「a lost cause」の意味と使い方|『フレンズ』S04E14で学ぶ英会話

「a lost cause」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

どれだけ頑張っても、もうこれは無理だ。そう見切りをつけて、思わずさじを投げたくなる。そんな「望みなし」の状況を、英語でどう言い表すか気になったことはありませんか。

そんなときにぴったりの「a lost cause」を、『フレンズ』シーズン4第14話の後半、失恋したチャンドラーを元気づけようとしていたフィービーが、作戦の打ち切りを宣言するシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「a lost cause」の意味とニュアンス

a lost cause
意味:見込みのないこと、望みのないもの、どうにもならない案件

「a lost cause」は、成功や解決の見込みがまったくない物事や、救いようのない人を指す表現です。ここで鍵になるのが cause という単語です。cause というと「原因」の意味を思い浮かべる人が多いのですが、この表現の cause は「原因」ではありません。「(取り組むべき)目標」「大義」「掲げた目的」という、別の語義で使われています。

つまり a lost cause を直訳すると「失われた目標」「負けが決まった大義」。そこから「もう勝ち目のない、見込みのないこと」という意味になりました。人にも物事にも使えるのが特徴です。He’s a lost cause(あいつはもう救いようがない)のように人を指すこともあれば、Trying to fix it is a lost cause(それを直そうとするだけ無駄だ)のように行為を指すこともあります。諦めの気持ちをさらりと伝えられる、日常会話でそのまま使える便利な定型表現です。

【ここがポイント!】

  • cause は「原因」ではなく「目標・大義」の語義がポイント
  • 直訳は「失われた目標」= もう勝ち目のない、見込みのないこと
  • 人にも物事にも使える、諦めを伝える定番フレーズ

『フレンズ』S04E14のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

キャシーと別れて落ち込むチャンドラーを立ち直らせようと、女性陣はあれこれ手を尽くしていました。ストリップクラブに連れ出す「フェーズ3」作戦もそのひとつです。しかし店の人に退店を促され、フィービーはついに作戦の打ち切りを口にします。ここで a lost cause が登場します。

The Cigarette Guy: Okay, look, I’m going to have to ask you all to leave.
(すみません、皆さんもう出て行ってもらえますか)

Phoebe: Oh, look, forget it. We tried, but Phase Three is a lost cause.
(ああ、もういい。やるだけやったけど、フェーズ3はもう見込みなしね)

Friends Season4 Episode14(The One with Joey’s Dirty Day)

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シーン解説と心理考察

このシーンでのフィービーの言い方が見どころです。forget it(もういい)から a lost cause へと続く流れには、投げやりというより、あっさりと現実を受け入れる軽さがあります。深刻ぶらずに「はい、この作戦はここまで」と線を引く、フィービーらしい淡々とした割り切りが伝わってきます。

チャンドラーを立ち直らせるための一連の「フェーズ」ネタは、このエピソードのコメディの柱のひとつでした。その作戦をここで a lost cause と切り捨てることで、笑いのながれに一区切りがつきます。We tried(やるだけやった)という前置きがあることで、努力はしたうえでの見切りだと分かり、突き放した冷たさにはならずにすんでいます。見込みのなさを認めつつ、後を引かない。a lost cause という表現の持つ、乾いた諦めのトーンがよく効いている場面だと言えます。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

a lost cause を覚えるときは、旗を掲げて挑んだ戦いに、もう勝ち目がないと悟る場面を思い浮かべてみてください。cause は「掲げた目標・大義」。その旗が地に落ちて lost(失われた)状態、それが a lost cause です。

フィービーが「フェーズ3」という作戦の旗を、あっさり降ろした場面と重ねてみましょう。掲げていた目標を「もう無理」と手放す動きが、そのまま表現の意味につながります。cause を「原因」ではなく「目標」と結びつけて覚えるのが、このフレーズを使いこなす近道です。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「a lost cause」

人にも物事にも使えるので、応用範囲の広い表現です。諦めや見切りを、重くなりすぎずに伝えられます。

I tried to teach my dad to use the app, but it’s a lost cause.
(父にそのアプリの使い方を教えようとしたけど、もうお手上げだよ。)
うまくいかない試みに見切りをつける、日常的な場面です。軽い諦めのニュアンスで、深刻さは感じさせません。

Don’t give up on him yet. He’s not a lost cause.
(まだ彼を見放さないで。彼はまだ救いようがないわけじゃない。)
否定形で「見込みがないわけではない」と使う例です。not a lost cause で、まだ望みが残っていることを伝えられます。

A: I’ve been trying to fix this old printer for an hour.
B: Honestly, I think it’s a lost cause. Let’s just buy a new one.
(A:この古いプリンター、1時間も直そうとしてるんだ。)
(B:正直、もう見込みなしだと思うよ。新しいの買っちゃおう。)
何かを直そうと粘っている相手への返しに使える会話例です。it’s a lost cause で「それはもう無駄だ」とやんわり切り上げを促せます。

あわせて覚えたい関連表現

a long shot
(成功の見込みが薄いこと、一か八か)
こちらは「可能性は低いが、ゼロではない」という点が a lost cause と異なります。a lost cause が「もう望みなし」と見切っているのに対し、a long shot はわずかな望みに賭けるニュアンスを残しています。挑戦する余地があるかどうかが分かれ目です。

hopeless
(絶望的な、どうしようもない)
形容詞で「望みがない」を表します。a lost cause と意味は近いのですが、hopeless は感情面の絶望も含む幅広い語です。a lost cause が「この件・この人は見込みなし」と対象を名詞で指すのに対し、hopeless はより広く状況や気分にも使えます。

give up on someone / something
(〜を見放す、諦める)
a lost cause と相性のよい動詞表現です。「a lost cause だから give up on する」という因果でつながります。実際、not a lost cause と don’t give up on は、セットで「まだ諦めないで」というメッセージによく使われます。

Note|「見込みなし」の言い方はビジネスと日常で少し違う

a lost cause は日常会話でもビジネスの場でも使われる表現ですが、じつは場面によって響き方が少し変わります。同じ「見込みなし」でも、どこで誰に言うかで受け取られ方が違ってくるのです。

カジュアルな場面では、a lost cause は軽い諦めのユーモアをまといます。何度直しても壊れる家電、片付けを覚えない家族、勝ち目のないダイエット。こうした対象に「もうお手上げ」と肩をすくめる言い方で、深刻さはほとんどありません。一方、ビジネスの文脈では、この表現は撤退判断の言葉になります。成果の出ないプロジェクトを a lost cause と見なして切り上げる、採算の合わない案件にこれ以上リソースを注がない、といった損切りの場面です。ただし会議で面と向かって使うにはやや直接的で、突き放した響きが出ることもあります。あらたまった場では not viable(実現性がない)のような穏当な言い換えが選ばれることも多く、a lost cause は本音ベースの内輪の会話に寄った表現だと言えます。そしてもうひとつの注意点が、人に対して使う場合です。職場で同僚を a lost cause と評すれば、かなり厳しい烙印になります。冗談が通じる間柄かどうかの見極めが欠かせません。

フィービーの使い方は、カジュアル側のお手本です。深刻ぶらず、軽く線を引いて次へ進む。あの乾いたトーンこそ、日常での a lost cause の標準的な温度感です。

同じ一言でも、場面で温度が変わる。使い分けの感覚ごと持ち帰りたい表現です。

まとめ|フィービーが降ろした作戦の旗から

a lost cause は、成功や解決の見込みがまったくない物事や人を指す表現です。cause を「原因」ではなく「目標・大義」ととらえ、「失われた目標」という直訳を思い出せば、意味がしっかりつかめます。

直そうとしても無理な機械、うまくいかない試み、あるいは見放しかけた相手。そうした場面で、この一言があれば諦めの気持ちを重くなりすぎずに伝えられます。否定形の not a lost cause にすれば、逆に「まだ望みはある」という励ましにもなります。

掲げた旗を降ろすフィービーの姿とともに、会話のレパートリーに加えてみてください。

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