海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『ホワイトカラー』シーズン3第14話では、エリザベスの誕生日を祝うために彼女の両親が訪れ、ピーターは義理の父と過ごす週末を前に身構えています。苦手な義父を無難なほめ言葉で語る言い方と、そこから本音がこぼれる瞬間が、今回取り上げる場面の中心です。
うれしくない贈り物を前にした夫婦の会話もあわせて、相手を悪く言わずに気持ちを伝える英語の言い回しを見ていきます。
「He’s a very interesting man.」から「Terrifying man.」へ
義理の両親の到着を待つピーターのもとには、ニールが来ています。ピーターが義父は精神科医だと明かすと、ニールはその義父とピーターが一緒に過ごす姿を見てみたいとからかいます。それに対するピーターの返事がこちらです。
Peter: Look, we get along. He’s a very interesting man. He’s very intelligent, discerning —
(いいか、うまくやってるんだ。すごく興味深い人だよ。とても聡明で、人を見る目があって――)White Collar Season3 Episode14 (Pulling Strings)
Look, は「いいか」と相手の注意を引き、言い分を切り出す前置きです。get along は「仲良くやる、うまく付き合う」という句動詞で、we get along で「俺たちは問題なくやっている」と先に関係を保証しています。
続く interesting は「興味深い」という意味ですが、中身を具体的に言わずに済むため、人を評するときの無難な言葉としても使われます。discerning は「目の肥えた、物事を見抜く力のある」という形容詞で、ほめ言葉として並べられています。ところが、この列挙は最後まで言い切られません。一語が挟まったあと、ピーターは次のように言い直します。
Peter: Terrifying man. I feel like I’m showing up for the first date with his daughter every time I see him.
(恐ろしい人だ。会うたびに、あの人の娘との初デートに顔を出すような気分になるんだよ。)White Collar Season3 Episode14 (Pulling Strings)
Terrifying man. は He’s a terrifying man. から主語と be 動詞、冠詞を省いた形です。直前の a very interesting man と同じく man で終わる形にそろえて、ほめ言葉の列を短い一言で本音に置き換えているのが面白いところです。I feel like のあとに文を続けると「〜のような気がする」、every time I see him は「彼に会うたびに」となり、義父に会うたびの居心地の悪さを、娘を迎えに来た初デートの相手の立場にたとえています。
「it’s not so bad」と「It’s the thought that counts.」
誕生日の席で、エリザベスの両親は、彼女が子どもの頃になくした人形を修復して贈ります。エリザベスはその人形をピーターに見せに行き、本音を打ち明けます。
Elizabeth: I hated it. I’ve always hated it.
(大嫌いだったの。ずっと嫌いだったのよ。)
Peter: Well…it’s not so bad.
(まあ……そう悪くもないよ。)White Collar Season3 Episode14 (Pulling Strings)
エリザベスの I’ve always hated it. は現在完了の継続用法で、子どもの頃から今までずっと嫌いだったことを表しています。not so bad は「それほど悪くない」という控えめな評価で、否定を使って言葉の角を取る形です。「いい」とは言い切らないため、妻の嫌悪をはねつけずに受け止めつつ、人形への評価も下げすぎない返事になっています。
エリザベスはさらに、人形はなくしたのではなく自分でしまい込んでいたのだと明かします。それを聞いたピーターの返しがこちらです。
Peter: Well, but you know what? It — it’s the thought that counts.
(まあ、でもさ、いいかい? 大事なのは、き、気持ちなんだよ。)White Collar Season3 Episode14 (Pulling Strings)
you know what? は「ねえ、いいかい」と話の向きを変える前置きです。It’s the thought that counts. は It is 〜 that … の強調構文で、「大事なのは贈り物そのものではなく、贈ろうと考えてくれた気持ちだ」という意味の決まった言い回しです。count はここでは「重要である」という自動詞で使われています。贈り物の出来には触れず、贈り手の側に目を向けさせることで、両親を悪く言わずに妻をなだめる返しになっています。
まとめ|ほめ言葉の列と、角を取る返し
無難なほめ言葉の interesting や discerning、本音に置き換える Terrifying man.、角を取る not so bad、贈り手の気持ちに目を向ける It’s the thought that counts. を見てきました。どれも相手を悪く言わない工夫です。
家族の会話が続くこの回で、言葉選びにも注目していきましょう。
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