海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回のテーマは、『CHUCK』シーズン5 第7話に出てくる、ささやかな贈り物に思いを添えて渡す英語です。ケイシーは、娘のアレックスへのクリスマスの贈り物として、シロクマのぬいぐるみを用意します。
自分の選んだ品を自分から下げてみせる言い方と、それを打ち消す返しから、埋め合わせきれない思いを認めつつ手渡す一言まで、離れた二つの場面を順に追っていきます。
自分から下げてみせる言い方と、打ち消す返し
サラから、ケイシーあての品が届いたと伝言が入ります。品の名前を聞いたモーガンは、子どものころに好きだったおもちゃだと反応します。ケイシーはその品を選んだ理由を話し始めます。
Casey: Alex’s mom said she used to run around with a little bear thing like that. It’s still in its original package. I thought it was a good idea. Dumb, huh?
(アレックスの母親が言ってたんだ。あの子は小さいころ、こういうクマを持って走り回ってたってな。まだ箱に入ったままだ。いい考えだと思ったんだが。ばかげてるか?)Chuck: No. It’s actually quite touching.
(いや。むしろ、すごく心にしみるよ。)CHUCK Season5 Episode7 (Chuck Versus the Santa Suit)
I thought it was a good idea. と過去形で言うと、「いいと思ったのだが」と、今は自信が揺らいでいる響きが加わります。続く Dumb, huh? は、自分の選択を先に下げてみせ、相手の反応をうかがう問いです。チャックは No. でそれを打ち消し、actually を添えて「それどころか」と評価をひっくり返しています。touching は「心を打つ、ほろりとさせる」という意味の形容詞です。
ここでモーガンが軽口をはさみ、ケイシーが返します。
Morgan: Like you’re feeling real human emotion.
(まるで人間らしい感情を感じてるみたいじゃん。)Casey: Don’t you ever say that again. And don’t you breathe a word of this to Alex.
(二度とそれを言うな。それから、このことはアレックスに一言も漏らすなよ。)CHUCK Season5 Episode7 (Chuck Versus the Santa Suit)
Don’t you ever 〜 は、命令文に you を入れて禁止を強める形です。breathe a word of A to B は「AのことをBに少しでも話す」という意味で、否定の形で口止めに使われることが多い表現です。モーガンは口外しないと答え、Christmas presents are sacred in the Grimes family.(グライムス家じゃ、クリスマスプレゼントは神聖なんだ)と冗談まじりに請け合います。
埋め合わせきれない思いを認めて手渡す英語
場面は変わり、ケイシーがアレックスに語りかけます。録音を残していたと打ち明けたうえで、ケイシーはこう続けます。
Casey: It’s just that… it’s probably better I tell you in person. I love you.
(ただ……直接言ったほうがいいと思ってな。愛してる。)Alex: I love you, too, Dad.
(私も愛してる、パパ。)CHUCK Season5 Episode7 (Chuck Versus the Santa Suit)
it’s probably better I tell you in person は、「直接伝えたほうがいい」と前置きして、大事な言葉を切り出す組み立てです。in person は「本人が直接」を表し、録音との対比がはっきりします。続いて、ケイシーは贈り物を差し出します。
Casey: I know it’s a… just a little bear. It’s not going to make up for all the lost holidays, but…
(わかってる、これは……ただの小さなクマだ。一緒に過ごせなかった祝日の埋め合わせにはならないが……)Alex: No, it’s… it’s perfect.
(ううん、これ……完璧よ。)CHUCK Season5 Episode7 (Chuck Versus the Santa Suit)
just a little 〜 は、贈り物を控えめに差し出すときの言い方です。make up for は「埋め合わせる、償う」を表す句動詞で、It’s not going to make up for 〜 と言えば、足りないことを自分から認める形になります。lost holidays は、これまで一緒に過ごせなかった祝日をひとまとめに指しています。
ケイシーは but… で言葉を止めます。アレックスの返事は No, から始まり、父の控えめな言葉を打ち消して受け取っています。前半のチャックの返しも No から始まっていた点と重なります。
まとめ|控えめに渡し、打ち消して受け取る英語
Dumb, huh? や just a little で贈り物を控えめに差し出し、make up for で足りなさを認める言い方と、No で始めて受け取る返しを見てきました。渡す側と受け取る側の言葉が、対になって響き合います。
次回も『CHUCK』の会話とともに、英語表現の型を見ていきましょう。
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