海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン9エピソード7には、電話の向こうで自分の机を使っている相手に、ちょっとした注意をする場面があります。今回は「机から足を下ろしてくれる?」「それに触らないで」と伝えるやり取りを手がかりに、角を立てずに注意する英語を読み解きます。
家族や同僚に自分の物を使われたとき、強く言いすぎると気まずくなり、黙っていると気になり続けます。相手を責めすぎない言い方を知っておくと、軽い注意をさらりと伝えられるようになります。
使ってよいものを先に伝える「Go to my computer.」
この場面の前に、調べものを頼む電話で、使ってほしいものをはっきり伝える声があります。
— Okay, that’s better now, so listen to me.
(よし、それでいい。じゃあ、聞いてくれ。)— I need you to run a check on an Inspector Comissario Raphael Valenza.
(ラファエル・ヴァレンザという警部のことを調べてほしい。)— Go to my computer.
(俺のパソコンを使ってくれ。)BONES Season9 Episode7 (The Nazi on the Honeymoon)
listen to me は「ちょっと聞いて」と本題に入る合図で、run a check on 〜 は「〜について照会する・調べる」という意味です。Go to my computer. は直訳すると「私のパソコンのところへ行って」ですが、ここでは「私のパソコンを使っていい」という許可も兼ねています。
使ってよいものを先に伝えておくと、相手もどこまで使ってよいかが分かります。Feel free to use my laptop.(私のノートパソコン、自由に使っていいよ)や、You can use my desk, but please don’t move anything.(机は使っていいけど、物は動かさないでね)のように、許可と線引きを一緒に伝える言い方もあります。
「Will you ~?」でやわらげる注意
その後の別の通話では、電話に出るなり、こんな言葉が飛び出します。
— Will you get your feet off my desk?
(俺の机から足を下ろしてくれるか?)— How did you know that?
(なんでわかったの?)— You had the forward-facing camera on.
(前のカメラがオンになってた。)— I saw your feet.
(足が見えたんだよ。)— Oh.
(あっ。)BONES Season9 Episode7 (The Nazi on the Honeymoon)
Will you ~? は「〜してくれる?」という依頼の形です。Get your feet off my desk! と命令形で言うよりも、問いかけの形にすることで少しやわらかくなります。ただし口調しだいでは「〜してくれないかな」と、あきれた響きにもなる言い方とされています。get A off B は「AをBからどける」という組み合わせです。
注意されて驚く相手に、I saw your feet. と見えた理由をさらりと添えているのが印象的です。注意には根拠をひと言つけると、責める調子になりにくくなります。
| 表現 | 響き |
|---|---|
| Hands off! | 触るな!(強い) |
| Don’t touch that. | それに触らないで(はっきり) |
| Will you get ~ off ~? | 〜をどけてくれる?(依頼の形) |
| Could you not ~? | 〜しないでもらえる?(ていねい) |
| Do you mind not ~? | 〜しないでもらってもいい?(遠回し) |
話の最後に付け足す「And don’t touch my ~.」
通話の終わりには、報告を受けての返事のあとに、もうひとつ注意が付け足されます。
— Look, look, unless you have something solid on this guy, all right, I’m gonna give him the benefit of the doubt, you know?
(いいか、その男について確かな何かがない限り、俺は信じることにするよ。)— And don’t touch my bobblehead.
(それと、俺の首振り人形に触るなよ。)— I didn’t.
(触ってないよ。)— Well, it was bouncing.
(でも、揺れてたぞ。)BONES Season9 Episode7 (The Nazi on the Honeymoon)
give someone the benefit of the doubt は「確かな証拠がないうちは、その人を信じる」という意味です。本題を締めたあとに And don’t touch my ~. と付け足すことで、注意が重くなりすぎず、別れ際のひと言のような軽さになっています。bobblehead は首が揺れる人形のことです。
I didn’t.(触ってない)と否定されたときに、Well, it was bouncing. と目に見えた事実だけを返すのが面白いところです。Well, で始めると「でもね」と、やんわり反論する響きになります。強く言い返さずに事実を示すと、冗談まじりのやり取りで収まることが分かります。
まとめ|注意は「依頼の形」と「ひと言の根拠」で
今回は、使ってよいものを伝える Go to my computer.、依頼の形でやわらげる Will you get your feet off my desk?、話の最後に付け足す And don’t touch my ~.、事実だけを返す Well, it was bouncing. を読み解きました。注意の言い方を少し変えるだけで、相手との空気が変わることが見えてきます。
電話越しの短いやり取りに注目しながら観ると、この回の会話がまた違って聞こえてきます。
同じエピソードの、assist と consult の違いや、経験者の助言を扱ったコラムもあわせて読むと、仕事の場面の英語がより立体的に見えてきます。


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