海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン2 第16話から、ピーターがニールに休むよう命じる場面と、夕食に誘う場面を取り上げます。どちらも相手に選択の余地を残さない言い方ですが、硬い命令ではなく、言葉の選び方から、相手を気づかう温かさが同時に伝わってきます。
予定の形で指示を言い切る英語と、言い換えで誘いを断らせない英語を、二つの場面から順に見ていきます。
「No, you’re not.」と「That’s an order.」で、休めと言い切る
打ち合わせが終わると、ニールは自分も現場へ向かうつもりだと切り出します。ピーターはそれをすぐに止めました。
Neal: I’m gonna catch a ride to the waterfront.
(海沿いまで車に乗せてもらうよ。)
Peter: No, you’re not. We got good people on it. You’re gonna finish up, then get out of here. I need you rested. That’s an order.
(いや、行かない。そっちには腕のいい連中を回してある。仕事を片付けたら帰るんだ。休んでもらわないと困る。命令だ。)White Collar Season2 Episode16 (Under the Radar)
ニールの I’m gonna ~ は「これから〜する」という予定の宣言です。ピーターはこれに No, you’re not. と、同じ主語と be 動詞で打ち消しています。you’re not の後ろには gonna catch a ride が省かれており、相手の文をそのまま否定に言い換えた返しです。
続く You’re gonna finish up, then get out of here. は、形の上では未来の予定を述べる文ですが、ここでは指示として働いています。「〜しなさい」と命令文にするよりも、「そうなることはもう決まっている」という響きになり、反論の余地を狭めます。
I need you rested. は need + 人 + 過去分詞の形で、「あなたには休んだ状態でいてもらう必要がある」という意味です。命令の理由を先に示し、最後に That’s an order. と添えて、提案ではなく命令だと念を押しています。
ニールは、その指示をそのままピーターに向け直します。
Neal: You’re gonna take your own advice?
(自分の忠告にも従うの?)
Peter: Yes. I’m gonna go home, kiss my wife, and do at least one normal thing today. Live to fight another day.
(ああ。家に帰って妻にキスして、今日は少なくとも一つは普通のことをする。また明日に備えるさ。)White Collar Season2 Episode16 (Under the Radar)
take one’s own advice は「自分が人に言った忠告に自分でも従う」という意味です。平叙文の語尾を上げるだけの問いで、ニールは軽く切り返しています。ピーターの答えも I’m gonna ~ で予定を並べる形で、最後の Live to fight another day. は「生き延びて別の日に戦う」、つまり今日は退いて次に備えるという言い回しです。
「You’re invited. That means you’re coming.」で、誘いを断らせない
供述を終えて帰ろうとするサラが、ニールと話しているところへ、ピーターがやって来ます。
Peter: It’s your lucky night. Elizabeth’s making those little chickens you like.
(今夜はついてるぞ。エリザベスが、君の好きなあの小さい鶏を作ってる。)White Collar Season2 Episode16 (Under the Radar)
It’s your lucky night. は「今夜はついている」と、良い知らせを告げる前置きです。料理の正式な名前で言い直されると、ピーターは短く返してから本題に入ります。
Peter: I know what they’re called. You’re invited. That means you’re coming. Both of you.
(名前は知ってるよ。招待する。つまり来いってことだ。二人ともな。)White Collar Season2 Episode16 (Under the Radar)
I know what they’re called. は、what 以下が「それが何と呼ばれているか」という名詞のかたまりになっている文です。言い直しを受け流し、話を先へ進める働きをしています。
You’re invited. は「あなたは招待されている」という受け身の文で、招待そのものを事実として告げています。そのうえで That means you’re coming. と言い換え、「招待された、つまり来る」とつないでいます。That means ~ は前の内容の意味を言い直すときの言い方で、ここでは断る余地を先回りしてふさいでいます。最後の Both of you. が、ニールだけでなくサラも含めた誘いだと示しています。
命令なのかと聞き返されると、ピーターはこう答えます。
Peter: Yeah. Yeah, this will be fun.
(ああ。ああ、きっと楽しいぞ。)White Collar Season2 Episode16 (Under the Radar)
Yeah で命令だと認めながら、this will be fun と続けて、誘いの楽しさで包んでいます。前の場面の That’s an order. と同じく言い切る形ですが、今度は相手を喜ばせる側に向いているのが面白いところです。
まとめ|言い切る指示と、断らせない誘い
No, you’re not. と That’s an order. で休むよう言い切る指示と、That means you’re coming. で逃げ道をふさぐ誘いを見てきました。言い切りの中に、相手を気づかう気持ちが見える場面です。
『ホワイトカラー』を観ながら、命令や誘いに込められた温度にも耳を傾けていきましょう。
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