初対面の相手に声をかけて、やんわり断られるまでのひと言と自己紹介の英語|『フレンズ』S04E05で学ぶ英会話

『FRIENDS』コラム: 初対面の相手に声をかけて、やんわり断られるまでのひと言と自己紹介の英語|『フレンズ』S04E05で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『フレンズ』シーズン4第5話の冒頭近くで、チャンドラーはカフェで見かけた女性に声をかけに行きます。仲間に背中を押されて席を立ち、ぎこちなく名乗り、最後は相手から事情を告げられるまでが、短い会話の中に収まっています。

知らない相手に話しかける場面の英語は、教科書ではあまり扱われません。背中を押す一言、話しかけるきっかけ、相手を傷つけずに断る言い方を、順に見ていきます。

目次

「What’s the worst thing that could happen?」声をかける前に背中を押す一言

カフェのセントラルパークで、チャンドラーはモニカと話している最中に、店内の女性に目を留めます。「かわいいな」と言いよどむチャンドラーに、モニカはこう声をかけます。

Monica: Well, just go up to her and ask her out.
(じゃあ、彼女のところに行って誘えばいいじゃない。)
Monica: What’s the worst thing that could happen?
(最悪、何が起きるっていうの?)
Friends Season4 Episode5(The One With Joey’s New Girlfriend)

go up to ~ は「〜のところへ歩み寄る」、ask ~ out は「〜をデートに誘う」という意味です。What’s the worst thing that could happen? は直訳すると「起こりうる最悪のことは何?」で、「やってみても大したことにはならない」と相手の不安を小さくする問いかけとして使われることの多い言い方です。

チャンドラーが声をかけに行くと決めたあと、モニカのアドバイスと、送り出す側のやりとりが続きます。

Monica: Just be yourself.
(いつものあなたでいればいいのよ。)
Monica: But not too much.
(でも、出しすぎないでね。)
Chandler: Wish me luck.
(うまくいくように祈ってて。)
Ross: Good luck.
(がんばれよ。)
Chandler: Wish it.
(心の中で祈ってくれよ。)
Friends Season4 Episode5(The One With Joey’s New Girlfriend)

Just be yourself. は「自然体でいればいい」と相手を励ますときの一言です。モニカはそこに But not too much. を足して、チャンドラーの普段の調子を冗談まじりに釘を刺しています。Wish me luck. に、ロスは Good luck. と返します。チャンドラーの Wish it. は、声に出さずに祈ってくれという返しで、決まり文句を逆手に取った切り返しになっています。

「Did I say that?」ぎこちない名乗りと名前の確かめ方

席を立ったチャンドラーは、女性のところへ行って話し始めます。

Chandler: Hi. Hi, I-I was just, uh, sitting over there and…
(やあ。やあ、俺、えっと、あっちに座ってたんだけど……)
Chandler: Uh, Chandler. My name’s Chandler.
(あ、チャンドラー。俺の名前、チャンドラー。)
Chandler: Did I say that?
(今の、言ったっけ?)
Kathy: No, you didn’t. Hi, I’m Kathy.
(ううん、言ってないわ。こんにちは、キャシーよ。)
Chandler: Kathy with a “K” or a “C”?
(キャシーって、Kのほう?Cのほう?)
Friends Season4 Episode5(The One With Joey’s New Girlfriend)

I was just sitting over there and… は、「あっちに座っていたんだけど」と自分の居場所から話を切り出す形です。いきなり用件に入らず、どこから来たかを伝えることで、話しかけた理由につなげようとしています。ただ、チャンドラーは途中で言葉に詰まり、名乗りが先に出てしまいます。

Did I say that? は「今それを言った?」と、自分の言葉を確かめる問いです。キャシーは No, you didn’t. と答えてから名乗ります。実際にはチャンドラーは名乗っているので、この返事はぎこちなさを流してくれる冗談と読み取れます。

最後の with a “K” or a “C”? は、名前の綴りの頭文字を確かめる聞き方です。同じ音でも綴りが複数ある名前は英語圏に少なくないため、相手の名前を聞いたあとに綴りを確かめる場面は、会話で見かけることがあります。

「I should tell you that ~」相手を傷つけずに事情を伝える

名前の確認のあと、キャシーとチャンドラーの間でこんなやりとりがあります。

Kathy: Wow. You are really good at this.
(わあ。こういうの、本当に上手なのね。)
Chandler: Hey, come on, give me a break.
(おいおい、勘弁してよ。)
Friends Season4 Episode5(The One With Joey’s New Girlfriend)

キャシーの言葉は、ここまでのぎこちなさを受けたからかいで、文字どおりのほめ言葉ではありません。give me a break は「勘弁してよ」と返す言い方です。そのうえで、キャシーは自分の事情を伝えます。

Kathy: I apologize, but I should tell you that I’m waiting for a date.
(ごめんなさい、でも言っておかないと。私、デートの相手を待ってるの。)
Kathy: Oh, and there he is now.
(あ、ちょうど来たわ。)
Joey: I see you guys already met, huh?
(もう会ってたんだな?)
Friends Season4 Episode5(The One With Joey’s New Girlfriend)

I apologize, but ~ は、先に謝ってから言いにくいことを続ける前置きです。I should tell you that ~ は「言っておくべきことがあるんだけど」と、相手が知っておいたほうがいい事情を切り出す形です。キャシーは誘いの言葉を待たずに、「待ち合わせの相手がいる」という事実を伝えることで、話をここまでにしています。

There he is now. は「ちょうど来た」と、話題にしていた人物が現れたことを知らせるときに使われます。入ってきたのはジョーイで、キャシーが待っていたデートの相手はジョーイでした。ジョーイの I see you guys already met は、二人がもう顔を合わせていたことに気づいた一言です。

声をかけた相手に先約があったと分かる流れは、この回の出来事の始まりにあたります。断る側の英語は、謝罪の前置きと事情の説明だけで組み立てられています。

まとめ|声をかけるときと断るときの英語

What’s the worst thing that could happen? で背中を押し、I was just sitting over there and… で話を切り出し、I should tell you that ~ で事情を伝える流れを見てきました。声をかける側と断る側の両方の言い方がそろっています。

ぎこちない名乗りに注目しながら観ると、この場面の英語がより身近になります。

同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、この回の別の場面の英語を扱っています。

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