「pick on」と「look out for」はどう違う?|『ビッグバン★セオリー』S11E23で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「pick on」と「look out for」はどう違う?|『ビッグバン★セオリー』S11E23で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン11 第23話から、「いじめる」と「面倒を見る」を表す英語を取り上げます。シェルドンは結婚式に兄のジョージーを招待していませんでした。その理由として語られる子ども時代の話は、兄の側から聞くとまるで違うものになります。

弟の側は torment や be mean to で、兄の側は look out for で、同じ過去を語ります。語の選び方ひとつで出来事の見え方がどう変わるのかを、順に追っていきます。

目次

「tormented」と「mean to」――弟の側から見た兄

母からの電話を切ったシェルドンに、エイミーが聞き返します。

Amy: Wait a minute. You didn’t invite your brother to your own wedding?
(ちょっと待って。自分の結婚式に、お兄さんを招待しなかったということ?)

Sheldon: He tormented me my whole childhood.
(兄は、子ども時代を通して僕を苦しめたのだ。)

TBBT Season11 Episode23

torment は「(人を)苦しめる」「さいなむ」という意味の動詞です。からかう程度ではなく、受けた側のつらさを強く訴える語で、my whole childhood と期間を添えて長く続いたことを示しています。

エイミーは、少し角度を変えて応じます。

Amy: Look, he may have been mean to you when you were kids, but you’re both grown men now.
(いい?子どものころは、あなたに意地悪だったかもしれない。でも今は、二人とも大人の男性でしょう。)

TBBT Season11 Episode23

be mean to ~ は「〜に意地悪をする」で、torment よりも日常的で軽い言い方です。エイミーは may have been(〜だったかもしれない)で過去をいったん認めつつ、but で「今は大人」と話を現在へ戻しています。シェルドンは「大人だから招待しない」と言い返したあと、ママに言われているから招待しないわけにはいかない、と付け加えます。

別の場面でも、シェルドンはレナードに、子ども時代ずっと兄が mean to me だったと言い、8歳のハロウィンで用意した仮装をジョージーに捨てられた話を持ち出します。弟の側の語彙は、一貫して「された側」の言葉です。

「picking on him」と「looked out for him」――兄の側の言い分

レナードがジョージーと二人で話す場面では、レナードがまず have your differences(いろいろ違いがある)と穏やかに切り出し、そのうえでこう伝えます。

Leonard: Ooh! There, that was very Sheldon. Look, I’m… I’m sure he was not the easiest brother to have, but it wasn’t easy for him either with you picking on him all the time.
(おっと!今のはすごくシェルドンっぽかったよ。ねえ、その…あいつが一緒にいて楽な弟じゃなかったのは確かだと思う。でも、君にいつもいじめられて、あいつのほうも楽じゃなかったんだ。)

Georgie: Picking on him? Is that what he told you?
(いじめてた?あいつがそう言ったのか?)

TBBT Season11 Episode23

pick on ~ は「(弱い立場の相手を)いじめる」「しつこくからかう」という句動詞です。ジョージーはこの語をそのまま繰り返して聞き返しています。少しやり取りが続いたあとで彼が挙げるのは、まったく別の動詞です。

Georgie: Look, I mean, uh… I always looked out for him at school, I drove him everywhere, I apologized to people when he was rude.
(いいか、その…学校ではいつもあいつを気にかけてたし、どこへでも車で送ったし、あいつが失礼なことをしたら人に謝ってた。)

Leonard: Yeah. I’ve done all that.
(うん。僕も全部やってきたよ。)

TBBT Season11 Episode23

look out for ~ は「〜を気にかけて守る」「目を配る」という意味で、ジョージーは同じ学校時代を守ってきた側の言葉で言い直しています。

表現 意味の中心 誰の言葉か
torment 長く苦しめる シェルドン
be mean to 意地悪をする エイミー・シェルドン
pick on 弱い相手をいじめる レナード
look out for 気にかけて守る ジョージー
look after 世話をする ジョージー
protect 守る ジョージー

ホテルの部屋の場面で、ジョージーは父の死後に家のことを引き受けていたと打ち明け、母と妹を look after(世話をする)しなければならなかったと言います。母は弟を守っていたのだと言われたシェルドンが、それならなぜ教えてくれなかったのかと問うと、答えはこうでした。

Georgie: Because I was protecting you too. You’re my baby brother, Sheldon.
(俺もおまえを守ってたからだよ。おまえは俺の弟なんだ、シェルドン。)

TBBT Season11 Episode23

look out for が日々目を配ることなら、protect は危険や負担から遠ざけることを指します。いじめられた記憶と守ってきた記憶が食い違う構図が、この回の見どころです。

まとめ|同じ過去を語る二つの動詞

今回は、された側の torment、be mean to、pick on と、守った側の look out for、look after、protect を見てきました。どちらの語を選ぶかで、同じ出来事が「いじめ」にも「世話」にも聞こえることが分かります。

言葉の選び方に立場が表れる兄弟の会話は、次に観るときも耳を傾けたくなる場面です。

このエピソードのほかのコラムやフレーズ記事も読むと、テキサスでの兄弟のやり取りがさらに立体的に見えてきます。

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