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追う側と追われる側に分かれて、じらしたり、逃げたり——そんな「追いつ追われつ」の駆け引きは、捜査劇でも、交渉でも、時には恋愛でも、私たちの身近なところに顔を出します。
その緊張感を言い表す「cat and mouse」を、スパイコメディ『CHUCK』シーズン5第7話の中盤、宿敵ショウが、地下基地でサラを追い詰めていく場面から、一緒に見ていきましょう。
「cat and mouse」の意味とニュアンス
cat and mouse
意味:追いつ追われつの駆け引き、優位な側が相手を弄ぶ攻防
捕らえたネズミをすぐには仕留めず、逃がしては再び捕らえて弄ぶ猫の習性に由来するとされる表現です。単なる追跡ではなく、「優位な側が相手を意のままに翻弄する」非対称な駆け引きを表すのが核です。play (a game of) cat and mouse with someone の形が典型で、犯罪捜査で刑事と犯人が探り合う場面、交渉で優位な側が相手を焦らす場面、恋の駆け引きなど、幅広い状況で使われます。追う側(猫)と追われる側(ネズミ)の力の差がはっきりある、その構図こそがこのフレーズの持ち味です。
【ここがポイント!】
- 獲物を弄ぶ猫の習性から、「追いつ追われつの駆け引き」を表す
- 単なる追跡でなく、「優位な側が相手を弄ぶ」非対称さが核
- play a game of cat and mouse の形で使うのが定番
『CHUCK』S05E07のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
強大な力を得た宿敵ショウが、地下基地に閉じ込めたサラを追い詰めていきます。逃げ出したサラに対し、ショウは獲物を弄ぶ猫のような余裕を見せながら、無線越しに追跡を宣言します。
Shaw: Play a little cat and mouse? Fine. But I’ll find you.
(ちょっとした追いかけっこでもするか? いいだろう。だが、必ず見つけ出す)Chuck Season5 Episode7 (Chuck Versus the Santa Suit)
シーン解説と心理考察
即座に仕留めるのではなく、恐怖を長引かせて楽しもうとするショウの残酷さが、この一言ににじんでいます。cat and mouse という言い回しには、力の差を確信した側の冷たい愉悦がこもります。丸腰で逃げるサラを「ネズミ」に見立て、自らは「猫」の位置から悠然と追う——追う側と追われる側の非対称な力関係が、そのままシーンの構図になっているのが見どころです。緊迫した空気のなかで、あえて余裕たっぷりに駆け引きを持ちかけるところに、この敵役の不気味さが際立ちます。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
cat and mouse は、捕まえたネズミをすぐには食べず、前足でつついては逃がし、また捕まえて弄ぶ猫——あの残酷な「遊び」を思い浮かべると覚えやすい表現です。ネズミには逃げる自由があるように見えて、実は猫の手のひらの上。この「優位な側が相手を弄ぶ」非対称さが核です。劇中では、ショウが猫、逃げるサラがネズミ。「必ず見つけ出す」と余裕たっぷりに宣言するショウの、猫のような愉悦を重ねると、単なる追跡ではなく「弄ぶ駆け引き」だという含みが記憶に残ります。
例文で覚える「cat and mouse」
cat and mouse は、捜査・交渉・攻防など、追いつ追われつの駆け引きが起きる場面で幅広く使えます。3つの例文で見てみましょう。
The detective and the suspect played a game of cat and mouse for weeks.
(刑事と容疑者は、何週間も追いつ追われつの駆け引きを繰り広げた。)
捜査劇を語る場面です。play a game of cat and mouse の、最も定番の使い方になります。
The hackers and the security team were locked in a cat-and-mouse game.
(ハッカーとセキュリティチームは、追いつ追われつの攻防に陥っていた。)
攻防が繰り返される場面です。cat-and-mouse とハイフンでつなぐと、形容詞的に使えます。
A: He keeps dodging my questions.
B: Stop playing cat and mouse with me and just tell me the truth.
(A:彼、質問をはぐらかしてばかりなんだ。)
(B:追いかけっこはやめて、本当のことを言ってよ。)
相手が焦らす態度に苛立つ会話です。「じらすのをやめて」と相手を責めるニュアンスで使えます。
あわせて覚えたい関連表現
a game of chess
(チェスのような知的な駆け引き)
知略を戦わせる「対等な頭脳戦」に焦点があります。cat and mouse は力関係が非対称で、一方が他方を弄ぶ構図が核である点が異なります。
toy with someone
((人を)弄ぶ、もてあそぶ)
優位な側が相手を軽くあしらう点で近い表現です。cat and mouse は「追う/追われる」の攻防の反復という、より具体的な構図を持ちます。
lead someone on a merry chase
((人を)さんざん追い回させる)
「相手を疲弊させる追跡」に焦点があります。cat and mouse は「捕まえては逃がす」弄びの反復が特徴で、力点がやや異なります。
Note|非対称な力関係を含意する cat and mouse
cat and mouse を使うとき、そこには「対等な勝負」ではない、ある偏った力関係が前提として含まれています。この含みを押さえておくと、使いどころがぐっと見えやすくなります。
猫とネズミ——この二者は、最初から立場が対等ではありません。追うのは常に猫で、逃げるのは常にネズミ。しかも猫は、その気になればいつでもネズミを捕らえられるのに、あえてすぐには仕留めず、逃がしては捕まえて弄びます。ここに、cat and mouse という表現の核心があります。つまりこのフレーズは、単に「追いかけっこ」を指すのではなく、「一方が明確に優位に立ち、相手を思うままに翻弄している」状況を描くのです。だからこそ、刑事が容疑者を泳がせる捜査、優位な側が相手を焦らす交渉、主導権を握る側がじらす恋の駆け引きなど、力の差や主導権の偏りがある場面でこそしっくりきます。逆に、実力伯仲の互角の勝負に cat and mouse を使うと、少し据わりが悪く感じられます。そういう場面では、対等な知略戦を表す a game of chess のほうがふさわしいでしょう。
ショウのセリフに戻ると、彼が cat and mouse を持ち出したのは、自分が圧倒的に優位だと確信していたからにほかなりません。丸腰で逃げるサラを、いつでも捕まえられる「ネズミ」として弄ぼうとする——その非対称さが、この一言に冷たく響いています。
言葉が前提とする力関係まで読むと、使いどころが見えてきますね。
まとめ|ショウの宣言から学ぶ「駆け引き」の一言
cat and mouse は、獲物を弄ぶ猫の習性から、「優位な側が相手を翻弄する、追いつ追われつの駆け引き」を表す表現でした。単なる追跡ではなく、追う側と追われる側の力の差がはっきりある、その非対称な構図が持ち味です。
捜査、交渉、攻防、恋の駆け引き——主導権の偏りがある場面でこそ、この一言がしっくりきます。play a game of cat and mouse の形で覚えておくと、緊張感のある駆け引きを一言で描けます。
宿敵ショウが余裕たっぷりに放ったこの表現を、あなたの表現の引き出しに加えてみてください。
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