海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン11第4話では、フィルの会社で働き始めたグロリアが仕事に夢中になり、家にいる時間が減っていきます。その間、ジェイはさびしさを抱えることになります。
家族が忙しくなったとき、不満をそのままぶつけるか、ぐっとこらえるかで、使う英語も変わります。短い一言ににじむ気持ちから、家族からの助言の言葉、変化を受け入れる一言までを、3つの場面に沿って見ていきます。
「Again?」の一語ににじむ不満
ジェイがクラブへ出かけようとしているところに、グロリアが姿を見せます。ところが彼女は、すぐに仕事へ戻らなければなりません。
Gloria: I am sorry.
(ごめんなさい。)
Gloria: I’m only here for a few seconds.
(ほんの少ししかいられないの。)
Gloria: I have to go back to work.
(仕事に戻らなきゃ。)
Jay: Again?
(またか?)
Gloria: Jay, I finally found a job that I love.
(ジェイ、やっと大好きな仕事が見つかったのよ。)
Modern Family Season11 Episode4 (Pool Party)
I’m only here for a few seconds. は「ほんの数秒しかいられない」という言い方で、実際の秒数ではなく「ほとんど時間がない」ことを大げさに伝える表現です。I have to go back to work. と続けて、立ち寄っただけだと説明しています。
それに対するジェイの返事は Again? の一語だけです。「また?」という短い問いかけは、同じことが何度も繰り返されているという不満を、長い説明なしに伝えます。語尾を上げるか下げるかで、驚きにも、うんざりした気持ちにも聞こえる便利な一語です。
グロリアは I finally found a job that I love と、仕事を大切に思う理由で応じます。finally は「ようやく」で、長い間探していたものにたどり着いた気持ちを表します。
このあとグロリアは、午後は全部ジェイのために空けると約束します。そこで使われる I’m all yours は「私はすっかりあなたのもの」が直訳で、相手のために時間や注意をすべて向けると伝える言い方です。職場で「今なら手が空いていますよ」と声をかけるときにも使えます。
「even when she’s here, she’s not here」という本音
グロリアが働き詰めのあいだ、ジェイは家のことを引き受けています。それ自体はかまわないとしたうえで、ジェイはこう続けます。
Jay: It’s just, even when she’s here, she’s not here.
(ただな、あいつはいても、ここにいないんだ。)
Modern Family Season11 Episode4 (Pool Party)
even when she’s here, she’s not here は、同じ here を2回使って「体はここにいても、心はここにない」を表す言い方です。日本語の「心ここにあらず」に近く、相手がそばにいても上の空でいるさびしさを伝えます。冒頭の It’s just, は「ただね」と、それまでの話に一つだけ付け加える前置きで、言いにくい本音を切り出すときに使われます。似た言い方に You’re here, but you’re not really here. があり、会話中に上の空の相手へ向けて使われることがあります。
別の場面では、マニーがジェイにはっきり注意します。
Manny: Jay, you’re just gonna make things worse if you act like a child.
(ジェイ、子どもみたいなことをしたら、かえって事態が悪くなるだけだよ。)
Modern Family Season11 Episode4 (Pool Party)
make things worse は「事態を悪化させる」、act like a child は「子どもじみたふるまいをする」という意味です。if 節と組み合わせると、「そんなことをしたら逆効果だ」と相手を止める言い方になります。年下のマニーが、ジェイをたしなめる形になっています。
「Do something sweet」と「It’s fine.」で関係を立て直す
マニーの助言はさらに続きます。母親を push away(遠ざける)のではなく、帰ってきたくなる理由をつくるべきだと伝えたうえで、こう言います。
Manny: Come on.
(ねえ。)
Manny: Do something sweet, and I bet the whole thing turns around.
(何か優しいことをしてあげなよ。そうすれば、きっと全部うまくいくから。)
Modern Family Season11 Episode4 (Pool Party)
Do something sweet の sweet は「甘い」ではなく「優しい、思いやりのある」という意味です。命令文に and を続けると「〜すれば…になる」という形です。I bet は「きっと〜だ」と自信を持って予想する口語で、turn around は「好転する」を表します。
先に出てきた push someone away は「人を突き放す、遠ざける」という句動詞で、冷たい態度で距離を置くことを指します。マニーはその反対の行動として、相手のほうから戻りたくなるような小さな思いやりを勧めています。不満をぶつけるのではなく、行動で関係を変えようという提案です。
その後ジェイは、パンクしたと聞いていたグロリアが、実はフィルの看板を盗む犯人を追っていたと知ります。そしてグロリアがフィルの会社に正式に採用された場面で、こんなやりとりが生まれます。
Gloria: This means that I’m gonna have to work more
(つまり、これからもっと働くことになるから……)
Jay: It’s fine.
(かまわんさ。)
Jay: If Sam can handle change, so can I.
(サムが変化に対応できるなら、俺にだってできる。)
Modern Family Season11 Episode4 (Pool Party)
グロリアの言葉に、ジェイは It’s fine. と応じます。handle change は「変化に対処する、受け入れる」で、so can I は「私もそうできる」と前の文を受けて言う形です。看板の一件のサムを引き合いに出して、自分も変化を受け入れると伝えています。
まとめ|すれ違いを言葉にする英語
Again? の一語ににじむ不満、even when she’s here, she’s not here という本音、make things worse や do something sweet を使った助言、そして It’s fine. so can I で示す受け入れ。家族の生活が変わる場面で使える英語の幅が分かります。
グロリアとジェイ、そしてマニーのやりとりを通して、家族のすれ違いと歩み寄りの英語を追える回です。
同じ回のほかのコラムでは、仕事ぶりの評価の伝え方や、会社の不手際への向き合い方も扱っています。


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