「It’s not like that.」に見る、冷やかしを打ち消す言い方と、その打ち消しを見透かす返し|『ホワイトカラー』S02E16で学ぶ英会話

『White Collar』コラム: 「It's not like that.」に見る、冷やかしを打ち消す言い方と、その打ち消しを見透かす返し|『ホワイトカラー』S02E16で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ホワイトカラー』シーズン2 第16話から、サラとニールがそれぞれ周りに冷やかされ、それを打ち消す場面を取り上げます。相手の言葉を借りて否定する返しと、その否定を同じ言葉で打ち返す返しが、短い往復の中に続けて並んでいます。

「そういうのじゃない」と言いたいときの英語と、その言い訳を受け流さない側の英語を、二つの場面から順に見ていきます。

目次

「I’m not looming.」と「I am not involved with anybody.」

ニールと待ち合わせたサラがニールの住まいを訪ねると、そこには機械の調整をしていたモジーがいました。短いやり取りのあと、モジーはサラにこう言います。

Mozzie: Are you gonna loom there all day?
(そこで一日中ぬっと突っ立ってるつもりかね?)
Sara: I’m not looming. Neal told me to meet him here.
(突っ立ってなんかいないわ。ニールにここで会おうって言われたの。)

White Collar Season2 Episode16 (Under the Radar)

loom は、大きなものがぬっと立ちはだかる様子を表す動詞です。モジーはこれを使って、そこに立っているサラを軽くからかっています。サラは同じ動詞をそのまま否定形にして I’m not looming. と返し、続けてここにいる理由を足しました。相手の言葉を借りて打ち消し、すぐに事情を説明する組み立てです。

モジーはさらに踏み込みます。

Mozzie: You know… it’s not gonna work out.
(あのさ……うまくいかないと思うよ。)
Sara: What?
(何が?)
Mozzie: Getting involved with a con man.
(詐欺師と関わることだよ。)
Sara: No, no. I am not involved with anybody.
(違う、違う。私は誰とも関わってないわ。)

White Collar Season2 Episode16 (Under the Radar)

最初の it’s not gonna work out では、it が何を指すのかがまだ分かりません。What? と聞き返されてから、Getting involved with a con man. と名詞句だけで中身を補っています。先に結論を言い、主語の中身を後から明かす順番が、会話らしい運びです。

involved は「関わっている」という意味ですが、be involved with someone の形では恋愛関係を遠回しに指すことがあります。サラの返事は I’m と縮めず I am not と言い切り、not … anybody で「誰とも」と範囲ごと打ち消しているのが特徴です。縮めない形は、否定を強く打ち出したいときによく使われます。

「It’s not like that.」と「Yeah, it is.」の往復

後の場面では、サラとアレックスが話しているのを見たジョーンズが、ニールに声をかけます。

Jones: Across the room. Danger. So which one you’re going for? I’ll be your wingman.
(向こうを見ろよ。危険地帯だ。で、どっちを狙うんだ? 俺が援護するよ。)
Neal: No. I’m good, Jones.
(いや、大丈夫だよ、ジョーンズ。)
Jones: You sure?
(本当に?)
Neal: If I’m not out in 10 minutes, send backup.
(10分たっても戻らなかったら、応援をよこしてくれ。)

White Collar Season2 Episode16 (Under the Radar)

go for はここでは「(相手として)狙う」の意味です。wingman は、口語では異性に声をかける友人を横で手助けする役を指します。ニールは I’m good. で申し出を断りました。「間に合っている」という意味で、No, thanks. を柔らかくした響きがあります。send backup(応援をよこせ)という捜査の言葉を冗談に使って、冷やかしをかわしているのも見どころです。

ニールが二人に声をかけると、サラは席を外し、アレックスが口を開きます。

Neal: Sara. Alex. What are you two talking about?
(サラ。アレックス。二人で何の話?)
Sara: I should let you two catch up.
(積もる話もあるでしょう。私は外すね。)
Alex: I think she’s great.
(彼女、素敵な人ね。)
Neal: It’s not like that. It’s…
(そういうのじゃないんだ。その……)
Alex: Yeah. Yeah, it is.
(ええ。ええ、そういうのよ。)

White Collar Season2 Episode16 (Under the Radar)

サラの let you two catch up は、let + 人 + 動詞の原形で「二人に〜させてあげる」という形です。catch up は、しばらく会っていなかった相手と近況を話して埋め合わせることを指し、旧知の二人に場を譲る一言になっています。

It’s not like that. は、相手が思い描いている関係や事情を「そういうのとは違う」と打ち消す定番の言い方です。似た打ち消しに It’s not what you think.(思っているのとは違う)があり、どちらも相手の受け取り方そのものを否定する点で共通します。

アレックスの Yeah, it is. は、it is の後ろの like that を省いた形で、ニールの否定文をそのまま肯定に裏返しています。同じ語で打ち返すことで、言い訳を最後まで言わせない効果が生まれています。ニールが It’s… と言いよどんだ続きを待たずに、アレックスが言葉を重ねているのが分かります。

まとめ|打ち消す側と、見透かす側の英語

I’m not looming. のように相手の言葉を借りて打ち消す返しと、It’s not like that. を Yeah, it is. で裏返す返しを見てきました。否定する側と、それを受け流さない側の英語がそろう場面です。

これからも『ホワイトカラー』の軽口から、英語の呼吸を見ていきましょう。

このエピソードの英語は、ほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。

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