「take matters into one’s own hands」の意味と使い方|『CHUCK/チャック』S04E12で学ぶ英会話

「take matters into one's own hands」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

何度頼んでも動いてくれない相手を待ちきれず、「もういい、自分でやる」と腰を上げた経験はありませんか。役所、修理業者、職場——誰かの対応を当てにできないとき、人は自らの手で動き出します。

その主体的な一歩を運ぶ「take matters into one’s own hands」、つまり自分で行動を起こす・事を自らの手で処理するという意味の表現を、『CHUCK/チャック』シーズン4第12話の序盤、サラがCIAを裏切った動機を敵組織のボス・ヴォルコフに語るシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「take matters into one’s own hands」の意味とニュアンス

take matters into one’s own hands
意味:自分で行動を起こす、事を自らの手で処理する、自分で何とかする

take matters into one’s own hands は、本来なら他の誰かが対応すべき事柄を、その相手を待たずに自分自身で引き受けて動くことを表す表現です。多くの場合、「頼んでも動いてくれない」「待っていても埒があかない」という、もどかしさや決意が背景にあります。

鍵になるのは matters(物事・事柄)と hands(手)です。本来は他人の領分にある「事柄」を、自分の「手」の中へ take(取り込む)——つまり、解決の主導権を自らの手に握る、というのが核にあるイメージです。

単に「自分でやる」というより、「誰かに任せておけないから、あえて自分で乗り出す」という主体性と覚悟がにじみます。賞賛にも、ときに「勝手に動く」という危うさにも、両方の色を帯びうる表現です。

【ここがポイント!】

  • 核は「他人任せの matters(事柄)を、自分の hands(手)へ取り込む」こと
  • 「待っていても埒があかない」もどかしさや決意が背景にあることが多い
  • 主体性・覚悟を表すが、「勝手に動く」危うさのニュアンスを帯びることもある

『CHUCK/チャック』S04E12のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

CIAを裏切ったと称してヴォルコフのもとへ乗り込んだサラ。なぜ寝返ったのか、その動機を問われ、彼女は「愛する人との未来のため」という筋書きを、よどみなく語ってみせます。

Sarah: We got trapped in a CIA-run world with no way out; no exit. Unless…
(私たちは出口のない、CIAに支配された世界に閉じ込められていた。逃げ道なんてなかった。ただ……)

Volkoff: There’s always an “unless.”
(「ただ」には、いつも続きがあるものだ。)

Sarah: Unless I took matters into my own hands. I turned on the CIA because I want to cash out and build a life.
(ただ、私が自分の手で動くなら別。CIAに背いたのは、足を洗って、人生を築きたいから。)

Chuck Season4 Episode12(Chuck Versus the Gobbler)

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シーン解説と心理考察

took matters into my own hands という一言に、サラが演じる「組織に縛られ、ついに自ら動き出した女」の決意がにじむ場面です。出口のない状況を、自分の手で打ち破るしかなかった——その筋書きを、彼女はまるで本心のように語ります。

巧みなのは、この台詞が二重の意味を帯びている点です。表向きは「CIAを裏切った動機」を語る嘘ですが、本当のサラもまた、チャックのために「自らの手で事を起こす」道を選んでいます。偽りの言葉の奥に、彼女の真実の決意がそっと重なる——その二重写しが、観る者にこの場面の緊張をいっそう深く感じさせています。take matters into one’s own hands という主体性の表現が、嘘と本心の両方を貫いているのが見どころです。

『CHUCK/チャック』流・覚え方のコツ

目の前に放置された「事柄(matters)」を、自分の両手(hands)でぐっとつかみ取り、引き寄せる——そんな動作を思い浮かべてみてください。他人に委ねていた問題の主導権を、自分の手の中へ移す。その絵が、この表現の核です。

劇中では、出口のない状況を前に、サラが「自分の手で動くしかなかった」と裏切りの動機を語っていました。誰かを待つのをやめ、自らの手で事を動かす——あの決意のにじむ場面ごと覚えておくと、matters(事柄)を hands(手)へ取り込むという、この表現の組み立てが記憶に残ります。

例文で覚える「take matters into one’s own hands」

もどかしさからの主体的な一歩を表すこの表現を、3つの場面で見てみましょう。

The repairman never came, so I took matters into my own hands and fixed the leak myself.
(修理屋が結局来なかったので、自分で動いて水漏れを直した。)
他人の対応を待ちきれず自分で動く場面です。「埒があかないから自分で」という、この表現の最も典型的な使い方です。

When the police did nothing, the residents took matters into their own hands.
(警察が何もしないので、住民たちが自ら動き出した。)
集団が主体的に動いた例です。賞賛にも、危うさにも傾きうる、この表現の両義性がよく出ます。

A: Are you still waiting for them to approve your request?
B: No, I took matters into my own hands and just did it.
(A:まだ向こうの承認待ちなの?)
(B:いや、自分で動いて、もうやっちゃったよ。)
待つのをやめて自分で進めた会話です。took matters into my own hands で、決断して動いたニュアンスが伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

take the initiative
(率先して動く、主導権を取る)
take the initiative は「自ら先んじて行動を起こす」前向きな主体性を表します。take matters into one’s own hands は「他人任せにできず、やむなく自分で」という、もどかしさを含む点で色合いが異なります。

take it upon oneself
((頼まれてもいないのに)自分の責任で引き受ける)
take it upon oneself は「義務でもないのに自ら背負う」という独断・献身のニュアンスです。take matters into one’s own hands は「状況を自分の手で動かす」という、問題解決の主導権に焦点がある点が違います。

do it yourself
(自分でやる)
do it yourself は文字どおり「自分でやる」というシンプルな言い方で、DIY の語源でもあります。take matters into one’s own hands のほうが、「他人を当てにできない状況での決断」という重みを帯びています。

Note|「手(hands)」が握る、行動と主体性のイメージ

take matters into one’s own hands の鍵は、なんといっても hands(手)という語にあります。なぜ「手」が「主体的に動く」ことの象徴になるのでしょうか。

英語では古くから、hands が「行動・支配・責任」を象徴してきました。手は人が何かを実際に「行う」器官であり、そこから「物事を扱う力」や「コントロール」を表すようになったとされます。in good hands(信頼できる人に任せて=良い手の中で)、out of one’s hands(自分の手を離れて=もう制御できない)、change hands(持ち主が変わる=手から手へ)——どれも、hands が「物事を握り、動かす力」を指しています。take matters into one’s own hands も、この発想の延長線上にあります。本来は他人の手にあるべき「事柄」を、自分の手の中へ引き取る。つまり、解決のコントロールを自らの手に握る、という像です。

この表現が広く使われるようになったのは19世紀とされますが、確かな起源は定まっていません。ただ、戦争や社会運動など、人々が「待っていられず、自ら立ち上がった」歴史の場面と結びつけて語られることが多い表現です。興味深いのは、英語が「主体性」を、頭や心ではなく「手」という身体の部位で捉えている点です。考えるだけでなく、実際に手を動かして事に当たる——その行動の重みが、この言い回しには込められています。劇中でサラが、出口のない状況を「自らの手で」打開しようとしたと語ったのも、この hands の持つ「自分で動かす力」のイメージにぴたりと重なります。

「手」が行動と主体性を握っている——その感覚をつかむと、in good hands など hands を使った表現群も、一度に身近になります。

まとめ|サラの決意に学ぶ「自分で動く」の一言

take matters into one’s own hands は、本来なら他の誰かが対応すべき事柄を、その相手を待たずに自分自身で引き受けて動くことを表す表現です。matters(事柄)を hands(手)へ取り込む、という発想から生まれており、もどかしさや決意を背景に持ちます。

この一言を知っておくと、「待っていられないから自分でやる」という主体的な一歩を、覚悟ごと言い表せるようになります。前向きな決断としても、ときに「勝手に動く」危うさとしても使える、奥行きのある表現です。

出口のない状況を自らの手で打ち破ろうとする、サラのあの決意とセットで、この「自分で動く」の一言を、あなたの英語の引き出しに加えてみてください。

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