海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン6第12話では、ある仮の質問でフィービーがモニカではなくレイチェルを選んだことをきっかけに、三人の性格を言い表す言葉が次々に出てきます。押しに弱いと言われたレイチェルは、何とかそれを否定しようとします。
性格を一言で決めつけられたとき、英語ではどう問い返し、どう言い返すのか。pushover を中心に、ほめ言葉にも決めつけにもなる表現を順に見ていきます。
「walk all over」と「pushover」押しに弱いと言われて問い返す
フィービーとレイチェルの部屋にモニカが来て、なぜレイチェルを選んだのかとフィービーに尋ねます。フィービーはモニカの性格を理由に挙げたあと、否定されて言い直します。
Phoebe: No, you’re right– you’re easygoing. You’re just not as easygoing as Rachel. You know, she’s just more… flexible and-and mellow, that’s all.
(ううん、あなたの言う通り。のんびりしてるよ。ただ、レイチェルほどじゃないってだけ。ほら、レイチェルの方がもっと、柔軟で、おおらかなの。それだけ。)
Friends Season6 Episode12(The One with the Joke)
easygoing は「のんびりして細かいことを気にしない」というほめ言葉です。not as ~ as … は「…ほど〜ではない」という比較で、相手を認めながら差をつける言い方になっています。flexible and mellow も「柔軟で、おおらか」と、合わせてくれる性格をよい意味で表す語です。
ところが、フィービーが続けて言った説明で、話の向きが変わります。
Phoebe: She’ll do whatever you want, you know? You can just walk all over her.
(レイチェルは何でも言うこと聞いてくれるじゃない?好きなように振り回せるの。)
Rachel: What? Wait a minute. What, are you saying I’m a pushover? I’m not a pushover.
(え?ちょっと待って。何、私が押しに弱いって言いたいの?そんなことない。)
Phoebe: Oh, okay. You’re not a pushover.
(あ、そう。押しに弱くないね。)
Friends Season6 Episode12(The One with the Joke)
walk all over ~ は文字どおりには「〜の上を踏んで歩く」で、そこから「人を言いなりにする、いいように扱う」という意味で使われます。同じ性格でも、easygoing と言えばほめ言葉、walk all over と言えば決めつけに聞こえます。
レイチェルの Are you saying ~? は「〜って言いたいの?」と、相手の発言の意味を確かめて問い返す形です。pushover は「押せば倒れる人」から転じて「頼まれると断れない人、押しに弱い人」を指します。フィービーの Oh, okay. は、言い争わずに受け流す返事です。
「okay with being flaky」言い返されても動じない相手
レイチェルは続けて、言葉ではなく態度で示そうとします。
Rachel: Oh, my… you think I’m a pushover. Well, watch this. You know what? You’re not invited to lunch.
(もう……私が押しに弱いと思ってるのね。じゃあ、見てて。いい?あなたはランチに誘わない。)
Friends Season6 Episode12(The One with the Joke)
Well, watch this. は「じゃあ、見てて」と、言葉ではなく行動で示すと宣言する一言です。続く You know what? は「いい?」と、これから言うことに相手の注意を向けさせる前置きです。そのうえで You’re not invited to ~ と、誘わないことを告げています。レイチェル自身はこれを pretty strong だと言いますが、その程度の仕返しを強い態度と呼ぶところが笑いになっています。
場面が再びフィービーとレイチェルの部屋に移り、モニカが、自分たち二人にも当てはまる部分が少しはあるかもしれないと認めたうえで、フィービーは flaky だと言い返します。flaky は「気まぐれで当てにならない」という意味です。
Phoebe: That’s true. I am flaky.
(その通り。私は気まぐれだよ。)
Rachel: So, what? You’re just, uh, you’re just okay with being flaky?
(それで、何?あなた、その、気まぐれでも平気なの?)
Phoebe: Yeah, totally.
(うん、全然平気。)
Friends Season6 Episode12(The One with the Joke)
be okay with being ~ は「〜であることを気にしない、受け入れている」という言い方です。言い返したつもりが、totally とあっさり認められます。このあと二人も、自分の性格を受け入れると言い出しますが、すぐに否定し直します。フィービーは I’m flaky. I’ll say anything. と返し、自分の発言そのものを当てにならないものにしてしまいます。
「Now who’s a pushover?」行動で示したあとの決め台詞
場面はカフェのセントラルパークに移ります。ジョーイがガンターに仕事を辞めさせられたと聞いたレイチェルは、言うべきか迷ったすえに、ガンターにジョーイを戻すよう求めます。ガンターはすぐに受け入れます。
Rachel: That’s right he can have his… job back. Glad we got that all straightened out. There you go, Joey. You got your job back.
(そうよ、仕事に……戻っていいのよ。話がちゃんとついてよかった。ほら、ジョーイ。仕事が戻ったよ。)
Joey: That’s great. Thanks, Rach.
(やったぜ。ありがとな、レイチェル。)
Rachel: Yeah, pretty nice, huh? Now who’s a pushover?
(でしょ、なかなかやるでしょ?これでも誰が押しに弱いって?)
Phoebe: Rach, you’re in my seat.
(レイチ、そこ私の席。)
Rachel: I’m sorry.
(ごめん。)
Friends Season6 Episode12(The One with the Joke)
get ~ straightened out は「〜をきちんと片づける、話をつける」という意味で、Glad we got that all straightened out. は話がまとまったと締める言い方です。There you go は「ほら、これで」と、相手に結果を差し出すときに使われることの多い言い回しで、ここではジョーイに仕事が戻ったことを告げています。
Now who’s a pushover? は「これでも誰が押しに弱いって?」と、答えを求めない問いで言い返す決め台詞です。Now を付けることで「今のを見たあとで」という含みが加わります。ところが、直後にフィービーから You’re in my seat. と言われると、レイチェルは I’m sorry. と答えます。言い返すのではなく謝ってしまう返事で、場面が締めくくられます。
まとめ|押しに弱いと言われたときの英語
pushover と walk all over で押しの弱さを指し、Are you saying ~? で問い返し、Now who’s a pushover? で行動のあとに言い返す流れを見てきました。同じ性格でも、easygoing と言うか pushover と言うかで印象が変わることが分かります。
三人の言い合いと、最後のレイチェルの返事に注目して観ると、性格を表す英語が場面ごとに見えてきます。
この回のほかの場面を扱ったコラムやフレーズ記事も、同じエピソードのページからたどれます。


コメント