海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン11エピソード8には、FBIの捜査官オーブリーへの取材が行われる場面があります。今回はこのやり取りを手がかりに、ニュースや映画でもよく耳にする on the record と off the record の違いと、取材の場で使われる言い回しを読み解きます。
「オフレコ」は日本語にもなっている言葉ですが、英語ではどんな形で使われ、反対の on the record は何を表すのでしょうか。2つを並べてみると、話す前に発言の扱いを確かめ合う英語の仕組みが見えてきます。
「on the record」は名前つきで記事にしてよい発言
on the record は、話した内容を発言者の名前とともに記事にしたり、記録に残したりしてよい状態を指すとされています。作中の取材は、次の宣言から始まります。
— I’m interviewing Special Agent James Aubrey of the FBI on the record.
(FBIのジェームズ・オーブリー特別捜査官に、記録に残す形でお話をうかがいます。)BONES Season11 Episode8 (High Treason in the Holiday Season)
文末の on the record で、「ここからの答えはそのまま記事に使う」という前提を最初に共有しているのが分かります。続くやり取りでは、問いに短い答えが返り、からかうような言葉が添えられます。
— And it’s gonna help you close in on your suspects?
(それで、容疑者を絞り込めそうなんですか?)
— That it will.
(そうなるでしょう。)
— You’re so quotable.
(本当に、記事に引用しやすい言葉ばかりですね。)BONES Season11 Episode8 (High Treason in the Holiday Season)
That it will. は、問いの要点を that で受けて「その通りになる」と短く認める言い方です。quotable(引用に値する)は、ここでは短すぎる答えをあえて持ち上げる、ひねった言い方です。
答えにくい問いに対しては、次の定型の返事も出てきます。
— I cannot confirm that at this time.
(現時点では、それは確認できません。)BONES Season11 Episode8 (High Treason in the Holiday Season)
肯定も否定もせずに答えを控える、公式な場の言い方です。似た表現と並べると次のようになります。
| 表現 | ニュアンス |
|---|---|
| No comment. | コメントしない。短く突き放した印象 |
| I can’t comment on that. | その件には答えられない。少しやわらかい |
| I cannot confirm that at this time. | 現時点では確認できない。今後の可能性を残す |
「off the record」は記事にしない前提の話
off the record は、その発言を記事にしない、あるいは発言者の名前を出さない前提で話すことを指します。名前を伏せて内容だけを使う on background と区別されることもあり、線引きは報道機関によって違うとされています。
作中では、持ちつ持たれつの提案から話が動き出します。
— But, listen, I was thinking, you and I are both young.
(でも、考えていたんです。お互い、まだ若いでしょう。)
— Moving up the ladder. Maybe, I help you, you help me.
(これから上を目指す身です。こちらが手を貸すから、そちらも手を貸す、というのはどうでしょう。)
— Okay. What do you want to know?
(いいでしょう。何が知りたいんです?)BONES Season11 Episode8 (High Treason in the Holiday Season)
I help you, you help me. は、文をつなぐ言葉を省いて並べ、「お互いに助け合おう」と持ちかける口語的な言い方です。その少しあとに、話を始める前の確認として次の言葉が出てきます。
— Off the record? When I first started here, I was in awe.
(ここからはオフレコで、いいですか?ここに来たばかりのころは、ただただ感心するばかりでした。)BONES Season11 Episode8 (High Treason in the Holiday Season)
文頭の Off the record? は、「ここからは記事にしない話として聞いてもらえますか」と前提を確かめる問いかけです。問いかけに続けて、そのまま本題が語られます。日常会話でも、ここだけの話を打ち明ける前置きとして使われることがあるとされています。
「after deadline」締め切りを軸にした言葉
取材にかかわる英語では、締め切りを表す deadline もよく使われます。聞き込みが一段落する場面に、次のやり取りがあります。
— So unless you guys are gonna give me something on the record, is it okay if I go?
(記録に残せる話をいただけないなら、もう失礼してもいいですか?)
— Sure, go ahead. We might have some questions for you later.
(ええ、どうぞ。あとでまたお聞きすることがあるかもしれません。)
— Yeah, after deadline, ask me anything.
(はい。締め切りのあとなら、何でも聞いてください。)BONES Season11 Episode8 (High Treason in the Holiday Season)
something on the record(記録に残せる話)があるかどうかが、話を続けるかの基準になっているのが面白いところです。after deadline は冠詞を付けずに「締め切りが過ぎたら」と言う、くだけた形です。日常では I’m on deadline.(締め切り前で手が離せない)のようにも使えます。
まとめ|発言の扱いを先に確かめる英語
今回は『BONES』シーズン11エピソード8から、名前つきで記事にしてよい on the record、記事にしない前提の off the record、答えを控える I cannot confirm that at this time.、after deadline を読み解きました。どれも発言の扱いを相手と確かめ合うための言葉です。
記者が出てくる場面では、こうした前置きに注目すると会話の駆け引きが見えてきます。次回も『BONES』と一緒に英語を学んでいきましょう。
同じ回の英語は、サプライズを内緒にしておく会話や、感謝祭の食卓の文化を扱ったコラムでも取り上げています。


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