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「念のためはっきり言っておくけど」「誤解のないように言っておくが」——自分のスタンスを明確に伝えたいときの前置きフレーズが、「for the record」です。
『ザ・メンタリスト』シーズン1第1話には、このフレーズが印象的な場面で登場します。
「言った・言わない」を防ぎたいとき、この一言があるだけで伝わり方がぐっと変わります。
実際にそのシーンを見てみよう!
エピソード終盤、ジェーンに犯人として正体を見抜かれたワグナー医師が、自ら動機を語り始める場面です。
手紙で挑発したことを認めながら、ジェーンの家族が殺害されたことに触れ、ワグナーはこう言います。
Wagner:You’re angry about the letter. Yeah, it was a bit mean-spirited. For the record, I’m sorry about your family. I can only imagine your pain.
(ワグナー:手紙のことで腹を立てているんだね。ああ、あれは少し意地悪だった。念のため言っておくが、君の家族のことは気の毒に思っている。その痛みは想像するだけでもつらい。)Wagner:I’m not a wicked man. My conscience is clear.
(ワグナー:私は邪悪な人間じゃない。良心は清らかだ。)Jane:Really?
(ジェーン:本当に?)Wagner:Right now, in Africa, there’s 3000 beautiful children alive today who should be dead, but they aren’t, because of me.
(ワグナー:今この瞬間も、アフリカでは3000人の子供たちが、本来なら死んでいるはずなのに生きている。私のおかげで。)The Mentalist Season1 Episode1(Pilot)
シーン解説と心理考察
「For the record, I’m sorry about your family.」——ワグナーはこの一言を、殺人の動機を語り始める直前に置いています。
「はっきりと明言しておく」という前置きで同情を示すことで、「自分は冷酷な人間ではない」という印象を作ろうとしているわけです。
しかしその直後に「私の良心は清らか」「アフリカの子供たちのために殺した」と語り始める——「for the record」という表現が、ワグナーの自己正当化の構造をよく表しています。
日常では「誤解されたくない」「自分のスタンスをはっきりさせたい」というシンプルな場面で、文頭に置くだけで使えるフレーズです。
「for the record」の意味とニュアンス
for the record
意味:念のため言っておくが、はっきり言っておくが、明確にしておくと
もともとは法廷や議会などで「議事録・公的な記録に残すために発言する」という意味で使われていた表現です。
そこから日常会話にも広がり、「後で誤解や言った言わないのトラブルにならないよう、自分のスタンスをはっきりと明言しておく」という強い前置きとして使われます。
発言の前に置くだけで「これは私の公式な立場です」というニュアンスが自然に伝わります。
【ここがポイント!】
「for the record」を文頭に置くだけで、続く発言が「私の正式な見解・立場」として伝わります。
「これは私がはっきり言っておきたいことです」というサインを、一言で添えられるのがこのフレーズの核心です。
「just for the record」のように「just」を前に添えると、やや柔らかいトーンになり、日常会話でより使いやすい形になります。
対義語の「off the record(オフレコで)」もセットで覚えておくと、どちらの場面でも迷わず使えます。
実際に使ってみよう!
Just for the record, I never agreed to this plan.
(はっきり言っておくけど、私はこの計画に一度も賛成していないからね。)
後で責任を問われないようにするための念押しとして、そのまま使えます。
For the record, I have nothing against her.
(誤解のないように言っておくけど、彼女に対して何の恨みもないよ。)
自分の感情や立場についての誤解を防ぎたいときに使いやすい形です。
For the record, it was his idea, not mine.
(記録のために言っておきますが、それは彼のアイデアであって、私のものではありません。)
会議や仕事の場面で責任の所在を明確にしたいときに使えます。
『ザ・メンタリスト』流・覚え方のコツ
目の前の会話のすぐ横で、タイピストが「カタカタ」と打ち込み、あなたの発言を公式な文書として永久に残している様子をイメージしてみてください。
「証拠として残しておく」という感覚がそのままフレーズの意味につながります。
ワグナーが「For the record, I’m sorry about your family.」と言い始めた場面を思い出すと、「これから重要なことを言うぞ」というサインとしての使い方が記憶に残ります。
似た表現・関連表現
just so you know
(一応言っておくけど、参考までに)
「for the record」よりカジュアルで、日常的な情報共有でよく使われます。「for the record」ほど「公式に明言する」という強さはありません。
let me be clear
(はっきりさせておきますが)
相手に誤解させないよう、強い意志や警告を伴う表現です。「for the record」より直接的で、少し強めのトーンになります。
off the record
(オフレコで、非公式に)
「for the record」の対義語です。「記録から外して」という意味で、ここだけの話として伝えたいときに使います。
深掘り知識:法廷から生まれた表現と、日常での感情的な使われ方
「for the record」はもともと法廷や議会の場で生まれた表現です。
証人や議員が「公式な記録に残る形で」発言するとき、「for the record」と前置きすることで「この発言は正式なものです」と示していました。
日常会話に転用されて以来、このフレーズはさまざまな感情と結びついて使われます。
自己保身の場面——「For the record, I warned him about this.(念のため言っておくが、私は彼にこれについて警告していた)」は、後で責任を問われないための念押しです。
弁明の場面——「For the record, I have no intention of quitting.(はっきり言っておくが、辞めるつもりはない)」は、誤解を正したいときの表明です。
強い主張の場面——「For the record, this was completely avoidable.(明言しておくが、これは完全に避けられた事態だ)」は、自分の意見を記録に残す感覚で言い切る使い方です。
「法廷で証言する」という起源のイメージを頭の片隅に置いておくと、このフレーズが持つ「公式に・はっきりと」というニュアンスが自然と理解できます。
まとめ|自分のスタンスをはっきり伝えたいときの、頼れる一言
「for the record」は、誤解を防いで自分の立場を明確にしたいときに使える前置きフレーズです。
文の頭に置くだけで「これは私の公式な見解です」というニュアンスが自然に伝わります。
対義語の「off the record」とセットで覚えておくと、どちらの場面でもすぐに対応できます。
「念のため言っておきたいことがある」というとき、このフレーズを文頭に置くだけで、英語での発言に説得力と明確さが加わります。

