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『フレンズ』シーズン4第1話では、レイチェルがロスに、ふたりのことについて書いた手紙を渡します。ロスは朝の5時半から、その長い手紙に向き合うことになります。
長い文書を前にしたときの「取りかかる」「じっくり読んだ」「もう一度目を通す」といった言い方は、仕事や勉強の場面でも出番があります。ロスの言葉を順に追いながら、読む行為にまつわる英語を見ていきます。
「I’d better get cracking」長い手紙に取りかかる一言
ビーチハウスのレイチェルの部屋で、ボニーと別れて戻ってきたロスに、レイチェルは手紙を書いたと告げて渡します。ふたりがまたつき合うことを考える前に、このことについてロスがどう思っているのか知りたい、というのがレイチェルの説明です。
Ross: It’s 5:30 in the morning. Heh. So I’d better get cracking on this baby.
(朝の5時半だ。へへ。じゃあ、さっそくこいつに取りかからないとな。)
Rachel: So I’ll be waiting for you. Just come up when you’re done.
(じゃあ、待ってるわね。終わったら上がってきて。)
Ross: Okay. I’ll be up… in 18 pages. Front and back. Very exciting.
(わかった。上がっていくよ……18ページ後に。両面だ。すごく楽しみだよ。)
Friends Season4 Episode1(The One with the Jellyfish)
get cracking は「さっそく取りかかる」「急いで始める」という意味で、くだけた会話で使われることの多い表現です。仕事や作業を前に、自分や周りに「さあ始めよう」と声をかけるときにも出番があります。I’d better ~ は「〜しなくちゃ」と自分に言い聞かせる形で、ここでは on ~ を添えて取りかかる対象を示しています。this baby は手渡された手紙を指し、物を親しみや冗談まじりに呼ぶ呼び方として働いています。
レイチェルの come up は「上がってくる」で、2階にある自分の部屋へ戻ってくることを指しています。when you’re done は「終わったら」と、相手の作業の区切りを待つときに添える一言です。
ロスの返事は、in + 時間で「〜後に」と言う形を、時間ではなくページ数につなげています。「18ページ後に上がっていく」という言い方に「両面だ」が続き、最後の Very exciting. は、分量を並べたあとでは言葉どおりの意味よりも冗談として受け取れる言い方です。
「I wanted to read every word carefully」じっくり読んだと伝えるとき
場面は翌朝に移ります。レイチェルは、なぜ上がってこなかったのかとロスに尋ね、ロスは Done.(終わった)と答えます。そのあとロスはこう続けます。
Ross: I mean, this is clearly very, very important to you. To us. And so I wanted to read every word carefully. Twice.
(だってさ、これは君にとってすごくすごく大事なことだろ。俺たちにとって。だから一語一語じっくり読みたかったんだ。2回。)
Friends Season4 Episode1(The One with the Jellyfish)
read every word carefully は「一語一語、注意深く読む」で、丁寧に読んだことを相手に伝える組み合わせになっています。最後の Twice. のように、一語だけを文の外に付け足すと、その部分が強く響きます。very, very と重ねたり、to you を To us. と言い直したりする点にも、大事に受け止めたと伝えようとする言葉選びが表れています。
ところが、レイチェルが手紙の中の問いかけについて答えを求めると、会話の流れが変わります。
Rachel: Does it?
(どうなの?)
Ross: I’m sorry?
(何だって?)
Rachel: Does it?
(どうなの?)
Ross: Does it? Does it? Yeah, I wanted to give that whole “Does it?” part just another glance.
(「どうなの?」か。「どうなの?」ね。ああ、その「どうなの?」のところ全体に、もう一度ざっと目を通しておきたくてさ。)
Rachel: What are you talking about, Ross? You just said that you read it twice.
(何言ってるの、ロス? 2回読んだって今言ったじゃない。)
Friends Season4 Episode1(The One with the Jellyfish)
Does it? は手紙の中の問いかけをそのまま受けた短い聞き方です。I’m sorry? は謝罪ではなく、「何て?」と聞き返す使い方です。glance は「ちらっと見ること」で、give ~ another glance で「もう一度ざっと目を通す」となります。直前の「一語一語じっくり、2回」と、この「もう一度ざっと」の食い違いを、レイチェルは You just said ~(今〜って言ったよね)の形で指摘しています。
「It so does not」強く言い切る・打ち消す英語
レイチェルの問い詰めが続くなか、ロスは迷いを打ち消すように言葉を重ねます。
Ross: No, Rach. No, I don’t have to think about it. I don’t. Uh, in fact… I’ve decided. I have decided… that it… does.
(いや、レイチェル。いや、考える必要なんてない。ないよ。えっと、それどころか……決めたんだ。決めたよ……それは……そうなんだ。)
Friends Season4 Episode1(The One with the Jellyfish)
I don’t have to think about it. は「考えるまでもない」と即答の姿勢を示します。in fact は「それどころか」と話を一段進める前置きで、I’ve decided. を言い直しながら重ねることで、決めたことを示そうとしています。最後の does は、レイチェルの Does it? に対する答えにあたります。
場面が変わり、荷造りに行こうとするレイチェルを前に、ロスは改めてこう答えます。続く2行目は、レイチェルが2階へ上がったあとの一言です。
Ross: It really and truly does.
(本当に、心の底からそうだよ。)
Ross: It so does not.
(全然そうじゃない。)
Friends Season4 Episode1(The One with the Jellyfish)
really and truly は「本当に」を二つの語で重ねた強調です。一方の It so does not. は、so を not の前に置いて「全然そうじゃない」と強く打ち消す、くだけた言い方です。レイチェルに向けた1行目とは正反対の内容を、ひとりになったロスが口にしています。
まとめ|長い文書を前にしたときの英語
I’d better get cracking で取りかかり、read every word carefully でじっくり読んだと伝え、give ~ another glance でもう一度目を通す。読む行為の言い方を並べると、丁寧さの度合いの違いも見えてきます。
手紙をめぐるロスの言葉の移り変わりを観ながら、言い切る・打ち消す英語も一緒に味わえる回です。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも、ビーチハウスでのやりとりの英語を扱っています。


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