海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誰かが同じ自慢話を何度も繰り返すのを、「またその話か…」と内心うんざりしながら聞いた経験はありませんか。
そんな状況にぴったりなのが「go on about」、同じ話題を延々と話し続けるという表現です。『ビッグバン★セオリー』シーズン6第5話、宇宙から帰ってきたハワードが何かにつけて宇宙旅行の話を持ち出し、妻のバーナデットがやんわり指摘する寝室のシーンから、一緒に見ていきましょう。
「go on about」の意味とニュアンス
go on about
意味:(同じ話を)延々と話す、くどくど言い続ける
go on about は、go on(続ける)に about(~について)が組み合わさった句動詞です。直訳すると「~について続けていく」となり、そこから「ある話題を必要以上に長く話し続ける」という意味になります。
このフレーズの特徴は、たいてい聞き手がうんざりしているニュアンスを含む点です。中立的に「話し続ける」とも訳せますが、実際の会話では「またその話?」という軽い非難や呆れが伴うことがほとんどです。go on about ~ の形で話題を示し、keep going on about ~ とすると「延々と続ける」さまをさらに強調できます。人だけでなく、文章や記事が同じ点をくどくど述べる場合にも使えます。
【ここがポイント!】
- 「go on about」の核は、ひとつの話題を必要以上に長く続けるイメージ
- たいてい聞き手の「もういいよ」という呆れがセットになる一言
- keep を足して keep going on about にすると、しつこさを強調できるのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S06E05のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
宇宙飛行から帰ったハワードは、どんな話題からでも自分の宇宙旅行へと話を持っていきます。誇りに思う気持ちは尊重しつつも、さすがに度を越してきた——そう感じたバーナデットが、夕食の席でのハワードの様子を持ち出して、やんわりと釘を刺します。
Bernadette: Howie, I know you went to space. I’m incredibly proud of you. But you might want to try and not bring it up every minute.
(ハウィー、あなたが宇宙に行ったのは知ってるし、すごく誇りに思ってる。でも、ことあるごとに持ち出すのは控えたほうがいいかも)Howard: I don’t talk about it every minute.
(別に四六時中話してなんかないよ)Bernadette: Tonight at dinner you went on about it for an hour straight.
(今夜の夕食で、あなたその話を1時間ぶっ通しで延々してたわよ)The Big Bang Theory Season6 Episode5(The Holographic Excitation)
シーン解説と心理考察
バーナデットの “you went on about it for an hour straight” には、優しさと呆れが同居する空気があります。まず “I’m incredibly proud of you” と夫の誇りをしっかり立てたうえで、それでも「1時間ぶっ通し」という具体的な事実を突きつけて、やわらかく釘を刺しています。
このひと言は、エピソード全体を貫く「ハワードの宇宙自慢」というテーマの起点になっています。ハワードは自覚がなく逆ギレ気味に返しますが、その裏には「人生最大の功績を語れないのか」という寂しさが隠れていて、後のパーティでの感情の爆発へとつながっていきます。go on about が、夫婦のすれ違いの入口にそっと置かれている場面と言えます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
go on about は、ひとつの話題というレールの上を、電車がいつまでも走り続けて止まらない様子をイメージすると覚えやすい表現です。聞き手は「そろそろ降ろして…」とうんざり顔——その光景が、このフレーズの呆れたニュアンスにそのまま重なります。
劇中のハワードは、「宇宙」という1本のレールを1時間ぶっ通しで走り続けます。バーナデットの呆れた表情と、止まらない宇宙トークの暴走機関車を重ねて覚えると、go on about の手触りが記憶に残ります。
例文で覚える「go on about」
聞き手のうんざり感まで含めて伝わる go on about を、3つの例文で見ていきましょう。
He kept going on about his new car all evening.
(彼は一晩中、新しい車の話を延々していた)
誰かの自慢話にうんざりした場面で使える形です。keep going on about で「延々と続ける」さまを強調しています。
The article goes on about the benefits without mentioning the risks.
(その記事は利点を延々述べる一方で、リスクには触れていない)
人だけでなく、文章や記事を主語にした応用例です。同じ点をくどくど述べる偏りを指摘するときに使えます。
A: Sorry, am I going on about this too much?
B: A little. But I get why you’re excited.
(A:ごめん、この話、しすぎてるかな?)
(B:ちょっとね。でも、なんで興奮してるかは分かるよ)
自分で「話しすぎ」を自覚して確認する会話です。go on about は自分の話を振り返って使うこともできます。
あわせて覚えたい関連表現
ramble on
(とりとめなく話し続ける)
ramble on は「話があちこち飛んでまとまらない」点に重きがあります。go on about が「ひとつの話題に固執して長い」のに対し、ramble on は脱線しながら長い、という違いです。
harp on
(同じことをしつこく繰り返す)
harp on は「批判や不満を繰り返す」ネガティブさが強い表現です。go on about は自慢話など、中立からやや呆れる程度まで幅広く使えます。
dwell on
((ある話題に)こだわり続ける)
dwell on は、過去の失敗や悩みを内面で「引きずる」ニュアンスです。go on about は実際に口に出して長く話す行為を指す点で違います。
Note|go on about / ramble on / harp on の違い
「長々と話す」と訳せる表現は複数ありますが、その中身は意外と違います。
go on about、ramble on、harp on は、どれも「話が長い」という点では共通していますが、長さの質が異なります。go on about は、ひとつの話題に固執して、そこから離れずに延々と続けるイメージです。ハワードの宇宙トークのように、何を振られても同じ話題へ戻ってくる場合にぴったりです。一方 ramble on は、話題があちこちに飛んでまとまらないまま長くなる、脱線型の長さを表します。そして harp on は、批判や不満、要求などを「しつこく蒸し返す」ネガティブな繰り返しに使われ、3つの中ではもっとも棘のある言葉です。
劇中でバーナデットが選んだのは go on about。ハワードが「宇宙」というひとつの話題に固執して1時間も離れなかった、という状況に正確に対応しています。脱線でも不満でもなく、ひとつの話に居座り続ける——その固執のニュアンスが、この句動詞の核です。
同じ「長話」でも、どう長いのかで選ぶ言葉が変わるのが面白いところです。
まとめ|ひとつの話題に居座る長話を表す一言
go on about は、ある話題に固執して延々と話し続ける——そんな「長話」を、聞き手の呆れごと言い表せる表現です。中立的にも使えますが、たいていは「またその話?」という空気を含んでいます。
これを知っていると、誰かのしつこい自慢話を描写するときや、自分が話しすぎていないか確認するときに、ぴったりの一言が見つかります。keep を足せばしつこさを強調でき、文章を主語にも取れる、応用の利く句動詞です。
ひとつの話題に居座り続ける、あの止まらない感じを言葉にできる表現として、会話のレパートリーに加えてみてください。


コメント