「go through with it」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S01E08で学ぶ英会話

「go through with it」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

迷っていた予定や約束を、いよいよ「もう後戻りせずにやってしまおう」と腹をくくった経験はありませんか。手術、引っ越し、転職など、決めるまでは揺れていたことに踏み切る瞬間は、誰にでもあるはずです。

そんなときにぴったりの「go through with it」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン1第8話の前半、両親からお見合い結婚を持ちかけられて取り乱すラージに、シェルドンが思いがけない助言をするシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「go through with it」の意味とニュアンス

go through with it
意味:(迷っていたことを)思い切って最後までやり通す、予定どおり実行に移す

go through with ~ は、ためらいや迷いのあった計画・約束を、途中でやめずに最後まで実行することを表します。単に「やる(do it)」と言うのとは少し違い、「やめる選択肢もあったのに、あえて踏み切る」という決断のニュアンスが核にあります。

with のあとの it は「その計画・約束・話」を指します。go through with the plan(計画を実行する)、go through with the deal(取引を成立させる)、go through with the surgery(手術に踏み切る)のように、具体的な名詞を続けることもできます。

似た形の go through(単独)は「経験する・通り抜ける」「目を通す・調べる」という別の意味になります。with があるかないかでニュアンスが変わる点は、意識しておくと便利です。

【ここがポイント!】

  • 核は「迷っていたことに、あえて踏み切る」という決断の一言
  • ただの do it と違い、ためらいを越えて実行に移すニュアンスがある
  • with の後の it を the plan などに置き換えれば、何に踏み切るかを具体化できる

『ビッグバン★セオリー』S01E08のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

両親から、会ったこともない相手とのお見合い結婚を一方的に勧められたラージ。動揺して「どうしたらいいんだ」と友人たちに助けを求めます。すると空気を読まないシェルドンが、まさかの方向から助言を返すのがこの場面です。

Raj: My parents are trying to marry me off to a total stranger, what am I going to do?
(両親が、まったく知らない相手と結婚させようとしてるんだ。どうしたらいいんだよ?)

Sheldon: I suggest you go through with it.
(僕は、そのまま結婚することを勧めるよ。)

Raj: What?
(はあ?)

The Big Bang Theory Season1 Episode8 (The Grasshopper Experiment)

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シーン解説と心理考察

助けを求めたラージが期待していたのは、もちろん「断る方法」だったはずです。ところがシェルドンは、その願いとはまるで逆の答えを即座に差し出します。go through with it という一言に、彼の人物像がよく表れています。

シェルドンはこの直後、お見合い結婚は19世紀まで世界的に主流だった、と理屈を並べ始めます。相手の感情よりも、歴史的・論理的に「正しい」とされる選択を淡々と勧めるところが、いかにも彼らしい振る舞いと言えます。

ラージの「What?」という一言には、味方だと思っていた友人から予想外の答えが返ってきた戸惑いがにじむ場面です。深刻に悩む側と、まったく動じずに結論を出す側との温度差が、会話の可笑しさを生んでいます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

go through with it は、入り口の前で立ち止まっていた人が、意を決して中へ一歩踏み込む動作をイメージすると覚えやすい表現です。through(通り抜ける)という単語が入っているとおり、迷いの「向こう側」まで自分を通していく感覚があります。

このシーンのラージは、お見合いという入り口の前で足がすくんでいる状態です。そこへシェルドンが「通り抜けてしまえ」と背中を押す。go through with it の「踏み切る」という核を、迷うラージと押すシェルドンの構図に重ねると、意味がそのまま絵として残ります。

例文で覚える「go through with it」

迷いを越えて実行に移す、という場面で活躍するフレーズです。日常からビジネスまで使える3つの例文で、使い方の幅をつかんでいきましょう。

After months of hesitation, she finally decided to go through with the surgery.
(何か月も迷った末に、彼女はついに手術を受けることを決めた。)
ためらいの期間があったことを months of hesitation で示し、その迷いを越えて踏み切ったことを go through with が伝えています。重い決断の場面によくなじむ言い方です。

I know you’re nervous about the presentation, but you’ve already prepared everything — just go through with it.
(プレゼンが不安なのはわかるよ。でも準備はもう全部できてるんだから、思い切ってやってしまおう。)
緊張で足踏みしている相手の背中を押す一言です。just go through with it で「あれこれ考えず、予定どおりやろう」と促すニュアンスになります。

A: I signed up for the marathon, but now I’m having second thoughts.
B: You’ve trained for months. Go through with it!
(A:マラソンに申し込んだんだけど、今になって迷ってるんだ。)
(B:何か月も練習してきたじゃない。最後までやり遂げなよ!)
友人同士の会話で、迷いを口にした相手を励ます場面です。having second thoughts(迷っている)への返しとして、go through with it がきれいに対応しています。

あわせて覚えたい関連表現

see it through
(最後までやり遂げる)
始めたことを途中で投げ出さず、終わりまで見届けるという表現です。go through with it が「踏み切る」決断に重きを置くのに対し、see it through は「やり始めたものを完遂する」継続のニュアンスが強くなります。

follow through (on)
(やると言ったことを実行する、約束を果たす)
宣言や約束を、言葉だけで終わらせず行動に移すことを指します。go through with it と近いものの、follow through は「言ったことに責任を持つ」という側面が前に出ます。

bite the bullet
(覚悟を決めて、つらいことに取りかかる)
気が進まないことを、腹をくくって実行する言い回しです。go through with it と重なる場面も多いですが、bite the bullet は「痛みや苦労を伴う」点をより強調します。

Note|お見合い結婚と「踏み切る」という決断

このシーンでシェルドンが go through with it を勧める背景には、お見合い結婚(arranged marriage)という文化があります。彼自身も劇中で「恋愛結婚が結婚の基礎になったのは19世紀以降で、それまではお見合いが主流だった」と語ります。

実際、恋愛感情を結婚の前提とする考え方は、人類の歴史から見れば比較的新しいものです。世界の多くの地域では長らく、家どうしのつながりや社会的な取り決めとして結婚が結ばれてきました。現代でもお見合い結婚の慣習が残る地域は少なくなく、当事者が家族の意向を受けて「この縁談を進めるかどうか」を判断する場面は珍しくありません。こうした文脈では、結婚は「気持ちが高まったから」ではなく「迷いの末に踏み切るかどうか」という決断の色合いを帯びます。

go through with it が持つ「ためらいを越えて実行する」というニュアンスは、まさにこの決断の重みと響き合っています。ラージにとってのお見合いは、好き嫌い以前に「やるかやめるか」を腹で決める対象だからこそ、このフレーズがぴたりとはまるのです。

決断の手前で揺れる気持ちごと引き受ける、それが go through with it という表現です。

まとめ|シェルドンの即答から学ぶ「踏み切る」一言

go through with it は、迷っていたことを途中でやめず、思い切って最後まで実行するという表現です。through(通り抜ける)が入っているとおり、ためらいの向こう側まで自分を運んでいく感覚が言葉の芯にあります。

会話の中では、迷う相手の背中を押すときにも、自分の決断を語るときにも使えます。just go through with it と添えれば「あれこれ考えず、やってしまおう」という温度感も出せます。

悩んだ末に一歩を踏み出す瞬間を言い表す言葉として、表現の引き出しに加えてみてくださいね。

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