「give someone the business」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S08E15で学ぶ英会話

「give someone the business」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

相手をちょっとからかったあとに、すかさず気の利いた一言で落ちをつける——そんな軽妙なやり取りが、会話の中でぽんと飛び出す瞬間がありますよね。

そんな場面にぴったりの「give someone the business」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン8第15話の冒頭、シェルドンがライバルのバリーに自作のメールアドレスを得意げに説明するシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「give someone the business」の意味とニュアンス

give someone the business
意味:(人を)からかう、冷やかす、きつく当たる、手厳しく扱う

直訳すると「人にその business を与える」ですが、ここでの the business は「仕事」ではありません。口語の the business には「手荒な扱い・お説教・きつい言葉」といった意味があり、それを give(与える)と組み合わせることで「一発食らわせる」「からかってやる」というニュアンスになります。

文脈によって温度は変わります。仲間うちで軽くいじる「冷やかし」のこともあれば、相手を厳しく問い詰める「お説教」「叱責」に近いこともあります。前後の空気や話し手の表情で、じゃれ合いなのか本気なのかが決まる、幅のある表現です。

定冠詞の the がついて the business と特定の形になっているのもポイントです。漠然とした business(仕事・商売)ではなく、「あの、手荒なやつ」と決まった扱いを指す慣用句として固まっています。

【ここがポイント!】

  • 核は「the business=手荒な扱い・お説教」を相手に食らわせるイメージ
  • 軽いからかいから厳しい叱責まで、温度に幅のある表現
  • the が付いて固まった慣用句で、business を「仕事」と取ると意味を読み違える点に注意

『ビッグバン★セオリー』S08E15のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

シェルドンの恋人エイミーが、ライバルのバリーの論文を手伝ったことを知り、シェルドンは内心おもしろくありません。そんな相手に対して、論文を送る宛先のメールアドレスを伝える場面。ささやかな仕返しが、ダジャレに込められています。

Barry: Anyway, thanks again.
(ともかく、改めてありがとう。)

Sheldon: Oh, no, me as well. Uh, please e-mail it to Sheldon at bazinga dot biz. Why dot biz? Because I just gave you the business. And also bazinga dot com was taken.
(いやいや、こちらこそ。ええと、sheldon@bazinga.biz 宛に送ってくれ。なぜ .biz かって? 今ちょうど君を一杯食わせた(gave you the business)からさ。それと、bazinga.com はもう取られてたんだ。)

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シーン解説と心理考察

エイミーがライバルに手を貸したことへの、シェルドンなりのささやかな意趣返しがこの一言ににじむ場面です。.biz というドメイン名と the business をかけて、「今ちょうど君をからかったから .biz なんだ」と理屈をこねる——シェルドンらしい、屁理屈じみたユーモアが表れています。

注目したいのは、シェルドンが自分のジョークをわざわざ解説してしまうところです。give someone the business が「からかう」という意味だと知らない相手にも伝わるよう、本人が種明かしをしてくれているわけで、結果としてフレーズの意味がそのまま画面に映し出されます。

相手を立てる丁寧な口ぶりのまま、中身はしっかり皮肉になっている——その落差が、この短いやり取りの可笑しさとして響きます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

このフレーズは、シェルドンが相手に「ぽん」と何かを手渡すしぐさをイメージすると覚えやすくなります。渡しているのは贈り物ではなく、「手荒なやつ」「お説教の一発」です。give(渡す)+ the business(手荒な扱い)を、そのまま手のひらに乗せて差し出す動作で思い描いてみてください。

シェルドンの場面では、その「一発」がダジャレという形で包まれていました。手渡すしぐさと、皮肉のこもった笑顔。この二つをセットで記憶に結びつけておくと、business を「仕事」と読み違えることなく、「からかう・きつく当たる」の意味がすっと出てくるはずです。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「give someone the business」

軽いからかいから厳しい叱責まで、温度の幅を意識しながら3つの例文で感覚をつかんでいきましょう。

My older brothers gave me the business when they found out I had a crush on the new kid.
(新しく来た子に片思いしてるのがバレて、兄たちにさんざん冷やかされた。)
きょうだいや友人どうしの、じゃれ合いに近い軽いからかいの場面です。複数の相手にいじられる状況にもよくはまります。

The coach really gave the team the business after they lost by twenty points.
(20点差で負けたあと、コーチはチームをこっぴどく叱りつけた。)
こちらは温度が高めで、「厳しく叱責する」に寄った使い方です。同じフレーズでも、文脈次第でここまで本気のニュアンスになります。

A: Did your coworkers say anything about your typo in the company-wide email?
(A:全社メールのタイプミス、同僚に何か言われた?)
B: Oh, they gave me the business about it all morning.
(B:ああ、午前中ずっとそれでからかわれてたよ。)
職場でのやり取りです。深刻な叱責ではなく、同僚が笑いながらいじってくる「ネタにされる」感覚が出ています。

あわせて覚えたい関連表現

give someone a hard time
(人を困らせる、手を焼かせる、からかう)
give someone the business とほぼ重なる場面で使えますが、より一般的で口語の硬さがありません。迷ったときは、こちらの方が安全に使える定番表現です。

pull someone’s leg
(人をからかう、かつぐ)
こちらは「冗談で人をだます・かつぐ」に特化した表現で、軽いいたずら寄りです。give someone the business が持つ「お説教・叱責」の重い側の意味は含みません。

rib someone
(人を軽くからかう、冷やかす)
仲間うちのじゃれ合いに近い、温度の低いからかいを表します。give someone the business の「軽い側」だけを取り出したような表現で、親しさが前提になります。

Note|the business が「手荒な扱い」を意味するまで

give someone the business のいちばんの謎は、ありふれた business という単語が、なぜ「お説教」や「からかい」を指すようになったのか、という点です。

the business が「手荒な扱い・厳しい仕打ち」という意味で使われるようになったのは、20世紀前半のアメリカ口語にさかのぼるとされています。もともと business には「やるべきこと・用件」という核があり、そこから「(相手に対して)きっちり片をつける一件」「こらしめという用件」といったニュアンスが派生したと言われています。やや荒っぽい世界の隠語として広まり、give someone the business で「相手をこらしめる・痛い目に遭わせる」を表す決まり文句になっていきました。時代が下るにつれて角が取れ、現在ではシェルドンの場面のように「ちょっとからかう」程度の軽い意味でも使われるようになっています。

この成り立ちを知っておくと、give someone the business の温度の幅にも納得がいきます。もとは「こらしめ」という厳しい一件だったからこそ、文脈次第で「叱責」にも「冷やかし」にも振れる。the business という、どこか含みのある言い方の奥行きが見えてきます。

ありふれた単語ほど、思いがけない顔を隠しているものですね。

まとめ|シェルドンの屁理屈から学ぶ「からかい」の一言

give someone the business は、「the business=手荒な扱い・お説教」という決まった一件を、相手にぽんと手渡すイメージの表現でした。軽いからかいから厳しい叱責まで、文脈しだいで温度が大きく動くのが、この言い回しの面白いところです。

この一言を知っておくと、海外ドラマやシットコムで誰かが誰かをいじる場面の機微が、ぐっと立体的に見えてきます。business を「仕事」と早とちりせず、「ああ、今からかったんだな」と受け取れるようになる——それだけで、英語の会話の温度が読みやすくなります。

仲間どうしの軽口から、ちょっと本気のお説教まで。場面の温度ごと味わえる一言として、会話のレパートリーに加えてみてくださいね。

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