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今回取り上げるのは、『CHUCK』シーズン5 第4話に出てくる normal と regular です。出勤するエリーを見送ったチャックが、自分たちにはない「普通の暮らし」についてサラと語り合う場面が起点になります。
どちらも日本語では「普通」と訳されやすい語ですが、作中での使われ方を並べてみると、指している中身にははっきりした違いがあります。場面を追いながら確かめていきましょう。
「normal」は特別な事情がない状態を表す
出勤するエリーを見送ったあと、チャックはサラにこう話しかけます。
Chuck: Man, how great are Ellie and Awesome, huh? They’re just a nice, happy, normal couple.
(いやあ、エリーとオーサムって本当に最高だよね。とにかく素敵で、幸せで、普通の夫婦なんだよ。)CHUCK Season5 Episode4 (Chuck Versus the Business Trip)
nice, happy, normal と形容詞を3つ重ねて、夫婦の様子をひとまとめに評した一言です。ここでの normal は、とりたてて変わったところのない、当たり前の状態のことです。
Sarah: Yeah, they are.
(ええ、そうね。)Chuck: We aren’t all that normal, are we?
(僕たちって、そんなに普通じゃないよね?)Sarah: No, no, not really, but we’re happy and we’re nice.
(ええ、あんまりね。でも、私たちは幸せだし、素敵よ。)CHUCK Season5 Episode4 (Chuck Versus the Business Trip)
not all that は「それほど〜ではない」と程度をやわらげる言い方で、文末の are we? で相手に同意を求める形です。否定の問いかけに対するサラの No は「普通ではない」ことを認める返事で、日本語の「ええ」に近い感覚です。そのうえで but をはさみ、幸せで素敵だという点を返しているのが印象的です。
このあとチャックは、自分たちが置かれた状況をひとつずつ挙げ、今の暮らしへの迷いを打ち明けます。それを聞いたサラが問い返し、チャックが答えます。
Sarah: Well, you want, you want to not be spying?
(じゃあ、スパイじゃなくなりたいってこと?)Chuck: I just wonder what it’d be like to be a normal married couple. Regular 9:00 to 5:00’s, more taco nights, less evil cabals?
(普通の夫婦だったらどんな感じなのかなって思うだけだよ。決まった9時5時の仕事に、タコスの夜は多めで、悪の秘密結社は少なめ、みたいな?)CHUCK Season5 Episode4 (Chuck Versus the Business Trip)
I wonder what it’d be like to〜 は「〜だったらどんな感じなんだろう」と、まだ経験していない状況を思い描く言い回しです。チャックの言う a normal married couple は、スパイの仕事を抱えていない、特別な事情のない夫婦のことだと読み取れます。
「regular」は決まったもの・いつもの姿を表す
一方、チャックが思い描いた暮らしの中身には Regular 9:00 to 5:00’s という言葉が入っていました。ここでの regular は「決まった時間どおりの」という意味で、9時から5時までの定時の仕事を指します。more taco nights, less evil cabals と more と less を対にして、増やしたいものと減らしたいものを並べる組み立ても見どころです。
場面は変わり、電話で話していたチャックは、相手が名乗ってようやくバイ・モアのジェフだと気づきます。
Chuck: Oh! Hey… Jeff! Wow. You sound… normal.
(ああ!やあ……ジェフ!うわ、なんか……まともにしゃべってるね。)CHUCK Season5 Episode4 (Chuck Versus the Business Trip)
You sound… normal. の normal は「まともな」「ちゃんとした」に近く、おかしなところがないという意味合いです。それまでのジェフとは違って聞こえたことへの驚きがにじんでいます。
さらに別の場面で、チャックはモーガンをめぐる作戦の段取りを説明し、最後をこう締めくくります。
Chuck: And after all this is over, Morgan can be just a regular guy again.
(で、これが全部終わったら、モーガンはまた、ただの普通の男に戻れるってわけ。)CHUCK Season5 Episode4 (Chuck Versus the Business Trip)
just a regular guy は「ごく普通の男」という意味で、目立った肩書きも特別な事情もない、どこにでもいる人を表します。again が添えられているので、元の姿に戻るという含みも加わります。
| 語 | 作中の形 | 表している「普通」 |
|---|---|---|
| normal | a normal married couple / You sound… normal. | 変わったところがない、まともな状態 |
| regular | Regular 9:00 to 5:00’s / just a regular guy | 決まった・いつもの、ありふれた姿 |
大まかに言えば、normal は「異常や特殊さがない」ことに目を向け、regular は「いつもどおり・決まったとおり」であることに目を向ける語です。常連客を regular customer と呼ぶのも、この「決まって繰り返される」感覚から来ていると考えると覚えやすくなります。
まとめ|何と比べた「普通」かで選ぶ
normal は特別な事情やおかしなところがない状態を、regular は決まった・いつもの姿や、どこにでもいる人を表すことを、チャックとサラの会話から見てきました。同じ「普通」でも、何と比べているのかに目を向けると使い分けやすくなります。
次回も『CHUCK』の会話を手がかりに、英語の細かな違いを見ていきましょう。
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