「give someone the benefit of the doubt」の意味と使い方|『CHUCK』S05E08で学ぶ英会話

「give someone the benefit of the doubt」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

相手の言い分がはっきりしなくて、疑おうと思えば疑えるけれど、とりあえず信じてみよう——そんなふうに、あえて相手を悪く取らずにおいた経験はありませんか。

そんな心の動きを言い表す「give someone the benefit of the doubt」を、スパイコメディ『CHUCK』シーズン5第8話の前半、真意を明かさないサラを疑い始めたチャックに、親友モーガンが「彼女を信じてやれ」と諭すシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「give someone the benefit of the doubt」の意味とニュアンス

give someone the benefit of the doubt
意味:(疑わしくても)相手を信じて善意に解釈する、大目に見る

直訳すると「疑い(doubt)から生じる利益(benefit)を、相手に与える(give)」。証拠や確証が足りず、相手が正しいとも間違っているとも決めきれないとき、あえて相手に有利なほうに解釈する、という発想の表現です。「怪しいけれど、悪くは取らないでおこう」という寛容さがにじみ、人間関係で相手を頭ごなしに責めない態度を表します。give A the benefit of the doubt の形で「Aを大目に見る/信じてやる」となり、疑いを完全に晴らすのではなく、「白黒つかないうちは善意に受け取る」という保留のニュアンスを含むのが特徴です。

【ここがポイント!】

  • 「疑いから来る利益を相手に与える」=白黒つかないとき善意に取る、が核
  • 相手を頭ごなしに責めない、寛容さと保留がにじむ一言
  • 確証がないまま「とりあえず信じておく」場面で使うのがコツ

『CHUCK』S05E08のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

サラが真意を明かさないまま単独で動こうとし、不安になったチャックは、こっそり彼女の秘密を探り始めます。それを見た親友モーガンが、「これまで二人が対立したときは、いつもサラのほうが正しかった」と指摘し、まずは彼女を信じてやってはどうかと諭します。親友ならではの、落ち着いた助言の場面です。

Morgan: I just think maybe you should give Sarah the benefit of the doubt. I mean, any time the two of you have ever disagreed about anything, she’s been right.
(とりあえずサラを信じてやったらどうかな。だってさ、君たち二人が何かで対立したときは、いつも彼女のほうが正しかっただろ)

Chuck: No, no, no, I know, I know, it’s just, I’m worried.
(いや、分かってる、分かってるんだ。ただ、心配なんだよ)

Chuck Season5 Episode8 (Chuck Versus the Baby)

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シーン解説と心理考察

疑いと心配のあいだで揺れるチャックに、モーガンが冷静な視点を差し出す場面が表れています。give Sarah the benefit of the doubt という言い回しには、「怪しく見えても、頭から疑うのではなく信じてやれ」という寛容さへの促しがこもっています。過去の実績を根拠に「彼女はいつも正しかった」と添えることで、単なる気休めではなく、信じるに足る理由まで示しているのがモーガンの気配りです。心配で暴走しかけるチャックを、親友がそっと引き戻す、温かいやり取りと言えます。

『CHUCK』流・覚え方のコツ

give someone the benefit of the doubt は、天秤の上に「疑い」と「信頼」を載せる場面を思い浮かべると覚えやすい表現です。証拠が足りず、どちらに傾くとも決めきれない——そんなとき、あえて「信頼」の皿にそっと重りを足してやる。その一押しが benefit of the doubt です。モーガンが「サラを信じてやれ」とチャックに促すこの場面に、疑いと信頼が拮抗する天秤を重ねれば、「白黒つかないうちは相手に有利なほうへ」という意味が、そのまま絵になって残ります。

例文で覚える「give someone the benefit of the doubt」

give someone the benefit of the doubt は、相手を頭ごなしに責めず、いったん信じてみる場面で幅広く使えます。仕事・日常・会話の3つの例文で、その使い勝手を確かめてみましょう。

He was late again, but I’ll give him the benefit of the doubt this time.
(彼はまた遅刻したけど、今回は大目に見てあげよう。)
相手のミスを責めずにおく場面です。「怪しいけれど今回は信じておく」という保留のニュアンスが出ます。

Without solid proof, we should give her the benefit of the doubt.
(確たる証拠がない以上、彼女を信じて善意に解釈すべきだ。)
判断を保留する、少し硬い文脈でも使えます。証拠不足の場面で「有利に取る」という原則を述べる言い方です。

A: Do you really think he’s telling the truth?
B: I’m not sure, but I’m willing to give him the benefit of the doubt.
(A:彼が本当のことを言ってると思う?)
(B:分からないけど、とりあえず信じてみようとは思ってる。)
相手を信じるか迷う会話です。be willing to をつけて「信じてみる気はある」と、寛容な姿勢をやわらかく伝えられます。

あわせて覚えたい関連表現

cut someone some slack
(大目に見る、手加減する)
相手の落ち度を厳しく責めない、という点で近い表現です。give the benefit of the doubt が「真偽を保留して信じる」のに対し、こちらは「多少のことは見逃す」という寛大さに焦点があります。

take someone’s word for it
(人の言葉をそのまま信じる)
相手の言い分を額面どおり受け取る、という言い方です。give the benefit of the doubt が「疑いつつも信じる」なのに対し、こちらは確認せずに信用するニュアンスです。

give someone a pass
(お目こぼしする、見逃す)
一度の落ち度を不問にする、という口語表現です。責めずに通してやる、という寛容さを軽い調子で表せます。

Note|法廷の「疑わしきは被告人の利益に」から来た表現

改まった響きも持つ give someone the benefit of the doubt ですが、この表現には法の世界に根を持つ背景があるとされています。

もともとこの言い回しは、裁判における「疑わしきは被告人の利益に」という原則に由来すると言われています。刑事裁判では、被告人が有罪だと確実に証明できないかぎり、無罪と推定されます。証拠に少しでも「疑い(doubt)」が残るなら、その疑いがもたらす「利益(benefit)」は、罰する側ではなく被告人の側に与えられる——これが benefit of the doubt の元の意味だとされます。つまり、白黒はっきりしないグレーな部分は、あくまで被告人に有利なほうへ倒す、という司法の考え方です。この「確証がないなら相手に有利に」という発想が、やがて法廷の外へ広がり、日常のなかで「怪しく見えても、確たる証拠がないなら相手を悪く取らない」という寛容な態度を表す言い回しとして定着したと考えられています。

チャックのセリフに戻ると、モーガンが give Sarah the benefit of the doubt を選んだことで、「サラは怪しく見えるかもしれないが、確証がない以上は信じてやれ」という、いわば身内を弁護する言葉として響いています。法廷で被告人を守るのと同じ発想が、親友をかばう一言に生きているわけです。

言葉の背景を知ると、この表現が単なる「信じてやれ」以上の、公正さの重みを帯びていることが見えてきます。

まとめ|モーガンの助言から学ぶ「善意に解釈する」の一言

give someone the benefit of the doubt は、「疑いから来る利益を相手に与える」という発想から、「確証がなくても相手を信じて善意に解釈する」を表す表現でした。頭ごなしに責めない寛容さと、白黒つくまでの保留のニュアンスが、この一言に宿ります。

相手のミスを大目に見る場面でも、判断を保留して信じる場面でも、この表現があると、人間関係に落ち着いた寛容さを添えられます。

モーガンが親友に投げかけたこの表現を、あなたの会話のレパートリーに加えてみてください。

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