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『フレンズ』シーズン4第7話では、ロスが昔キーボードを弾いていたことが話題になり、仲間の前で自分の曲を聴かせることになります。
昔の趣味を人に話すときは、いつ始めて、どのくらい打ち込んだのかを伝える言い方が役に立ちます。誘われてしぶる言い方や引き受ける言い方も、同じ流れの中に出てきます。過去の習慣を表す used to から、人前で披露する直前の前置きまで、ロスと仲間のやりとりを順に追っていきます。
「I used to play」昔やっていたことを打ち明ける
場面はモニカとレイチェルの部屋です。ロスとモニカがカードをしている横で、フィービーが新しい曲を作っています。ロスが曲の続きの案を出したことから、なぜそんなことを知っているのかとフィービーに聞かれ、ロスはこう答えます。
Ross: Well, uh… you know, I used to play.
(えっと……ほら、昔は弾いてたんだよ。)
Phoebe: Oh, yeah, that’s right. The keyboards, huh?
(ああ、そうだった。キーボードだっけ?)
Ross: Yeah. Just a little in high school. I really got into it in college. That’s when I really found my sound.
(ああ。高校では少しだけな。大学で本格的にのめり込んだんだ。そのときに自分の音を見つけたんだよ。)
Friends Season4 Episode7(The One Where Chandler Crosses the Line)
used to + 動詞 は「以前は〜していた」と、今とは違う過去の習慣を伝える形です。ここでの play は目的語がなく、「楽器を弾く」という意味で使われています。何を弾いていたのかは、フィービーの「The keyboards, huh?」で補われます。that’s right は、言われて思い出したときの「そうだった」にあたる相づちです。
続くロスの答えは、時期ごとに打ち込み方を言い分けています。高校は just a little(少しだけ)、大学は really got into it(本格的にのめり込んだ)という対比です。get into ~ は「〜に夢中になる」「〜にはまる」を表す句動詞で、趣味の話でよく耳にする形と言われます。最後の found my sound の sound は、音楽をする人にとっての「自分らしい音」を指しています。昔の趣味を語るとき、始めた時期と熱中した時期を分けて言うと、話の流れが伝わりやすくなります。
「He used to lock himself in the basement」身内が明かす昔の様子
ロスの答えを聞いたモニカは、兄の昔の様子を思い出して話し始めます。
Monica: Oh, my God! I completely forgot about your sound.
(やだ!ロスの「音」のこと、すっかり忘れてた。)
Monica: He used to lock himself in the basement for hours.
(地下室に何時間もこもってたのよ。)
Friends Season4 Episode7(The One Where Chandler Crosses the Line)
completely forgot about ~ は「〜のことをすっかり忘れていた」という意味です。モニカはロス自身の言葉だった sound をそのまま使い、「ロスの音」と呼んでいます。次の文にも used to が出てきます。今度は本人ではなく、身内が昔の習慣を明かす使い方になっています。lock oneself in ~ は「〜に閉じこもる」、for hours は「何時間も」で、どのくらい熱中していたかが具体的に伝わります。
モニカの話を受けて、フィービーはその「音」を聴きたいと言い出します。ロスは「本当に個人的なものだから」と一度はしぶりますが、フィービーにせがまれるうちに答えが変わっていきます。
Ross: No, you guys.
(いや、みんな。)
Ross: My keyboards are all the way… yeah, okay.
(キーボードはずっと……まあ、いいよ。)
Friends Season4 Episode7(The One Where Chandler Crosses the Line)
you guys は、その場にいる複数の相手に呼びかける言い方です。「No, you guys.」で一度は仲間の頼みを断っています。続く文では、キーボードの置き場所を言いかけたところで文が止まり、yeah, okay で引き受ける側に切り替わります。断る理由を最後まで言わずに承知する流れは、会話の中で答えが変わっていく様子をそのまま映しています。okay の前に yeah を重ねると、「まあ、いいか」と折れるような響きになることがあります。
「I’ve never played my stuff for anyone before」披露する前の前置き
場面はその日のうちに移り、ロスはキーボードを持ってきて、仲間の前で弾く準備をします。弾き始める前の前置きが、このやりとりです。
Ross: Okay, guys.
(よし、みんな。)
Chandler: All right, bring it on, you.
(よし、どんと来い。)
Ross: You know, I’ve never played my stuff for anyone before so it’s important that you understand it’s about communicating… very private emotions. You know, um… you should think of, um… my work as wordless sound poems.
(あのさ、自分の曲を誰かに聴かせたことは一度もないんだ。だから分かっておいてほしいんだけど、これは……すごく個人的な感情を伝えるものなんだ。それで、えっと……俺の作品は、えっと……言葉のない音の詩だと思ってくれ。)
Chandler: Oh, my God. Play!
(ああもう、いいから弾けよ!)
Friends Season4 Episode7(The One Where Chandler Crosses the Line)
I’ve never ~ before は「これまで一度も〜したことがない」と、経験がないことを伝える現在完了の形です。my stuff は「自分のもの」という意味のくだけた表現で、ここではロスが作った曲を指します。think of A as B は「AをBだと考える」で、聞き手に受け止め方を頼む前置きとして使われています。その前の it’s important that you understand ~ も「〜を分かっておいてほしい」と、聞く前に心づもりを求める言い方です。
チャンドラーの bring it on は「さあ来い」「受けて立つ」という響きの言い方で、挑戦を受けるときにも使われる表現です。ここでは、これから始まる演奏を待つ一言として働いています。前置きが長く続くところで、チャンドラーは Play! の一語で切り上げさせます。動詞一語の命令形は、長い説明を打ち切って本題を促すときに使われることがあります。
まとめ|昔の趣味を語り、披露へつなぐ英語
used to で昔の習慣を伝え、got into it で熱中した時期を言い、I’ve never ~ before でまだ誰にも聴かせていないことを伝える流れを見てきました。時期と経験を分けて話せると、昔の趣味の話も相手に伝わりやすくなります。
仲間にせかされながら準備を進めるロスの姿を観ていると、披露の前の英語が自然と耳に残ります。
この回のほかのコラムやフレーズ記事では、同じ演奏をめぐる別の場面の英語を扱っています。


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