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『モダンファミリー』シーズン9第15話では、新しい仕事を得たミッチェルが、キャメロンと一緒に久しぶりに友人たちを招いてパーティーを開きます。ミッチェルが気にしているのは、友人たちが見せる表情の中に混じる本音です。
「ほとんどは同情、でも少しだけ別の気持ち」という感情の配合を、英語は短い言葉で言い分けます。ミッチェルの言葉を手がかりに、その言い方を見ていきます。
「kind of a big deal」と「It is a big deal」
ミッチェルは新しい仕事について、まず控えめにこう切り出します。それをキャメロンがすぐに言い直します。
Mitchell: It’s kind of a big deal.
(けっこうすごいことなんだ。)Cameron: It is a big deal.
(すごいことだよ。)Cameron: Now, admittedly, throwing a party to celebrate your own reversal of fortune could be seen as braggy.
(まあ正直、自分たちの運の好転を祝うパーティーなんて、自慢っぽく見えるかもしれないけどね。)Modern Family Season9 Episode15 (Spanks for the Memories)
a big deal は「大したこと、重大なこと」です。前に kind of を付けると「まあ、ちょっとした大ごとかな」と、自分の話を控えめに差し出す響きが加わります。キャメロンは kind of を外し、It’s を It is に変えて言い切ります。控えめな言い方を、相手が言い直して後押しする形です。なお、否定の It’s no big deal. は「大したことないよ」で、お礼や謝罪を軽く受け流すときの決まり文句として使われます。
reversal of fortune は「運命の逆転」で、悪い流れから良い流れへの好転を指す、少し改まった響きのある語句です。braggy は brag(自慢する)から来た口語の形容詞で、「自慢げな、鼻にかけたような」という意味を表します。I don’t want to sound braggy, but…(自慢っぽく聞こえたくないんだけど…)のように、自分の良い知らせを話す前置きにも使えます。
キャメロンは良い知らせの大きさを認めたうえで、それを祝うパーティーが周りにどう見えるかにも触れています。うれしい話を人に伝えるときの、ためらいと誇らしさが同時に表れている場面です。
「a touch of」と「a hint of」で気持ちの配合を言う
ミッチェルは、自分が苦しいと話していたころの友人たちの顔つきを、こう振り返ります。
Mitchell: Then again, for a while now, when I’ve been telling my friends that I was struggling, they’d give me “that look” the one that’s mostly sympathetic with just a touch of enjoying my pain.
(でも、これまでしばらく、僕が友達に苦しいって話すと、みんな「あの顔」をしてたんだ。ほとんどは同情なんだけど、ほんの少しだけ僕の苦しみを楽しんでる顔。)Modern Family Season9 Episode15 (Spanks for the Memories)
ミッチェルは続けて、今日は反対の顔が見られるはずだと話します。「よかったね」が大半で、そこに嫉妬がほんの少し混じった顔です。そこで使われるのが a hint of です。パーティーの場面にも、友人たちの表情をこう言い表す一言があります。
— Pure love and support with just a hint of rancid envy.
(純粋な愛と応援に、ほんのわずかな腐った嫉妬が混じってる。)Modern Family Season9 Episode15 (Spanks for the Memories)
どちらも「ほんの少しの〜」を表しますが、語感には違いがあると説明されることが多い組み合わせです。
| 表現 | 中心になる感じ | 例 |
|---|---|---|
| a touch of ~ | 少量が加わっている | a touch of salt(塩少々) |
| a hint of ~ | かすかに感じ取れる気配 | a hint of lemon(ほのかなレモンの香り) |
mostly A with just a touch of B の形は、「大部分はAで、Bがひとさじ」という気持ちの配合をそのまま言葉にできます。a hint of は「隠しているつもりでも、ふとにじみ出る」という見え方に向いています。ミッチェルの言葉は、同情や祝福の裏にある本音を、料理の味つけのように量で言い表しているのが特徴です。
日常会話では There was a hint of sarcasm in her voice.(彼女の声には少し皮肉がこもっていた。)や He added a touch of humor to his speech.(彼はスピーチにちょっとしたユーモアを添えた。)のように、声や話しぶりに混じる感情を描写するときにも使えます。混じっている側の気持ちを後ろに置くことで、表向きの感情と本音を一文の中で並べられます。
「couldn’t have been more wrong」で思い違いを認める
パーティーの途中、新しい雇い主の横領が発覚し、ミッチェルの仕事はなくなります。そのことが友人たちに伝わったあと、ミッチェルはこう振り返ります。
Mitchell: So I couldn’t have been more wrong about our friends.
(友達のことを、これ以上ないくらい見誤ってたよ。)Modern Family Season9 Episode15 (Spanks for the Memories)
couldn’t have been more wrong は直訳すると「これ以上間違えることはできなかった」で、「完全に見当違いだった」と自分の判断の誤りをはっきり認める言い方です。反対に I couldn’t have been happier.(これ以上ないくらい幸せだった。)のように、比較級と組み合わせて「最高に〜」を表す形としても使われます。ここでは about our friends が続くことで、「友人たちについての見方」が間違っていたと、誤りの対象を絞っています。
キャメロンからは、こんな言葉が返ってきます。
Cameron: You know, you should take a look at your life and see what happened to make you so untrusting.
(ねえ、自分の人生を振り返って、何があってそんなに人を信じられなくなったのか考えてみたほうがいいよ。)Mitchell: I should.
(そうするよ。)Mitchell: And to think we we locked them in that bathroom for no reason.
(それに、何の理由もなく、みんなをあのバスルームに閉じ込めちゃったなんて。)Modern Family Season9 Episode15 (Spanks for the Memories)
untrusting は「人を信用しない、疑い深い」という形容詞です。And to think ~ は「〜だなんて」と、振り返って驚いたり悔やんだりするときの言い出しになります。友人の顔に本音を探していたミッチェルが、最後は自分の疑い深さのほうに目を向ける流れが読み取れます。
まとめ|表情に混じる本音を言葉にする
kind of a big deal と It is a big deal、a touch of と a hint of、そして couldn’t have been more wrong。良い知らせを伝える場面から、気持ちの配合や思い違いを言い表す英語が見えてきます。
『モダンファミリー』の登場人物たちの細かな表情を観ながら、こうした言い回しを拾っていくと、会話の温度を英語でつかみやすくなります。
雑誌の候補リストをめぐるクレアの話や、大きなチャンスを前にしたアレックスの迷いは、同じ回のほかのコラムで扱っています。


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