海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン4第11話で、ジョーイとロスは同じ博物館で働くことになります。食堂で気まずいことがあったあと、ロスはジョーイに謝ります。その後の昼食の場面では、周りの職員の前で、真ん中のテーブルにジョーイを誘います。
謝罪のあとの言い訳まじりの説明と受け流す返事、そして人前で相手に歩み寄る一言まで、気まずさをほどいていく過程の英語を、場面の順に追っていきます。
「It’s not just me」謝ったあとに言い訳まじりで説明する
モニカとレイチェルの部屋で、ジョーイが夕食をとっています。そこへロスが入ってきて、今日の食堂でのことを謝ります。それを受けたジョーイの返事から、やりとりが続きます。
Joey: You-you do what you got to do, right?
(や、やるべきことをやるもんだろ?)
Ross: It’s not just me.
(俺だけじゃないんだ。)
Ross: I mean, the scientists and the tour guides never sit together.
(つまり、科学者とツアーガイドが一緒に座ることは絶対にないんだよ。)
Joey: Whatever.
(まあ、いいけど。)
Ross: It’s like that everywhere, Joey. Okay, Mon, back me up here.
(どこだってそうなんだよ、ジョーイ。なあモニカ、ここは味方してくれ。)
Friends Season4 Episode11(The One With Phoebe’s Uterus)
ロスの謝罪に対するジョーイの You do what you got to do. は「やるべきことをやる」、つまり「そうするしかなかったんだろう」と相手の行動を受け流す返しとして読めます。最後の right? は「だろ?」と相手に同意を求める付け足しです。
これに続くロスの It’s not just me. は「自分だけじゃない」と、同じことをしている人がほかにもいると伝える表現です。謝ったあとに事情を説明する言い方として、ロスは I mean で言い直し、科学者とガイドは一緒に座らないと付け加えています。そして back me up は「味方してくれ」「援護してくれ」と、その場にいる人に同意を求めるときに使われます。これに挟まるジョーイの Whatever. は、話をそれ以上広げない短い返事として働いています。
このあと、ジョーイはこう言います。
Joey: Look, Ross… really, it’s-it’s no big deal. You know, you wear a white coat. I wear a blue blazer.
(なあロス……本当に、た、大したことじゃないって。ほら、お前は白衣を着て、俺は青いブレザーを着てる。)
Friends Season4 Episode11(The One With Phoebe’s Uterus)
It’s no big deal. は「大したことじゃない」と相手の気にしていることを小さく扱う一言です。ジョーイは続けて、芝居に出ているときは客席のロスと話さないという例を出し、平気だと言って「また明日」と部屋を出ていきます。
この場面を並べてみると、ロスが It’s not just me. や back me up で説明と同意集めを重ねるのに対し、ジョーイは Whatever. や no big deal といった短い返事で応じています。
「If he’ll sit with me」人前で相手に委ねる
場面は博物館の食堂に移ります。ジョーイがガイドたちと食べているところへロスが入ってくると、年配の科学者が白衣の人たちのテーブルの席を勧めます。
Older Scientist: Dr. Geller… there’s a seat over here.
(ゲラー博士……こちらに席がありますよ。)
Ross: Thank you, Dr. Phillips… but I’m having my lunch at this table, here in the middle.
(ありがとうございます、フィリップス博士……でも、俺はこの真ん中のテーブルで昼を食べます。)
Ross: I’m having my lunch right here with my good friend Joey…
(ここで、親友のジョーイと一緒に食べるんです……)
Ross: If he’ll sit with me.
(彼が一緒に座ってくれるなら、ですけど。)
Joey: I will sit with you, Dr. Geller.
(一緒に座るよ、ゲラー博士。)
Friends Season4 Episode11(The One With Phoebe’s Uterus)
Thank you, ~ but ~. は、まず礼を言ってから申し出を断る組み立てです。I’m having my lunch の現在進行形は、ここでは「これからここで食べる」という、すでに決めた予定や意思を表しています。
注目したいのは If he’ll sit with me. の will です。条件を表す if のあとでは未来のことでも will を使わないのが基本ですが、「〜する気があるなら」と相手の意思を表すときには will が入ります。ロスは自分の行き先を決めたうえで、最後の判断をジョーイに委ねる形で言葉を結んでいます。ジョーイは同じ will sit with you を使って答え、ロスを Dr. Geller と呼んでいます。そしてジョーイのほうが、ロスのいる真ん中のテーブルへ移ってきます。
「I say we」みんなに呼びかけて打ち明け合う
ロスはさらに、食堂を見回して、白衣の人とブレザーの人の間に分かれ目があると言い、こう呼びかけます。
Ross: Now, I say we shed these-these coats that separate us and we get to know the people underneath.
(だから提案したい。俺たちを隔てるこの、このコートを脱いで、その下にいる人間を知ろうじゃないか。)
Friends Season4 Episode11(The One With Phoebe’s Uterus)
I say we ~. は「〜しようじゃないか」と、自分の考えとして周りに行動を持ちかける言い方です。Let’s ~ と近い働きですが、「私の意見としては」という主張が前に出るぶん、呼びかけの調子が強くなると説明されることがあります。shed は「脱ぎ捨てる」、get to know は「知り合う」「だんだん知っていく」を表します。
ロスが自分のことを名乗ると、ほかの職員も続きます。
Joey: I’m Joey. I’m an actor.
(俺はジョーイ。俳優だ。)
Joey: I don’t know squat about dinosaurs.
(恐竜のことは全然知らない。)
Another Tour Guide: I’m Ted and I just moved here a month ago and New York really scares me.
(僕はテッド。1か月前に越してきたばかりで、ニューヨークがすごく怖いんだ。)
Ross: All right. There you go!
(よし。その調子!)
Joey: Yeah. You hang in there, Teddy.
(ああ。がんばれよ、テディ。)
Friends Season4 Episode11(The One With Phoebe’s Uterus)
I don’t know squat about ~ は「〜のことは何も知らない」を表すくだけた表現で、squat はここで「何も」の意味で使われています。打ち明けた別のガイドに、ロスは There you go!(その調子)、ジョーイは You hang in there.(がんばれ)と声をかけています。どちらも、相手の言葉を受けて短く励ます返しです。
まとめ|気まずさをほどく説明と歩み寄り
It’s not just me で事情を説明し、It’s no big deal で受け流し、If he’ll sit with me で相手に判断を委ねる流れを見てきました。I say we ~ や hang in there も、相手との距離を縮める手がかりになります。
食堂のテーブルをめぐる二人の場面を観ていると、謝ったあとに相手を誘う一言の英語が見えてきます。
ほかのコラムやフレーズ記事でも、同じエピソードの別の場面の英語を取り上げています。


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