海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回取り上げるのは、『CHUCK』シーズン5 第6話のエリーとデヴォン(オーサム)の会話です。娘のクララをデヴォンの両親に預けて久しぶりに二人で出かけた夜、二人は冗談半分に「スパイのふり」を始め、やがて本当に事件へ巻き込まれていきます。
スパイ気分を持ちかける誘い方から、「本物のスパイだ」と言い合う掛け合い、最後に自分たちを打ち消す一言まで、四つの場面を順に見ていきます。
「今夜だけスパイのふりを」と持ちかける
レストランの席で、エリーはサラから借りたドレスが任務で着られたものだと話します。それを受けて、デヴォンが尋ねます。
Devon: You ever wonder what it would be like if we lived a life of mystery and adventure like that?
(俺たちがあんなふうに謎と冒険に満ちた暮らしをしてたらどんな感じだろうって、考えたことない?)CHUCK Season5 Episode6 (Chuck Versus the Curse)
文頭の Do が省かれた You ever wonder 〜? は、くだけた会話でよく聞く問いかけです。what it would be like if 〜 と仮定法を続けると、「もし〜だったらどんな感じだろう」と空想を相手に持ちかける形になります。
エリーが「チャックとサラみたいに?」と聞き返すと、デヴォンは「スパイみたいに」と言い直します。そこでエリーが提案します。
Ellie: Well, you know, spy work does run in our family. There’s no reason why you and I can’t pretend to be spies for tonight.
(まあ、ほら、スパイの仕事は実際うちの家系に流れてるのよ。今夜だけ、あなたと私がスパイのふりをしちゃいけない理由なんてないわ。)CHUCK Season5 Episode6 (Chuck Versus the Curse)
does run の does は動詞を強める働きで、run in the family は「家系に受け継がれている」という意味です。続く There’s no reason why 〜 can’t … は「〜できない理由はない」という否定を重ねた形で、遠回しに「やってみよう」と誘う言い方になります。for tonight を添えると、今夜限りの遊びだという線引きも伝わります。
「本物のスパイ」から「まったく向いてない」、そして一夜の振り返りへ
このあと二人は、チャックとサラに取り違えられてしまいます。連れて行かれた先で、エリーとデヴォンはチャックを助ける段取りを決め、こう言い合います。
Ellie: We can do this, honey. Like real spies.
(私たちならできるわ、ハニー。本物のスパイみたいに。)Devon: Babe, right now we are real spies.
(ベイブ、今の俺たちは本物のスパイだよ。)CHUCK Season5 Episode6 (Chuck Versus the Curse)
エリーの Like real spies. を、デヴォンは right now we are real spies と「今は本物だ」に一段上げて返します。この回では、エリーは honey、デヴォンはおおむね babe と呼びかけています。どちらも親しい相手に使われる語です。
騒ぎが収まり、身を隠していた二人が出てくると、エリーはデヴォンに「愛してる」と二度伝えてから、こう続けます。
Ellie: We are so not meant to be spies.
(私たち、スパイにはまったく向いてないわ。)CHUCK Season5 Episode6 (Chuck Versus the Curse)
so not は、not の前に so を置いて打ち消しを強める、くだけた話し言葉の言い方です。be meant to be 〜 は「〜になるべくしてなる」「〜に向いている」という意味で、否定と組み合わさると「とても向いていない」と言い切る一文が生まれます。
事件が片づいたあと、二人はこの夜を振り返ります。
Ellie: I know that I am supposed to be tired and a little freaked out, but last night was…
(本当なら疲れて、ちょっとびくびくしてるはずなのはわかってる。でも、ゆうべは……)Devon: Kind of incredible.
(なんだか最高だった。)CHUCK Season5 Episode6 (Chuck Versus the Curse)
be supposed to は「本来なら〜のはず」と、期待される感じ方を前置きする表現です。エリーが言いかけた言葉をデヴォンが Kind of incredible. と引き取り、kind of で少し控えめにしながら本音を完成させます。
まとめ|スパイごっこの夜をたどる英語
There’s no reason why 〜 can’t で誘い、right now で掛け合いを一段上げ、so not で言い切ったあと、be supposed to を前置きに本音を語り合う流れを見てきました。
次回も『CHUCK』の会話とともに、英語表現の型を見ていきましょう。
同じエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。
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