold のように病名を続けて、「発症する」ことを表します。catch a chill と違って、冷えという原因は含みません。
get a chill
(寒気がする、ぞくっとする)
get a chill は、寒さで体が冷える場合のほか、恐怖などで一時的にぞくっとする感覚も指せます。catch a chill は、冷えたあとに具合が悪くなるところまで含んだ言い方です。
Note|風邪をひく結果か、体を冷やした原因か、catch a cold と catch a chill と get a chill
体の不調や寒気を語る英語表現は、いくつもあります。ここでは、catch a cold、catch a chill、get a chill の3つを、辞書的な語義の範囲で比べてみます。
catch a cold は、「風邪をひく」という結果を述べる言い方です。鼻水やせきなど、風邪という状態になったことが中心になります。catch a chill は、「体が冷えた」という原因のほうに重点があり、冷えたことをきっかけに具合が悪くなるという流れを含みます。get a chill は、さらに軽く、寒さや恐怖でぞくっとする感覚そのものを表せます。同じ「寒い」に関わる言葉でも、結果、原因、感覚のどこに光を当てるかで、選ぶ表現が変わります。
ミッチェルは must’ve caught a chill と言いました。風邪という結果を述べるのではなく、ビーチで靴下が濡れたという原因のほうを差し出しています。この言い方を選ぶと、「あのときの冷えが原因だ」と自分なりの理由づけをする話し方になります。
体調を語る場面では、伝えたいのが結果なのか、原因なのか、感覚なのかを先に決めると、3つの中から自然に選べます。たとえば、寒い日の帰り道にぞくっとしただけなら get a chill、翌日に熱が出たなら catch a cold、濡れた服のまま過ごしたことを挙げたいなら catch a chill、という具合です。
まとめ|「たぶんあのとき冷えた」を一言で
catch a chill は、体が冷えたことを原因として、具合が悪くなる流れまで含んで伝える表現です。catch a cold が結果を指すのに対して、こちらは冷えという原因を前面に出します。
「あのとき濡れたからかもしれない」と原因を推し量りたいときには must have caught a chill、「そのままだと冷えるよ」と注意したいときには you’ll catch a chill と、形を変えて使えます。体調の話題になる場面は多いので、出番は意外と身近にあります。
ミッチェルが、病気にならないと言い切ったうえで、体を冷やした場面を細かく語る様子は、この表現が原因の説明に向いていることが、そのまま伝わる一幕でした。次に体を冷やして調子を崩したときは、must have caught a chill と言ってみましょう。


コメント