アメリカの「壊したら買い取り」の考え方の文化と英語|『BONES』S10E15で学ぶ英会話

『BONES』コラム: アメリカの「壊したら買い取り」の考え方の文化と英語|『BONES』S10E15で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『BONES』シーズン10エピソード15では、職場で割れたビーカーのことが何度も話題になります。その中で、アメリカの店先でよく知られた決まり文句が飛び出します。

雑貨店や陶器の店で「壊したら買い取り」という注意書きを見かけた経験がある人もいるかもしれません。今回は、この決まり文句がアメリカでどう受け止められているのかを、作中の会話を手がかりに見ていきます。

目次

割れたビーカーと「給料から引かれる」という話

作中では、ビーカーの破損がたび重なっていることが職場で話題にのぼります。

— I heard you broke some more beakers,
(ビーカーをさらに割ったそうだね)

BONES Season10 Episode15 (The Eye in the Sky)

この話はさらに広がり、割れた物の数と時期を確かめ合うやり取りになります。

— More beakers?
(ビーカーをまた?)

— You broke some just two weeks ago.
(2週間前にも割ったばかりだよね)

— No, those were flasks.
(いや、あれはフラスコ)

— Didn’t you also break some vials?
(バイアルも割らなかった?)

— Ah, yeah, but that was, like, three weeks ago.
(ああ、うん。でもそれは3週間くらい前の話)

— You are aware that all of this comes out of your paycheck, right?
(これ全部、給料から差し引かれているのは分かっている?)

— Uh, no, I was not aware.
(え、いや、知らなかった)

BONES Season10 Episode15 (The Eye in the Sky)

ビーカー、フラスコ、バイアルと、実験用のガラス器具の名前が並ぶのが研究所を舞台にした作品らしいところです。come out of one’s paycheck は「給料から出る」、つまり費用を本人が負担するという意味の言い方です。職場の備品の扱いは職場ごとに違うため、ここは劇中ではこう描かれている、という受け止め方でよい部分です。

店の決まり文句「壊したら、もう買ったのと同じ」

このやり取りのあと、次の言葉が添えられます。

— Yeah, you break it, you bought it.
(そう、壊したら、それはもう買ったのと同じ)

BONES Season10 Episode15 (The Eye in the Sky)

もとになっているのは、店頭の注意書きとして知られる You break it, you buy it.(壊したら買い取ってもらいます)という決まり文句です。作中の形は後半が過去形の bought で、「壊した時点で、もう買ったことになっている」という言い回しになっています。この過去形の形も、昔から使われてきたとされています。

この言い回しは、1940年代の新聞コラムで、ニューヨークの雑貨店の掲示として紹介された例が残っているとされています。のちにインテリア雑貨店の名前をとって Pottery Barn rule とも呼ばれるようになりましたが、当の店側は、実際には破損を店の損失として処理していると説明したとされています。

では、看板があれば必ず代金を払う必要があるのかというと、そうとは限らないとされています。壊れたときの状況や州の法律によって扱いが変わるという説明が一般的です。決まり文句は、「店の品物は丁寧に扱ってください」という注意の言い方として受け止められていると言えます。

また、you break it, you own it という形で、「自分が引き起こした事態には最後まで責任を持つ」という比喩として使われることもあります。

割れないビーカーという発想

割れた器具の話は、別の方向へも進みます。

— You should totally invent an unbreakable beaker.
(いっそ割れないビーカーを発明したら)

Cam: But they already have plastic beakers.
(ですが、プラスチックのビーカーならすでにあります)

— But glass is easier to sterilize.
(でも、ガラスのほうが消毒しやすい)

— Have some vision, Dr. Saroyan.
(もっと先を見てください、サローヤン先生)

BONES Season10 Episode15 (The Eye in the Sky)

Dr. Saroyan は、研究所の責任者カムのことです。unbreakable は「壊れない・割れない」という形容詞で、un(否定)+ break(壊す)+ able(〜できる)の組み合わせです。

その後、お披露目の場面ではこんな言葉も出てきます。

— No more broken beakers. No more broken glass.
(ビーカーが割れることも、ガラスが割れることも、もうない)

— No more broken anything.
(もう何ひとつ割れない)

BONES Season10 Episode15 (The Eye in the Sky)

No more ~ は「もう〜はない」と、終わりを宣言する言い方です。壊したら払う、という決まりから、そもそも壊れない物を作るという発想へ話が進んでいくのが面白いところです。

まとめ|決まり文句の中にある「丁寧に扱って」

店の決まり文句は、ニューヨークの雑貨店の掲示にまでさかのぼるとされ、法的な義務というより「品物は丁寧に」という注意として受け止められています。作中の bought の形や、責任を表す own の形とあわせて覚えると、使われる場面が見えてきます。

割れたガラスをめぐる会話を、『BONES』の研究所の空気とあわせて楽しんでいきましょう。

このエピソードの英語は、ほかのコラムやフレーズ記事からもたどれます。

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