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『メンタリスト』シーズン5第2話には、捜査の進め方を伝え合うやりとりがあります。そこで使われる run ~ down と bring ~ in は、どちらも人に当たっていく動きを表しますが、向かう先が違います。名簿を前にした台詞と、人を呼ぶ台詞を見比べると、その差がよく分かります。
二つの句動詞の働きの違いと、作業を引き受けるときの一言を、台詞に沿って順に確かめます。
「run them down」と「I’m all over it.」顧客リストを前にした進め方
顧客リストをめぐるやりとりです。リストの中身が語られたあと、次のように話が進みます。
— You have his client list?
(顧客リストはありますか?)
— Yeah, you should see this thing. Leaders of industry, royalty, Hollywood stars.
(ああ、これは見たほうがいい。財界のリーダーに、王族に、ハリウッドスター。)
— Yeah, we need to run them down.
(ああ、一人ずつ当たっていく必要がある。)
The Mentalist Season5 Episode2 (Devil’s Cherry)
run ~ down は、人や情報を追いかけて見つけ出す、突き止める、といった意味で使われる句動詞とされています。ここでは them が、リストに並ぶ人たちを指しています。we need to ~ は、話し手を含めた「自分たち」が取り組むべき作業を述べる形です。リストの一人ひとりに当たって確かめていく動きが、この一文から読み取れます。
なお、リストの中身を述べる発言と、この we need to ~ の発言は、どちらも Yeah, で始まっています。Yeah, は返事の入り口に置かれ、そのあとに内容が続く形です。
このすぐあとに、次の発言が続きます。
— I’m all over it.
(もう取りかかっている。)
The Mentalist Season5 Episode2 (Devil’s Cherry)
I’m all over it. は、その作業にもう取りかかっていることを伝える一言です。all over ~ は、何かに全面的に取り組んでいるというニュアンスで使われます。
we need to ~ が「自分たち」の作業を述べる形だったのに対し、こちらは主語が I で、取りかかっている状態を述べています。必要性を we で示し、着手の状況を I で示す組み合わせです。この一言があれば、作業がすでに動いていることがすぐに伝わります。
「Bring him in.」と「Let me know what you find.」人を呼び、結果を待つ
やりとりが進んだところで、今度は人を呼ぶ話が出てきます。
— Did the victim have any coworkers?
(被害者に仕事仲間はいましたか?)
— An assistant named Julian Gallego.
(ジュリアン・ガレゴという助手がいる。)
The Mentalist Season5 Episode2 (Devil’s Cherry)
Did the victim have any coworkers? は、仕事仲間がいたかどうかを問う文です。any は疑問文で「いくらかでも」の意味を添え、いるかどうかを尋ねています。返事の An assistant named Julian Gallego. は、an assistant named ~(〜という名前の助手)の形で、named の後ろに名前を置いて人物を示しています。文の形にせず名詞だけで答え、問われたことに必要な情報だけを返しています。
名前が挙がったあとに、次の発言が続きます。
— Bring him in. Let me know what you find.
(連れてきてください。分かったことを知らせてください。)
The Mentalist Season5 Episode2 (Devil’s Cherry)
Bring him in. は、名前の挙がった人物を連れてくるよう求める言い方です。bring ~ in は、人を自分たちのもとへ呼び入れる動きを表し、him は直前の assistant を指しています。続く Let me know what you find. は、let me know ~(〜を知らせてください)に what you find(見つけたこと)が付いた形です。人を呼ぶ文と、結果の報告を頼む文が並ぶ組み立てになっています。
Let me ~ は「私に〜させて」という形ですが、ここでは許可を求めているのではなく、知らせてほしいという頼みとして働いています。find の目的語は what で、見つかる内容が決まっていない段階でも使える言い方です。
「run ~ down」と「bring ~ in」の使い分け
二つの表現は、どちらも動詞に副詞が付いた形です。目的語が them や him のような代名詞のときは、run them down、bring him in のように間に入ります。違いは、動きの向かう先にあります。
| 表現 | 台詞での対象 | 動きの向かう先 |
|---|---|---|
| run ~ down | リストに並ぶ人たち | 一人ひとりに当たって確かめていく |
| bring ~ in | 名前が挙がった助手 | こちらへ連れてくる |
台詞では、複数の人が並ぶリストには run ~ down、名前の挙がった一人には bring ~ in が使われています。相手のところへ当たりに行くのか、相手を呼び入れるのか。その違いが、二つの表現の使い分けになっています。副詞の down と in は、それぞれ動きの向きを示していると見ることもできます。
名詞が目的語になるときは、bring in a witness、run down a lead のように、副詞の後ろに目的語を置く形もあります。どちらの句動詞にも別の意味があるため、作中での使われ方として押さえておくと整理しやすくなります。
まとめ|当たっていく動きと、呼び入れる動き
run them down は名簿の一人ひとりに当たっていく動き、bring him in は名前の挙がった人を連れてくる動きでした。I’m all over it. は、作業にもう取りかかっていることを短く伝える一言です。
次回も『メンタリスト』と一緒に、場面ごとの英語を見ていきましょう。
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