海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン6第12話では、仕事がなく支払いにも困っていたジョーイが、仲間の集まるカフェのセントラルパークで働き始めます。ところが、仲間にはそのことを言い出さず、知られたあとも友達に給仕することに戸惑います。
知り合いの前で働く気まずさは、英語ではどう伝えるのでしょうか。働いていることを打ち明ける言い方から、経験者の心得、仕事を代わってほしいと頼む言い方までを順に見ていきます。
「Do you work here?」働いていると言い出せないとき
勘定を払えないジョーイに、ガンターはここで働いてはどうかと持ちかけます。ジョーイは迷ったすえに、ウェイターになることを考え始めます。
場面が変わり、ジョーイはロスたちに飲み物はいらないかと聞いて回り、カウンターの奥へ入っていきます。止めようとしたレイチェルに大丈夫だと返したあと、ガンターとこんなやり取りになります。
Gunther: Don’t wink at me. And put on your apron.
(ウインクするな。それとエプロンを着けろ。)
Joey: Okay. I don’t see you asking any other paying customers to put on aprons.
(わかったよ。でも、ほかのお客にはエプロンを着けろなんて言ってないじゃないか。)
Monica: Joey… do you work here?
(ジョーイ……ここで働いてるの?)
Joey: No.
(いや。)
Friends Season6 Episode12(The One with the Joke)
ガンターの put on ~ は「〜を身に着ける」で、店員としての指示です。ジョーイの I don’t see you asking any other ~ to … は「ほかの〜に…しろと言っているのは見たことがない」という形で、自分も客の一人だと取り繕う冗談になっています。paying customers は「お金を払っている客」で、店員ではないと言い張るための言葉選びです。
モニカの Do you work here? は、相手の立場を確かめる短い質問です。ジョーイは No. と答えますが、その直後に客から呼ばれて返事をしてしまいます。否定の一言で済ませようとした直後に、隠しきれなくなる流れです。
「It’s kind of embarrassing」気まずさを打ち明ける英語
なぜ言わなかったのかとモニカに聞かれ、ジョーイは理由を話します。
Joey: Well… it’s kind of embarrassing, you know? I mean, I was an actor; now I’m a waiter. It’s supposed to go in the other direction.
(まあ……ちょっと恥ずかしいんだよ。だって、俺は役者だったのに、今はウェイターだろ。普通は逆の方向に進むもんなんだ。)
Friends Season6 Episode12(The One with the Joke)
kind of は「ちょっと、なんとなく」と言い方を和らげる口語表現です。It’s kind of embarrassing. で、恥ずかしさを大げさにせずに打ち明けられます。I mean, は直前の言葉を言い換えて説明を足す前置きで、ここでは「役者だったのに今はウェイター」という具体的な理由につないでいます。
be supposed to ~ は「本来〜するはずだ」という意味です。go in the other direction は「逆の方向に進む」で、自分の仕事が思っていた順番と反対に進んでいると伝えています。ジョーイは仕事は楽でお金もいいと認めたうえで、こう続けます。
Joey: I just feel kind of weird serving you guys, you know?
(ただ、お前らに給仕するのがなんか変な感じなんだよ。)
Friends Season6 Episode12(The One with the Joke)
feel weird ~ing は「〜するのが変な感じがする」と、はっきりした理由がない違和感を伝える形です。serve は「給仕する、料理や飲み物を出す」という意味で、serving you guys の you guys は「お前ら」と仲間全体を指しています。ここでも kind of と you know? が加わり、責める調子ではなく、気持ちを打ち明ける口調になっています。
「pass on my wisdom」と「cover for me」経験者の心得と仕事の頼み方
ジョーイが働くと知ったレイチェルは、以前この店で働いていた経験から心得を伝えます。
Rachel: Well, you know, this is great– finally, I have someone I can pass on my wisdom to. Let me tell you about a couple things I learned while working at the coffee house. Um, first of all, the customer is always right;
(ねえ、これってすごくいい。やっと私の知恵を伝えられる相手ができた。このお店で働いてたときに学んだことをいくつか教えてあげる。えっと、まず、お客さんはいつも正しい。)
Friends Season6 Episode12(The One with the Joke)
pass on ~ to … は「〜を…に伝える、受け継がせる」という意味です。Let me tell you about ~ は「〜について話させて」と、話を始める前置きとして使われることの多い言い方です。The customer is always right. は接客の心構えとして知られる言い回しで、レイチェルはこれを最初の心得として挙げています。
別の場面で、オーディションが入ったジョーイはガンターに頼みます。
Joey: Hey, Gunther, can you cover for me? I just got an audition.
(なあ、ガンター、代わりに入ってくれないか?オーディションが入ったんだ。)
Friends Season6 Episode12(The One with the Joke)
cover for ~ は「〜の代わりに仕事を引き受ける」という意味で、シフトを代わってほしいときに使えます。I just got ~ で、急に予定が入ったという事情を添えています。ガンターは用事があると言って断り、出かける前に店をジョーイに任せます。ジョーイは店内の客に Everybody, listen up. と呼びかけ、店を1時間ほど閉めると告げます。listen up は「よく聞いて」と、大勢の注意を集めるときの呼びかけです。
まとめ|知り合いの前で働くときの英語
Do you work here? と聞かれたときの返事から、It’s kind of embarrassing. と I feel kind of weird ~ing で気まずさを打ち明ける言い方、Can you cover for me? で仕事を頼む言い方までを見てきました。kind of を添えると、気持ちを和らげて伝えられます。
ジョーイの新しい仕事の場面を観ながら、仲間同士の会話に耳を傾けると、この回の見え方が広がります。
この回の別の切り口は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事で扱っています。


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