「yank someone’s chain」の意味と使い方|『フレンズ』S03E01で学ぶ英会話

「yank someone's chain」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

信じがたい報告を相手が真顔でしてきたとき、思わず「またまた、からかってるんでしょ」と受け流したくなることがあります。本気だと分かるまで、人はまず冗談として処理しようとするものです。

そんなときにぴったりの「yank someone’s chain」を、『フレンズ』シーズン3第1話の序盤、チャンドラーが恋人ジャニスと真剣に付き合うと宣言し、ジョーイが取り合わないシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「yank someone’s chain」の意味とニュアンス

yank someone’s chain
意味:(人を)からかう、かつぐ、担ぐ

相手をじらしたり、冗談で振り回したりすることを表す口語表現です。yank は「ぐいっと引っぱる」、chain は「鎖」。つながれた相手の鎖を引いて反応をうかがう、というイメージが下敷きになっています。

多くの場合、悪意のない軽い冗談として使われます。相手が信じかけたところで「なんてね」と種明かしをする、あのじらしの感覚です。だからこそ、真に受けそうになった側が「Stop yanking my chain(からかわないでよ)」と返す形でよく登場します。

なお、劇中では chain を省いた yank me / yank you の形で使われています。会話ではこうして短くなることもありますが、覚えておく基本形は yank someone’s chain です。

【ここがポイント!】

  • 核は「相手の鎖を引いて反応を見る」じらし・かつぎのイメージ
  • たいていは悪意のない軽口、親しい間柄で交わされる冗談
  • 会話では chain が省かれることもあるが、基本形で押さえておくと安心

『フレンズ』S03E01のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

これまで数々の恋を長続きさせてこなかったチャンドラーが、今度こそ本気だと言い出します。相手はあのジャニス。ジョーイは当然、また一時の気の迷いか冗談だろうと決めてかかり、まともに取り合おうとしません。

Chandler: Nope. Not this time.
(いや。今回は違う)

Joey: Come on, quit yanking me.
(おいおい、からかうのはよせよ)

Chandler: I’m not yanking you.
(からかってなんかいない)

Joey: This is Janice.
(相手はジャニスだぞ)

Chandler: Yeah, I know. She makes me happy.
(ああ、わかってる。彼女といると幸せなんだ)

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シーン解説と心理考察

ジョーイが quit yanking me と返すのは、目の前の事実を信じたくないからです。チャンドラーの恋愛遍歴を知っているぶん、「本気だ」という言葉をそのまま受け取れず、まず冗談として処理しようとしています。

その反応の裏には、戸惑いだけでなく寂しさもにじみます。親友が本気で誰かと結ばれるということは、これまでの二人の距離が少し変わることを意味するからです。からかうなという一言は、変化を前にした素直な抵抗のようにも聞こえてきます。

対するチャンドラーの She makes me happy には、じらしも冗談もありません。yanking という語がぶつかり合うことで、冗談として流したいジョーイと、本気を伝えたいチャンドラーの温度差が際立つ場面です。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

yank someone’s chain は、鎖につながれた犬を思い浮かべると覚えやすくなります。飼い主が鎖をぐいっと引くと、犬はハッと振り返って反応する。その「引いて反応を引き出す」動作が、この表現の核です。

ジョーイの quit yanking me は、「俺の鎖を引いて、慌てる姿を見て楽しむのはやめろ」という感覚。信じかけては引き戻される、そのじらしの動きを鎖のイメージで押さえておくと、意味がぶれません。

似た表現の pull someone’s leg(足を引っぱる)と並べて、「引っぱって反応を見る」仲間として覚えておくのもおすすめです。どちらも相手をちょっとかつぐ、あの感覚でつながっています。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「yank someone’s chain」

信じられない話に返すとき、冗談の種明かしをするとき。3つの場面で使い方を見ていきましょう。

Wait, you won the lottery? Stop yanking my chain!
(待って、宝くじ当たったの?からかわないでよ!)
信じがたい報告に驚いて返す一言です。my chain と所有格を入れる最も基本的な形で、「真に受けそうになった」という気持ちがそのまま伝わります。

Relax, I’m just yanking your chain. The meeting isn’t until Friday.
(落ち着いて、ちょっとからかっただけ。会議は金曜までないから)
自分がかついでいた側だと明かす場面です。just を添えることで、深刻な話ではなく軽い冗談だったと和らげられます。

A: You’re moving to Paris next week? B: Ha, I’m yanking your chain. Just a daydream.
(A:来週パリに引っ越すの? B:はは、からかっただけ。ただの夢想さ)
大げさな冗談のオチとして使う会話です。相手を一瞬信じさせてから、種明かしで落とす。この表現の遊び心がよく表れています。

あわせて覚えたい関連表現

pull someone’s leg
(からかう、かつぐ)
ほぼ同義で、こちらのほうが古典的で広く使われます。yank someone’s chain のほうがやや口語的でくだけた響きを持ち、じらしのニュアンスが少し強く出ます。

mess with someone
(からかう、ちょっかいを出す)
より広く「いじる・ちょっかいを出す」全般を指します。からかい以外に、軽い嫌がらせ寄りの意味にもなり得る点が異なります。文脈しだいで温度が変わる表現です。

put someone on
(かつぐ、担ぐ)
作り話で相手を信じ込ませることを指します。yank someone’s chain のじらし要素よりも、「まるごと騙す」方向に寄った言い方です。

Note|「鎖を引く」比喩はどこから来たのか

yank someone’s chain の chain(鎖)は、いったい何の鎖なのでしょうか。実は、その出どころには複数の説があります。

よく語られるのは、つながれた動物の鎖だという説です。鎖でつながれた犬や馬の鎖を引くと、相手はぐいと引かれて反応する。ここから「相手を引っぱって反応を引き出す=からかう」という意味が生まれた、という筋道です。動物を相手にじらす情景は、この表現の軽い冗談めいた響きともよくなじみます。

もう一つ、古い水洗トイレの引き紐(chain)を引く動作に由来するという説もあります。かつてのトイレは、天井近くのタンクから下がった鎖を引いて水を流す仕組みでした。鎖を引くと、決まった反応(水が流れる)が返ってくる。この「引けば反応する」という構造が比喩の下敷きになった、という見方です。

どちらの説も、共通しているのは「引くと相手や装置が反応する」という一点です。相手の反応を引き出して楽しむ、というこの表現の核心は、鎖を引くという動作そのものに宿っているのでしょう。由来は一つに定まらなくても、イメージの芯はぶれません。

まとめ|チャンドラーの本気が届くまで

yank someone’s chain は、相手をじらしたり、冗談で振り回したりすることを表す口語表現です。鎖を引いて反応をうかがう、というイメージが、じらしの感覚をよく伝えています。

この一言を知っておくと、信じがたい話に軽く返したり、自分の冗談を種明かししたりする場面で役立ちます。深刻になりすぎず、会話にちょっとした遊びを持ち込める表現です。

チャンドラーの本気をなかなか信じられなかったジョーイのように、人はまず冗談として受け止めようとするもの。そんな瞬間の一言として、表現の引き出しに加えてみてください。

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