海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン3 第8話から、捜査官ジョーンズを中心とした二つの会話を取り上げます。自分を控えめに語る相手を打ち消してまっすぐほめる返しと、理想を並べた相手に「それはもう手にしている」と返す一言が、それぞれの場面に登場します。
ほめ言葉の定番表現から、live the dream を使った切り返しまで、登場する場面の順に一つずつ見ていきます。
「You’re the gold standard.」――自嘲する相手を打ち消してほめる
ジミーが逃げ去ったあと、ジョーンズはイザベルに、ジミーはどうしてこの会社に関わるようになったのかと問います。夫のジミーについて、イザベルは次のように答えます。
Isabelle: Because he’s Jimmy. He’s always pushing to do more, to be a better provider. He’s never stopped comparing himself to you.
(ジミーだからよ。いつももっと多くをやろうとして、もっといい稼ぎ手になろうとしてた。あなたと自分を比べるのを、ずっとやめなかったの。)
Jones: To me?
(俺と?)
Isabelle: You’re the gold standard.
(あなたはお手本なのよ。)
Jones: Me? You know, I work in a van. I live under the stairs. I —
(俺が? だって、俺はバンで仕事をしてるし、階段の下で暮らしてるんだよ。俺は――)
Isabelle: You’re way too modest. Like it or not, you’re a good man, Clinton Jones.
(謙遜しすぎよ。好むと好まざるとにかかわらず、あなたはいい人なの、クリントン・ジョーンズ。)White Collar Season3 Episode8 (As You Were)
the gold standard はもともと金本位制を指す語で、そこから「比べるときの基準・最高のお手本」という意味で広く使われます。夫が比べ続けた相手だという話を、イザベルはこの一語で言い切っています。
ジョーンズは Me? と聞き返し、仕事場と住まいを挙げて自分を低く見せます。これに対するイザベルの way too modest は、too modest(謙遜しすぎ)を way で強めた形です。続く Like it or not は「好むと好まざるとにかかわらず」で、相手の反論を先回りして封じてから評価を言い切る前置きになります。最後にフルネームで呼びかけることで、その言葉が改まった重みを持って伝わってきます。
「You’re already living the dream.」――並べられた理想を相手の今に重ねる
盗聴の許可が下りたあと、ニールはジョーンズを訪ね、一杯どうかと持ちかけます。ヴァンホーンの件で「しくじった」と認めたジョーンズは、イザベルと別れた理由を打ち明けます。やがてジョーンズは、ニール・キャフリーにとって having it all とは何かと尋ねます。have it all は「すべてを手に入れる」という決まった言い方で、ここでは動名詞にして名詞のように扱っています。
ニールはまずお金の心配をしないことを挙げ、さらに次のように続けます。
Neal: Um, doing something that’s meaningful, being surrounded by people I care about and respect, you know. That’s pretty much the dream.
(えっと、意味のあることをして、大切で尊敬できる人たちに囲まれていること、かな。それがだいたい理想だね。)White Collar Season3 Episode8 (As You Were)
doing ~ と being surrounded ~ という二つの動名詞を並べて理想を挙げ、最後に pretty much(ほぼ・だいたい)で全体をまとめています。
ジョーンズはくだけた悪態をはさんでから、次のように返します。
Jones: You’re already living the dream.
(もうその夢の中で暮らしてるじゃないか。)White Collar Season3 Episode8 (As You Were)
live the dream は「夢のような暮らしをする」という言い回しです。ここに already が加わり、ニールが並べた理想はすでに手元にあるという指摘に変わります。ジョーンズは足首の追跡装置にも触れながら、ニールこそ夢そのものだと重ねます。ニールもジョーンズの名を呼んで、君だって同じものを持っていると返します。
まとめ|相手の価値を言葉にして返す英語
the gold standard、way too modest、Like it or not、そして already living the dream を見てきました。どちらの場面でも、相手が自分では口にしない価値を、短い英語で返していることが分かります。
『ホワイトカラー』の何気ない会話を観ながら、ほめ言葉の返し方にも耳を傾けてみましょう。
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