「behind the times」の意味と使い方|『フレンズ』S02E20で学ぶ英会話

「behind the times」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

考え方ややり方が、いつのまにか世の中の進み方から取り残されている。そんな「時代についていけていない」感じを、誰かに指摘したくなったことはありませんか。

そんなときにぴったりの「behind the times」を、『フレンズ』シーズン2第20話の中盤、ロスとスーザンが歴史テーマパークへ行く話をする中で、チャンドラーが皮肉を返すシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「behind the times」の意味とニュアンス

behind the times
意味:時代遅れの、時代についていけていない

behind the times は、考え方・技術・制度などが、現代の基準から遅れている状態を表します。世の中の進み方から一歩も二歩も後ろにいる、という感覚の表現です。

鍵になるのは the times という言い方です。times が複数形で「その時代の風潮・水準」を指し、その後ろ(behind)にいる、というのが直訳的なイメージになります。人にも、組織や慣習にも使えます。

似た old-fashioned が「昔ながらの」という、必ずしも否定的でない響きを持つのに対し、behind the times は「遅れている」という否定的な評価が中心です。時代の隊列から取り残されている、という含みが常にあります。

【ここがポイント!】

  • 核は「時代の後ろにいる」、世の中の進み方から取り残された状態を指す一言
  • 人にも組織・慣習にも使える、否定的な評価がこもる表現
  • old-fashioned の「昔ながら」とは違い、遅れを指摘する響きがあるのがコツ

『フレンズ』S02E20のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

コロニアル・ウィリアムズバーグは、18世紀アメリカの街並みを再現した歴史テーマパークです。スーザンが「大学の同級生がそこで初の女性鍛冶屋になった」という現代的な話題を持ち出したところ、チャンドラーがすかさず皮肉を返します。

Susan: A woman I went to college with just became the first female blacksmith down in Colonial Williamsburg.
(大学の同級生が、コロニアル・ウィリアムズバーグで初の女性鍛冶屋になったの。)

Chandler: Well, you know they’re a little behind the times in Colonial Williamsburg.
(まあ、コロニアル・ウィリアムズバーグはちょっと時代遅れだからね。)

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シーン解説と心理考察

チャンドラーの一言は、二重の意味を巧みに重ねています。「初の女性鍛冶屋」がニュースになること自体が遅れている、という含みと、そもそも18世紀を再現した場所なのだから文字どおり時代遅れだ、という含み。その両方が behind the times に畳み込まれています。

皮肉を軽口に包むのが、チャンドラーの語り口の持ち味です。真顔で深刻に論じるのではなく、さらりと二重の意味を効かせて場を笑いに変える。この一文に、彼のユーモアの型がよく表れています。

聞き手が「文字どおりの意味」と「比喩」の両方に気づいたときに、笑いが生まれる仕掛けになっています。表現の多義性を利用した、言葉遊びの見本のような場面と言えます。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

the times を「時代の行進の隊列」と考えてみてください。世の中はどんどん前へ進んでいくのに、その隊列のいちばん後ろで置いていかれている。それが behind the times です。

チャンドラーが指した「18世紀を再現した街」は、文字どおり時代の隊列から何百年も後ろにいます。前へ進む行列と、そこから取り残された背中の像を結びつければ、「時代の後ろ=時代遅れ」というニュアンスが一目で定着します。人の考えでも、会社のやり方でも、この「隊列の後ろ」のイメージで捉えられます。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「behind the times」

behind the times は、考え方や仕組みの遅れを指摘する場面で活躍します。3つの使い方を見ていきましょう。

My grandfather’s views on work are a bit behind the times.
(祖父の仕事観は、少し時代遅れだ。)
世代間の価値観の違いを語る場面です。人の考え方に使う、最も基本的な形になります。

The company’s hiring practices are behind the times.
(その会社の採用のやり方は時代遅れだ。)
組織の慣行を評する場面です。人だけでなく、制度や仕組みを主語にしても自然に使えます。

A: Should we still fax the contract? B: A fax? We’re so behind the times.
(A:契約書、まだファックスで送る? B:ファックス? うちら相当時代遅れだね。)
古い手法を自嘲する会話です。so を添えて自分たちに向けると、遅れを軽く笑いに変えられます。

あわせて覚えたい関連表現

old-fashioned
(旧式の、昔ながらの)
必ずしも否定的ではなく、「昔ながらの良さ」にも使えます。behind the times が「遅れている」という否定評価を中心にするのに対し、old-fashioned は中立的にも肯定的にもなります。

out of date
(古くなった、期限切れの)
情報・書類・技術が「もう有効でない」ことに焦点があります。behind the times が人や考え方の全般的な遅れを指すのに対し、こちらは具体的なものの失効を表します。

stuck in the past
(過去にとらわれている)
本人が過去に固執している、という主体的なニュアンスがあります。behind the times が結果として遅れている状態を客観的に述べるのに対し、こちらは当人の姿勢に踏み込みます。

Note|the times が指す「時代の風潮」という感覚

behind the times の the times は、単なる「時間」ではありません。その時々の社会の風潮や水準、つまり「時代」そのものを指しています。この複数形の使い方には、英語の古い語感が息づいています。

times が複数形で「時代・世相」を意味する用法は、英語に古くからあります。hard times(苦しい時代)、modern times(現代)、the good old times(古き良き時代)。いずれも、ある時期の社会全体の空気を一つのまとまりとして捉えた言い方です。イギリスの新聞名 The Times も、この「その時々の出来事・世相」という語感の延長にあります。behind the times は、この「時代の風潮」の後ろにいる、という比喩なのです。単数の time が「時間」という抽象的な流れを指すのに対し、複数の times は「具体的な時代の中身」を指す。その違いが、この表現の輪郭を作っています。

日本語でも「時代に取り残される」「時代の波に乗る」と言うように、時代を進んでいくものとして捉える発想があります。その後ろにいるか、その流れに乗っているか。英語の behind the times も、まさにこの「進む時代」のイメージを土台にしています。

チャンドラーが behind the times と言ったとき、彼は二つの「時代の後ろ」を重ねていました。18世紀を再現した場所という物理的な後ろと、価値観が現代に追いついていないという比喩的な後ろ。the times という一語が、その両方を同時に受け止めています。

言葉が時代をどう捉えるかは、その社会の時間感覚を映しているのでしょう。

まとめ|二重の意味を効かせたチャンドラーの皮肉

behind the times は、考え方や仕組みが現代の基準から遅れていることを表す表現です。the times が「時代の風潮」を指すことを思えば、この句が「時代の後ろにいる」という比喩であることも見えてきます。

old-fashioned との違いを意識できるようになると、「古い」を的確に言い分けられるようになります。昔ながらの良さなのか、単に遅れているのか。評価の色を選んで伝えられます。

歴史テーマパークを指して二重の意味を効かせたチャンドラーの一言を思い出しながら、behind the times を表現の引き出しに加えてみてください。

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